第二十四話 REONAも体調不良みたいで……鬱になる
麗奈には一応、飯を用意し薬も飲ませたし。
後は……とにかくゆっくり休ませることしかできないなあ。
麗奈のために使っていた食器の類を片付けると俺も何か食うか……と再びキッチンへ。しかし、そこへ……。
ピロン ピロンッ
と可愛らしい通知がスマホに届いた。この音はREONA専用にしているSNSの発信が新たに届いたってことだ。昼をどうするか考えていたところに届いたものだから俺は昼飯の準備をするよりも前にSNSのチェックをすることにした。
『ちょっと体調を崩してしまったみたいです……でもでも、ライブまでには全力で治すので、皆さんも体調には気を付けてくださいね!!』
今回は特に写真などの掲載は無く、言葉だけの発信だけだった。が、REONAが体調不良だと!?あー……そう言えば、本屋にも寄りたかったんだけれど結局止めにしてたんだっけ。体調不良……単なる風邪とかだろうか。まさか、今流行りのウイルスにでも罹ったか!?が、ライブの中止とかって発信では無かったので取り敢えず安心した。これで、ライブ中止とかって発信が届いてみろ!……俺の鬱がきっと最悪なことになるに違いない。
それにしてもSNSを利用している芸能人たちは大変なもんだな。こうして体調を崩したときにもわざわざSNSで発信して……どの程度の体調不良なのかは分からないけれど、もし寝込むほどの体調不良だったらどうする?スマホをイジることだって大変なんじゃないか?まあREONAって情報そのものが少ないものだからこういう情報でも欠かさずにSNSで発信してくれるのはREONA愛からすれば助かるのだけれど……やっぱり心配だなあ。
結局、軽くパンをトーストして、インスタントのコーヒーを片手に簡単な昼食をとりながらリビングのそこそこに大きいテレビを付けて気になるニュースなどがやっていないかチェックすることにした。上の階で妹が寝ていると思ったので、もちろん音量はなるべく小さくして。
確か流行りの咳を注意するように速報が流れたのもこのぐらいの昼頃じゃなかったっけか?現在の政治状況とか、スポーツニュースは俺的にはぶっちゃけどうでも良い。俺が気にしているのは流行り病についての情報だ。だいたいここまで騒がれるようになれば医療機関が切迫しているかどうか、一つの医療機関辺りにどれぐらいの患者がいるかどうかが分かったりするものだ。だからアニメを観ているときのように真剣にニュースを目にしていたのだけれどそれらしいニュースは今のところ流れてこない。……俺の思い過ごしだったんだろうか。と、やっとのことでここ数日にうちに一気に感染者が増えた咳についてのニュースがはじまった。何処ぞの医師も呼んでの特報となっているようだ。
だいぶ、ぬるくなってしまったインスタントコーヒーを口にしながらソファーに座っているものの前のめりになる恰好でニュースを聞くことにした。
『今回の咳は、飛沫感染するということですが、その飛沫感染というのはどれぐらいの範囲で感染してしまうものなのでしょうか?』
『例えば同じバスの中、電車の同じ車両の中、でマスクをしていない方が咳を一つしたとします。すると同じ車内にいた人たちにはほぼ全員にうつってしまうと言っても良いでしょう』
『例え感染したとしても人によって症状は様々だと聞きますが、詳しくお願いします!』
『もちろん咳をしている人のそばにいるからといっても必ず罹るというわけではありませんし、体調不良になっているようであれば罹る可能性は高くなるかもしれません。咳の具合も全く出ないという人もいれば、ずっと咳き込んでしまって夜眠れなくなるほどに咳が続いてしまう患者さんもいます』
『一度感染したとして、治るまでにはどれぐらいの期間が必要となるのでしょうか?』
『これも人によるのですが、短く見積もって一週間は具合をみるべきでしょう。特に重症化してしまうとゆっくり体を休ませる期間も長くなってしまうので二週間ほどは体を休ませた方が良いでしょうね』
短くても一週間も掛かるのか……それって下手をしたらインフルエンザよりも体に長く残るってヤツなのだろうか。まあ医師も下手なことを言って、あとから『短期間で治るって言ったじゃない!』って怒鳴り込んでくる患者がいた場合、医療機関としては困るもんだしなあ。
それから重症化した場合には肺炎にまで至ることがあるからまずはきちんと医療機関を受診することを勧めているが、今や何処の医療機関に行っても大勢の患者でごった返しているんだろうなあ。こういう言い方はいけないことなのかもしれないけれど、もしかしたら感染した!?と思って医療機関を受診している間に、感染している人からウイルスを貰ってしまって感染していない人が感染しちゃった……なんてこともあるもんなあ。こういうケースが厄介だったりするもんだ。だから医療機関に受診するのは大切なことだけれど、病院に行くときにはいつも以上に注意が必要だったりするもんだ。
確か麗奈の場合、少し熱もあって咳も出てはいたが肺炎までは今のところは至っていないって小山先生は言っていたっけ。一応、薬も貰ってきたし、これで少しでも落ち着いてくれれば良いんだが……。そうしてニュースを見ていたらリビングにやってきた麗奈がいたものだからぎょっとしてしまった。なんだ、コイツ寝ていなかったのかよ!?
「ごほっごほ……あ、いたいた……」
もちろん麗奈はマスクをしている。俺もコーヒーを飲み終わっていたのでマスクをかけていたが、なんだ、どうした!?なんで部屋から出てきたんだ!?
「ど、どうした?眠れないか……?」
「えっと……ごほごほっ……の、飲み物補充に……ごほっ……」
「なんだ、そうか……。って、それぐらいならスマホで連絡してくれればいくらでも用意してやるぞ?」
「だって……ごほっ、いちいち……用意してもらっちゃ、悪いし……ごほごほっ」
麗奈の場合、熱も測ったとき以上に上がってきたのかマスクをしていても分かるぐらいに顔が赤い。ただ部屋から出てリビングにやってくるのもやっと、って感じだ。おいおい、足!ふらふらしていて危ないじゃないか。
「ふらついてるぞ?ちょっともう一回熱測ってみろよ。……飲み物なら用意してやるから」
ぽんぽん、とソファーに座るように促すと、どこかぼんやりした顔でソファーに座り、大人しく体温計を手にして熱を測り出した。……つか、この感じだと……高熱が出ているんじゃ……。こんなに顔を真っ赤にしている麗奈なんて最近みないからなあ。小さい時に熱を出して、眠れなくていつまでも騒いで泣いていたときはあったけれど、麗奈だってもう大人だ。免疫とかの問題は無さそうだけれどこんなに酷いのか……。
ピピピッ ピピピッ
熱を測り終えた麗奈から体温計を受け取ると……38.5分。だいぶ……っていうか、かなり上がったなあ……。今、昼だろう?飯も食べたし、薬も飲ませたよな……。この分だと、夕方頃になったらまた少し熱は上がるかもしれん。あ、熱ってそういうもんなんだよ。昼頃にはちょーっと落ち着いたか?って油断していて夕方や夜になってまた熱がぶり返すっていうケースが多い。が、麗奈の熱は下がらないどころか上がっている。
大丈夫だろうか……一応、冷蔵庫には水もあればスポドリ系もある。両方、持って行ってやるか。それから熱がある人には欠かせないアレも。
「麗奈……立てるか?」
「!た、立て……るから、ごほごほっ……」
相変わらず咳は酷そうだ。咳止めの薬、貰ってきたんだよな……すぐには効果は出ないって感じだろうか。じゃっかんふらふらしている麗奈がぶっ倒れたりしたら大変なので(特にその際に頭でも打ったら一番大変なので!)肩を支えて麗奈の部屋に一緒に向かった。
妹ちゃーっっっん!!!大丈夫!?大丈夫なの!?頑張れ!熱があるってことはウイルスが免疫と戦っているってことさ!前向きに考えよう!
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