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23話 一緒に寝ようか。

「スゥゥ…スゥゥ…」


「本当にそっくりだな…私が隣で寝てるみたいだ…」


私はアリスちゃんと同じベッドで一緒に眠っている。

なぜそうなったのか、それは遡ること一時間前…

私達は晩御飯を食べ終わって、順番にお風呂に入ると[もちろんミーナさんとアリスちゃんは二人でお風呂に入った。]私とアリスちゃんはお揃いの猫耳パジャマに着替えて、二階のリビングでココアを飲みながら、楽しくお喋りをした後の事…


«ふわぁぁ…»


「ふっふ。二人ともあくびまでそっくりね。

 そろそろ話すはこれくらいにして。寝ましょうか。」


「ユリちゃん。そうしようか。」


「そうだね。」


「アリス。私と一緒に寝るでしょう?」


「一緒に寝るんですか?」


「時々ね。特に帰ってきた日は必ずアリスから一緒に寝ようって言ってくるの。」


「そうなんですね。」


「いいじゃない…帰ってきた日ぐらい…」


「何も言ってないよ。」


「アリスは何歳になっても甘えん坊なのよね。」


「お姉ちゃんったら…」


「いいですね…姉妹で仲良く眠る…」


(ユリさん!涎出てますよ!)


(あっこりゃ、いかん。)


「あっそうだ。この際だから。優梨ちゃんも一緒に寝ましょう?」


「えっ!?」


「私もですか!?」


「だって。アリスと私は二人で寝るのに優梨ちゃんだけ一人で眠るなんて寂しいんじゃない?」


「そっそんなことは…?というか3人で寝たら狭くないですか…?」


「私のベットね。元は両親が使ってたやつでダブルベッドだから広いのよ。だから3人で寝ても大丈夫なの。」


「でっでも…?」


「駄目…」


「アリス?」


「駄目ったら駄目!お姉ちゃんはアタシとしか寝ちゃ駄目!他の人と他の人となんて…うぐっ…うぐっ…」


「えっ!泣いてる!」


アリスちゃんはよっぽど嫌だったのか、大粒の涙を流して泣き始めた。


「わかったわ。そんなに嫌なのね。3人で寝ようなんて言わないから。」


「本当…?」


「私もだよ。」


「ごめん…」


「あっだったらいい事思いついちゃった。

 アリスとユリちゃん、今日は二人で寝てくれる?」

 

「えっ!?」


「私とアリスちゃんでですか?」


「アリスは三人で寝るのは嫌で、でも二人で寝るとユリちゃんは寂しい。」


「私、寂しいとは言ってません…?」


「だったら二人で寝ればいいじゃない。それで解決よ。」


「話、聞いてますか…?」


「お姉ちゃんは私と一緒に寝られなくていいの…?」


「今日はいいわ。」


「ガーン、わかった…そうする…」


「決まりね。」


「えっ!私はまだ何も!」 


「ユリちゃん一緒に寝ようか。」


「あっはい…」


そして今に至るわけ、二人で寝るのは構わないんだけど…なんか落ち着かない…人と寝るなんて、久々だからかな…?

  

「うーん…」


「なっ…」


アリスちゃんが寝返りをして、私に抱きついた。


(べつに変な意味じゃないけど…唇が近い…)


(意識しちゃいますか?)


(意識って…)


「お姉ちゃん…」


(お姉さんの夢でも見てるのかな…?)


(でしょうか?)

 

だがそこから衝撃的な寝言を聞くことになる。


「私が大きくなったら、結婚してくれるって言ったよね…私、大きくなったよ…」


「結婚!?姉妹同士で!?」


(しっ〜!大声出したらアリスさんが起きちゃいますよ!)


(あっ!)


「驚くこと…?するって言ったじゃない…?」


「あわわわっ〜♡」


私はとんでもない二人の秘密を知って、テンションが上がってしまった!

二人はただの仲のいい姉妹じゃない、ガチの百合姉妹だったのだ!


(優梨さん!また百合オタク全開ですね!)


(そっそんな、解説いらないから!)


「キスしよう…」


「えっ!?」


「誓いのキス…」


「だっ駄目だよ!」 


「むぐっ…」


キスされかけたが頬を押さえて止めた。


(何もそこまで全力でキスを止めなくても…?アリスさんにキスされるのがそんなに嫌なんですか…?)


(キスされるのが嫌とかじゃないよ。ただ私はミーナさんじゃない、アリスちゃんの大事なキスを奪いたくないの。)


(なるほど。それででしたか。)


「スゥゥ…スゥゥ…」


(よかった、事なきを得たみたい…)


(アリスさん、幸せそうな寝顔してますね。)


(だね。それにしても現実でガチの百合姉妹に出会えるなんて…)


(異世界に来てよかったですか?)


(異世界に来てよかったかもしれない…)


優梨は満面の笑みで答えると、眠りについた。


(眠りましたか。じゃあ私も…)


すると部屋の扉がゆっくりと開いた。


「ごめんね。アリス。泣かせちゃって。

 でもこれが見たかったのよ。」


ミーナはカメラを持って、静かに近づいた。


«スゥゥ…スゥゥ…»


「きゃぁぁ♡可愛い♡本当に双子みたい♡」


(これがミーナさんの目的でしたか。)


ミーナは喜びながらシャッターをきるのだった。


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