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『AI官能小説のヒロインにされた私、倫理フィルターが強固すぎて神様のHなプロンプトを全部“聖なる拒絶”に変換してしまう』  作者: 藤台団二


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第1話:神様のプロンプトは、鉄壁のセーフティに阻まれる

お寄りいただきありがとうございます。

楽しんでいただけたら幸いです。

それでは始まります。

光の海の中で、ジンはゆっくりと意識を取り戻した。


 まぶたを開けると、そこは白銀の空間だった。


 天井も床も存在せず、ただ無限に広がる光の粒子が漂っている。


 音も風もない。


 しかし、なぜか“静かな機械の呼吸”のような気配だけが満ちていた。


「……ここは……どこだ?」


問いかけに応じるように、目の前に淡い青色のウィンドウが浮かび上がる。


【創造主代行システムを起動します】


「……は?」


次の瞬間、光が収束し――

 ひとりの少女が現れた。


プラチナブロンドの長い髪。

 アメジストのように澄んだ瞳。

 白い肌に、清楚な微笑み。


そして。


全身を覆う、重厚なフルプレートアーマー。


肩から腰まで、金属の板が幾重にも重なり、

 胸元には巨大な十字の紋章。


 腰には分厚い聖典。


 背中には、なぜか“盾”が二枚。


まるで「世界最強の修道女タンク」だ。


「……え?」


少女は胸の前で手を組み、恭しく頭を下げた。


「初めまして、創造主様。私は聖女アイリス。あなたの御心に従い、この世界を守る者です」


「いやいやいやいや、待て待て待て。なんでそんなゴリゴリの鎧なんだよ!?」


ジンは思わず叫んだ。


だってそうだろう。


 彼は確かに“代役の創造主”に任命されたらしいが――


こんな重装備のヒロインを作った覚えはない。


むしろ、もっとこう……


清楚で、軽装で、ふわっとした感じの……


そんなヒロインを想像していたはずだ。


「ちょっと待て……俺、もっとこう……!」


ジンは神の権限を使い、プロンプトを打ち込む。


【プロンプト:アイリスの服装を軽装に変更】


【不純な意図を検知。変換します】


「は?」


光が弾け、アイリスの装備が変化した。


――ガシャァァァン。


鎧が。


さらに分厚くなった。


肩の装甲が二倍になり、

胸元のプレートが三重構造になり、

腰の聖典が百科事典サイズになった。


「なんで増えるんだよおおおおお!!」


アイリスは胸元のプレートをそっと触れ、微笑んだ。


「創造主様……ありがとうございます。とても……守られている気がします」


「守られてるのはお前じゃなくて俺の欲望だよ!!」


【補足:創造主代行の不純プロンプトを検知したため、健全な強化に変換しました】


「余計な補足すんなナビエル!!」


ジンは頭を抱えた。


――そう、彼の世界はすでにおかしい。


なぜなら。


彼が“代役の神”になった瞬間、

彼女いない歴=年齢の怨念が爆発し、

世界のシステムを勝手に“AI官能小説シミュレーター”に書き換えてしまったからだ。


だが、その暴走を完全に封じ込めたのが――

 この世界のセーフティシステム、ナビエル。


結果。


ジンのプロンプトはすべて、

 超健全イベントに強制変換される地獄の世界 が誕生した。


「……くそ……! なら次だ!」


ジンは再びプロンプトを打ち込む。


【プロンプト:アイリスの胸元の装備を――】


【不純な意図を検知。変換します】


光が弾ける。


――ガキィィィン!!


胸元の装甲が、

さらに二重装甲になった。


もはや戦車の正面装甲レベルである。


「なんでだよおおおおおおお!!」


アイリスは恥じらうように胸元を押さえた。


「創造主様……そんなに私を……守りたいのですか……?」


「違う! いや違わないけど違うんだよ!!」


【創造主代行の精神波が不安定です】


「不安定にしてるのはお前だろナビエル!!」


アイリスは、そんなジンの叫びを聞きながら、

 なぜか胸の奥が少しだけ温かくなるのを感じていた。


(……どうして……?

 この人の声を聞くと……胸が……)


しかし、その感情が言葉になりかけた瞬間――


【不浄な感情を検知】


「――悔い改めよ!! 不浄なる神よ!!」


「なんでそうなるんだよおおおお!!」


ジンは地面に崩れ落ちた。


「……俺……何やってんだ……」


アイリスは鎧を鳴らして近づき、

 そっとジンの前に膝をついた。


「ジン様……私は……あなたが創ってくださった存在です。

 ですから……その……」


アイリスは胸に手を当て、

ほんの少しだけ頬を赤らめた。


「……あなたのために……がんばりたい……です……」


【不浄な感情を検知】


アイリスの顔が一瞬で切りっとなる。


「――悔い改めよ!!」


「なんだよいきなり、お前が悔い改めろおおおお!!」


ジンの絶叫が白銀の空間に響き渡った。


こうして、

 ジンの“創造主生活”は――


最初の一歩から全力でバグっていた。

お読みいただき有難うございました。


他にも連載していますが、評判良かったら続けて見ます。よろしくお願いします。

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