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媛西電車  作者: Hankyu3058
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⑲媛鉄西宮駅「みんなで西宮!」

⑲西宮駅

中学のときなんて暇でしかなかったうえに特別なことは何も起こらなかった.

なんか無駄なことだらけの3年間だったように思う.

なのにこの3日だけでいろんなことが起きた松山への旅路.

こんなに最高の3日間は今までにない.

まぁ親不孝なことはしたけど…

地下の広いホームは3日前の朝と違い人があふれていた

綾奈と桜ははじめての西宮にキョロキョロしながら改札へと向かった

しかし改札機に切符を入れたとたん

ポーンという音とともに改札が閉まった.

「あ,しまった…」

一人だけ改札を通りぬけた桜が清算機に急ぐ僕たちを不思議そうに見つめる.

家への道を案内しながら相談する.

「どうする? ちょっと西宮を観光していく?」

「観光スポットあるの?」

「特にないかな. 春なら夙川公園がきれいだけど夏は暑いしね」

「じゃあはやく桜川の家に行こう!」

「思い出した. 冷蔵庫が空だからなにか買わないといけない」

「じゃあ夜はどうするの? 家でいただくなら…」

「今コンセント全部抜いてきている. ブレーカーも」

「ほんとうのほんとうに空?」

「いくら関西電力が節電,節電言っていてもそこまでする方がいらっしゃるとは…」

「あ,そっか美波ちゃんも関西か. なぜに尊敬語?」

「ん? 尊敬語に深い意味はなし.」

「あ,そうだ. 綾奈. 今日の夜ご飯作ってよ,お金はらうけん」

「え? いいの?」

「いいの? って僕がつくるより断然美味しいもん. 予算限られてるけど.」

「そう言われても桜川の料理食べたことないしわからないけど」

「うん. 桜川のも食べてみたいから… 2人で作ってよ.」

まぁ美波が言うならしょうがないかな…

と,言うことで駅をでてすぐ南にあるスーパーに引き返した

「え!? 桜川ってこんな高級スーパーで買い物しているの?」

「ここ,高級なの? 全く知らずに買い物していた. 便利だし」

「ひゃ~ 金持ち~」

美波が一人でおどろいている. All愛媛の2人は頭の上に『?』が乗っている

「全く金持ちじゃないよ. バイトもしていないし.」

「でもこのスーパーで食材を買うのは…」

「知らなかった. もっと安いところがあるの?」

「探せば.」

そうなの? でも探すの面倒くさいから

僕はここでいいや.

「ねぇ 桜川. 今日の晩ご飯綾に任せてくれない?.」

「どうぞどうぞ~」

「あと快速特急のお礼もしたいし,お金払う.」

「ほんとうに? じゃあお願いしま~す」

と,言うことでかいものはすべて綾奈に任せ

3人で後をついていきながら…

「マルナカや愛媛コープは比べものにならんよね」

「フジは? 別に変わりなくない?」

「いや,それは宮田町のところだけでしょ.」

「わかる気もする. 本町フジなんて寂しいもんね. マルナカより狭いかも」

「一応100円ショップが2階にあるでしょ.」

「つかったことない.」

「じゃあ他に…」

「そんなIkariに勝つ松山のスーパーある?」

「高島屋.」

「それ百貨店だよね. さすがにそれは高島屋のほうが上でしょう.」

「え? 高島屋に食品売り場なんかあった?」

「いやぁ. 覚えていないな.」

「高島屋といえばくるりんをご褒美に親の買い物につき合わされた記憶しかない」

「くるりんはよく乗った. あの時は安かった.」

くるりんっていうのはいよてつ高島屋9階にある大観覧車のこと.

僕が小さいときは1かご500円だった.

「いまじゃ軽く1000円超えているからね」

「松山のなんて安いほうだよ. 美波ん家の近くのハーバーランドとかやばいよ」

「ばーばーらんど?」

桜のいった言葉があまりにも幼稚に感じたので笑ってしまった

「ハーバーランド. 神戸の臨海部にある.」

「でも美波,梅田の方が高くない?」

「ごめん,乗ったことがない.」

「そうか… あ,Expo cityのも神戸より高いんじゃない?」

「桜川って観覧車好きなの? そんなに乗っていて」

「べつに. 大学の仲間でよく乗るから」

「なるほど. 桜ちゃんは乗る機会ないの?」

「んー. くるりんと横浜にある…あのなんだっけ その2つだけ」

「あ,みなとみらいの.  桜はよく行くの?」

「さぁいままでに3回ぐらい…」

「美波は横浜1回行っただけだよ」

「へぇ~ 僕は行ったことがない.」

「本当に!? また一緒に行こうよ」

「うん.いいよ. 行こう行こう!」

桜がいやらしいぐらい笑っている. 声を殺して

そして綾奈が聞いてきた

「飲み物は? どうする?」

「新居浜で買ったお茶がある.」

「足りないでしょ~」

と,言うことでお茶をえらんで,レジに並んだ.

夕方でどのレジも行列ができている.

かごにお茶を入れようとしたら,すでにかごが山盛りでびっくりした

いくらするんだろうな… はらうわけじゃないけどどきどきしてきた.

あれ?まだ合計金額が出ていないのに綾奈はすでに5000円札を出している.

「綾奈. 計算してるの?」

「うん.上手いことかわないとね.」

こいつは天才だと確信した.

普通. 買いながら計算はしないでしょ?

スーパーをでて阪急電車が走る横の道を歩いて

家へと向かった.

ん? どうも見覚えのある奴が前のほうから歩いてきた

珠季? やっぱりそうだ!

「珠季~!」

「あ,直樹か.誰かとおもった.  ん?」

その瞬間珠季は美波を指差して

「なんで輪島さんが?」

「え? 知り合い!?」

「あ,マンションで隣に住んでいる. えっと… あ,思い出した平野さんだ.」

珠季と美波がお隣さん? 偶然だね~. ってなんか嫌な感じもする…

「って,いうか直樹こそ輪島さんと知り合いだったんだな.」

「うん.中学がいっしょだったから.」

「あ,ああ,ああああああ」

珠季はおかしくなったかのようにいった

「直樹. 愛媛県の人だったな じゃあその2人も中学の同級生?」

「うん.」

「へぇ~ しかしすごい組み合わせだな. 今からどこ行くの?」

「家. すぐそこ.  いや,そんなことよりこんなところでなにしてんの.」

「家に帰っている途中」

「競馬場前から媛鉄もしくは仁川から阪急に乗ればよかったのに.」

珠季は少し黙ったあとにしゃべった

「金がなくてさ. 電車に乗れないんだよね

競馬で10000円かけたら見事に外れてしまって.」

4人とも呆然としてしまった.

競馬で10000円!? ありえねぇ~

珠季は競馬場から歩いてきているわけだ.

「神戸まで歩くつもり?」

「いや西北まで. そこからならぎりぎりお金がある.」

ん? 仁川から乗るのと西北からのるのって…

まぁ10円足りなくても電車は乗せてくれないからな.

帰りの電車賃ぐらい考えて金を賭けろよな.

絶対当たるんだったらまた別の話だけど.

「じゃあまた.」

1万を失った奴とは思えないほど軽快な足取りで珠季は去って行った.

いくら東京五輪が目前で好景気だからといって

バイトの大学生が競馬で1万使うのはおかしいと思う.

家はすぐそこなのに外で珠季についてしばらく盛り上がった.

そういえば…珠季の出した奇妙な叫びはなんだったんだ?


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