99話 アイルの見た夢。
(ふわぁぁ…よく寝た気がするなぁ…?今って何時だろう…?)
メアが寝ぼけながら時計を見ると時間はお昼過ぎになっていた。
(私、こんなに寝てたんだ!急いで優梨さんのサポートに戻らなくちゃ!)
するとタイミングよく扉をノックされた。
「誰ですか?」
「ハァハァ…メアさん、わたくしですわ!」
「エイラさんでしたか。どうなされたんですか?」
「アイルが目を覚ましたみたいなんですの!」
「アイルちゃんがですか!」
「ええ!一緒に来てください!」
「はい!行きます!」
アイルのいる神殿の奥の部屋に向かった。
«メアちゃん!»
「メア君!」
「メアさん!」
「皆さん!」
するとすでに部屋の前に守護天使達が集まっていた。
「ハァハァ…皆さんも来てくれたんですね…?」
「そりゃそうだよ。アイル君が目覚めたって聞いたら、飛んでくるに決まってるじゃないか。」
「セーナさん…」
「仕事なんてしてる場合じゃないよね!」
「まぁね。こっちの方が重要よ。」
「リルさん…リラさん…」
「サナちゃんだってそうでしょ?」
「私は皆さんが行くので…着いてきただけですよ…」
「素直じゃないな〜?」
「皆さんありがとうございます。」
「あなたが感謝しなくていいんですのよ。」
「えっ…?」
「だってメアさんが一番アイルの事を心配していたのだから。」
「エイラさん…」
『皆さん。』
«女神様!»
扉を開いて女神様が出てきた。
「アイルちゃんが目を覚ましたって!」
「本当ですか!女神様!」
『はい。先程、目を覚ましましたよ。』
«やったぁ!!»
「それを聞いて一安心だね。」
「うぐっうぐっ…本当によかった…」
「よかったですわね。メアさん。」
エイラは涙ぐむメアをそっと抱きしめた。
(お姉様…)
その様子にサナは切ない表情をした。
「それでアイルちゃんは今、どうしてるんですか…?」
「そっそうでしたわね。アイルは今?」
『気になって当然ですね。目覚めたので部屋に入ることを許可します。着いて来てください。』
メア達が部屋に入ると、中は広く真っ白な空間になっていて、その真ん中にある綺麗な花でいっぱいのベッドにアイルは居た。
「アイルちゃん!!」
「メアちゃん…」
「目を覚ましてくれたんだね…」
メアは抱きつきながら大粒の涙を流した。
「ごめんなさい…心配させちゃって…それに皆さんも…?」
「いいんだよ。ボクらは仲間じゃないか。」
「そうだよ!そうだよ!」
「そうね。」
「もう、忠告をちゃんと聞かないで無茶するからですわ。まぁでも…思ったより元気そうで何よりですけど…」
「ありがとうございます…それでメアちゃん…?優梨さん達はあれからどうなったの…?」
「ああ、それはね…」
『色々、聞きたいこともあるかもしれませんが。アイル、あなたは目覚めたとはいえ、まだ完全には回復していないので、もう2日は大人しく眠ってもらなければなりません。よろしいですか?』
「そうですか。わかりました。」
「じゃあ、二日後に話すね…?」
「うん。お願いするよ。」
「それではわたくし達はこの辺にしておいた方が良さそうですわね。皆さん。」
「そうだね。ゆっくり休養してね。アイル君。」
「二日後に元気な姿見せてね!」
「しっかり休みなさいな。」
「ありがとうございます。」
「アイルちゃん…」
「そんな暗い顔しないで。二日後に会えるから。」
「アイルの言う通りですわ。」
「はい…待ってるからね…?」
「うん。それまで優梨さんのサポートをお願いするね。」
「大丈夫。任せて。」
メア達は女神様の部屋から退室した。
『では再び眠らせるので、目を閉じてください。』
「その前に…女神様に一つ聞きたいことがあるんですけど…?」
『何ですか?』
「眠っている間に不思議な夢を見たんです…」
『どんな夢ですか?』
「女神様に似た天使らしき美しい少女と頭に角がある私に似た少女が氷漬けにされた街で、互いに涙を流しながら戦っている夢です…」
『それは…』
「すごくリアルな夢でした…まるで実際にあったような…そんなはずないのに、おかしいですよね…」
『駄目よ…』
「えっ…?」
すると女神様は無表情でアイルに手をかざした。
「女神様…?」
『それは思い出しては駄目…』
「どっどういう意味ですか…?」
『メモリー・デリート。』
「その術は!あっ…」
するとアイルは意識が飛んで、そのままベッドで眠りについた。
「スゥゥ…スゥゥ…。」
『アイル…いいえ、〇〇ちゃん、ごめんね…?あなたに前世の記憶で悲しんでもらいたくないの…』
女神様はアイルの頬にキスをした。
『あなたはずっと私の側にいるのよ。』
そしてその頃、部屋に戻ったアイルは優梨にアイルが目を覚ましたことを伝えた。
「うぐっ…」
「どっどうしたの…?ユリちゃん…?いきなり泣き出して…?」
「ごめんね、驚かせて…?アイルちゃんが今さっき目を覚ましたって知らせてくれたんだ…」
「そっか。よかったね。」
「うん。」
「ユリ先輩、アリス先輩!何してるんっすか!次はこっちのエリアを案内するっすよ!着いてきてくださいっす!」
「呼んでるね。行こう!」
「うん!」
二人は手を繋いで、ララのいる場所に行った。




