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21.5話② 妹キャラって可愛いな…

私達は家に帰っていた。


「さっきはアタシに罰がないように庇ってくれたんだよね。ありがとう。」

 

「あっいや、いいんですよ…」


「聞いてた通り、優しい女の子みたいだね。」


「そっそんな…」

(なんか自分に褒められてるみたいで…不思議な気分…)


(照れてますね。)


(ちょっと変なこと言わないでよ…)


「そういえば、初めてあった時からアタシに敬語で話してるよね?」


「ですね…」


「確かユリちゃんは私より一つ年上なんだよね?アタシも敬語じゃないし、遠慮せずにタメ口で話していいんだよ?」


「いいんですか…?」


「もちろん。」


「じゃじゃあ…今からタメ口で話すね…?アリスさん…?」


「さんづけもしなくていいよ。」


「アリスちゃん…?」


「はーい。」


「わっ!」


アリスは優梨に抱きついた。


「いきなり抱きついたら、びっくりするよ…?」


「ごめん、ごめん。姿がそっくりだし、アタシに妹が出来たみたいに思えちゃって。」


「私が妹って…私の方が胸が小さいから…?」


「そっそういうつもりで言ったわけじゃないよ。」


「いいんだ…自分でもわかってるから…」

 

「本気で落ち込むことないでしょう。」

(なんかこの子、聞いてたより、普通の子だな?本当にお姉ちゃんが言ってたように強いのかな?)


「アリスちゃんはミーナさんから聞いてた通り、強い冒険者なんだね…さっきの戦い、見ていて驚いたよ…?」


「まぁ、これでもCランク冒険者だからね。」


「Cランクか…すごいな…そんなに強かったら、パーティーとかに誘われたりするんじゃないの…?」


「誘われるけど断ってる。アタシは一人でやってる方が性に合ってるからね。」


「一匹狼タイプってやつ…?」


「そういうこと。」


「そうなんだ…」


(アリスさんを誘おうと思ったんですか?)


(えっ!べつにそういうわけじゃ!)


(これほど強くて、まだどのパーティーにも属してないアリスさんのような女の子に出会える機会、この先、早々あるかわかりませんよ?誘った方がよいのでは?)


(まだ私、Eランクじゃないから、パーティーに誘えないよ。)


(あっそれもそうでしたね…)


(それに…)


(それに…?)


(私が作るのは百合パーティーだよね…?そっくりな女の子と百合をするのは…)


(双子百合ってあるじゃないですか…?)


(だっだけど…それとは違うような…)


「その悩んでる表情、もしかしてアタシを誘いたかった?」


「えっ?」


「ユリちゃんにはお姉ちゃんを助けてくれた借りがあるし、Eランクになってパーティーを作ることになったら、アタシ入ってもいいよ?」


「いいの…?一人でやってる方が性に合ってるんじゃ…?」


「あなた私にそっくりだから、なんだかほっとけないんだもん。姉妹でパーティー組んでるって思えば平気だし。」


「そっそう…考えておくね…」


「上から目線だな〜?アタシの方が冒険者としては先輩なんだぞ〜?このっ、このっ。」


「ひゃははっ、やめて、やめて。」


アリスは優梨の脇腹をくすぐった。


「どうだ、参ったか?」


「ハァハァ…参りました…」


「アタシは怒らせると怖い先輩だぞ?覚えておくように?」


「はっはい…」

(確かに怒らせないように気をつけよう…)


(あのアリスさんを見てたら思いますよね…)


「でも歳ではユリちゃんが上なんだよね?

 ユリお姉ちゃんって呼ぼうか?」


「ユリお姉ちゃん!?」


「ユリお姉ちゃん…」


「はわぁっ。」


私は不本意にも自分にそっくりなアリスちゃんにお姉ちゃんと呼ばれて、胸がキュンとしてしまった。


「なんてね。どう?嬉しかった?」


「あっうん…」

(自分にそっくりなアリスちゃんにキュンとするなんて…妹キャラって可愛いな…恐るべし…)


(ふっふ。優梨さんったら、私が心の声を聞いてるのを忘れてますね。)


(わっわっわ、こっこれは!妹キャラのアリスちゃんが可愛すぎるからであって!

 決して私自身が可愛く見えてるとか自意識過剰になってるわけじゃないから!)


(それってユリさん、アリスさんも対象に出来ることを宣言してますよ?)


(なっ!)

 

(これから楽しみですね。)


(もう〜どうなるの私〜!?)


私の百合パーティー、最初の候補は私にそっくりな女の子だった。



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