1パート
「そのジグソーパズル、実は裏があるんだ。一度裏返して板だけ浮かせてごらん。」
言われたとおりにすると、パーツの裏に書かれていた。「未来へ。」
優が言った。
「俺たちは過去へ行くための研究をしてきて、わかったのは大事なのは今ここからどうするか。過去はうまく行かなかったかもしれない。それを嘆いてばかりいるのではなく今ここからどうするか。それがわかった。拓人は今は自分自身を否定しているだろう。だから自信を持つために今これから変えていけばいい。」
健太がそうだよと言わんばかりに拓人に飛びついた。優は続けた。
「いろいろ考えてようやくわかったんだ。なんで30年前に飛んでしまったのか。俺達が見つけ出したのが今これからどうするか。俺はそれを誰よりもまず君に知って欲しかった。だから30年前にずれてしまったんだ。」
息子に自分自身を取り戻して欲しかった。過去をいつまでも嘆くのではなく、今これからを変えればいい。過去に飛んで未来を変えた愛ちゃんのように。自分自身に自信が持てないのなら持てるようにこれから頑張るしかない。それを知ってもらいたくて30年前に時間がずれた。父として伝えたかった思いを30年前から伝えたかったのか。
「拓人、今後はどうする?」
「もう少し勉強して、べつな仕事を探すよ。」
優は通帳を取り出して手渡した。
「多少は貯めてある。何かの足しにするといい。母さんががめつく貯めていた。」
いつまでも立ち止まっていてはいけない。今これからを変えるんだ。
「みなさん、ありがとうございます。」




