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忘れてたけどクエストだった

 「とまぁこれが事の全貌だ。一切脚色はしてない。全て現実で起こったことだ」


 「半分くらいお前の話だったけどな、それでも、、、本当にあったのか、、、親父は嘘を言っていなかった、、、、」


 「そうか、、、カカジはホラ吹きじゃなかったのか、、、何か悪くなってきたな、、、」


 あの後噴水から出てきて、串焼き屋のおっちゃんの大爆笑を止めようと(物理)したところで、これがクエストだと言うことを思い出した。

 その後、何故か付いてきたおっちゃんを引き連れ、サイカの鍛冶場に突撃し、今に至る。どうやらジル(おっちゃん)はサイカの親父さんことカカジの親友で飲み仲間だったらしい。


 「、、、もうその山は枯れてないんだよな?」


 「あぁ、そうだな。、、、悪かったか?」


 「いや、枯れてるより咲いている方がいいだろう。それにしてもキョウジュウロウかー。これまたトンでもないことが分かったな」


 「へ?」


 サイカが深く頷きながらそんなことを言う。トンでもないこと?何が?


 「あぁ、そっか。旅人だからわかんねぇのか。あのな、昔の英傑はなたった一人を除いて全員の墓が見つかってるんだ。キョウジュウロウの墓以外は、な。おまけにキョウジュウロウの持ち物全部消えたんだろう?この事がばれたら色んな所から苦情が来るぞ。それにキョウジュウロウは恋物語として有名だしな」


 なんだろう、冷や汗が出てきた。熱心に探しているプレイヤーとかいないよな?いたら地獄なんだが。

 まて、そういえばあの時のアナウンス、()()()()()()()()()じゃなかったか?だとしたら不味い、非常に不味い。どうしよう。どうするべきか、、、神に祈るか(現実逃避)


 「いやいや、それ以上に不味いのは妖鬼妃・ユラの話だろ。【八皇】だぞ、【八皇】」


 これ以上俺を追い詰めようとするか、ジルよ。もうやめてくれ、オーバーキルだ。頼むから。あータバコおいシーナ~(現実逃避)


 「この世に八体いると言われている皇のうちの一体。確かユラは比較的に伝承や噂、おとぎ話が残っているうえ目撃者も多いからわりと有名どころだな、、、問題は、お前の()()()


 チラリと左腕を見る。そこには、紫と紅で上手く描かれた藤に、傷のような刺青が彫ってあった。鬼には心当たりがある。あの時、消える間際の拳だろう。だが藤の花はなぜだろう。そう思い、ステータスを見ると、幾つか称号が増えていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

称号

・ピクシーの祝福

・英傑殺し

・英傑を救いし者

・仲人さん

・藤の祝福

・妖鬼妃のお気に入り

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 まぁ色々と言いたいことはあるが見ていこう。怒るのはその後だ。うん。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・英傑殺し

 ・英傑をどんな形であろうと殺してみせた者が持つ称号。それは、それを成したものが絶対に逃れるの事が出来ない称号。 

 ・英傑を知る者の対応に補正がかかる。


・英傑を救いし者

 ・英傑をどんな形であろうと救って見せた者が持つ称号。その偉業を成したものは、例え世界がそれを嫌っても、必ず誰かが称賛するだろう。

 ・英傑を知る者の対応に補正がかかる。


・仲人さん

 ・男女の仲を取り持った者が持つ称号。イヤー、よかったですね~(運営)。

 ・夫婦、男女のペアなどのNPCの対応に補正がかかる。


 ・藤の祝福

 ・藤咲社の祭神、天津藤神(あまつふじのかみ)の祝福。それは、まごう事なき感謝の印。また何処かで、、、

 ・知っている者の対応に補正がかかる。

 ・自分がプレイヤーによって倒された時、アイテムを10種類守ってくれる。

 ・藤咲社が近くにあると教えてくれる。

 

・妖鬼妃のお気に入り

 ・妖鬼妃・ユラのお気に入り。ユラが求めるのは、真なる強者。

この称号を持つものは、まごう事なき絶対強者。今度あった時は酒でも飲もう。

 ・NPCの対応に補正がかかる。

 ・妖鬼妃・ユラの対応に補正がかかる。

 ・強者がより、弱者が逃げる。

 ・特殊スキル〔鬼化・妖鬼妃〕を取得

  ・〔鬼化・妖鬼妃〕

    ・妖鬼妃・ユラによって得られた能力。その力は、ユラにとどくのだろうか?

    ・発動中、STRとAGIとVITが八倍になる。しかし、DEXとLUKが無くなる。とある基準を下回れば、強制的にリスポーンし、一定期間STRとAGIとVITが二分の一になる。


 やってくれたなおい。いや自業自得とはいえこれは駄目だろ。上三つはまだいいさ。あぁ良いとも!

 だが下二つは何だ!なんだこれ!なんだこれ!怖いわ!引くほど怖いわ!藤の祝福ってアイツだろ!あの絶世の美女だろ!なにしてんの!?俺何かした!?それにまたどっかで会うつもりなの!?マジで!?

 はぁ~落ち着けもちつけ。、、、タバコ吸お「おっ私も」ハイハイ。

 さてと、もう一個の爆弾だ。といってもこれはあんまり違和感がない。ちょっと話しただけだが、あれはああいうタイプの人だ。現実にもいる。一人似たようなのが。

 それにしても〔鬼化・妖鬼妃〕か。悪くはないけどデメリットがなー。キツいなー。まぁ極力使わなければ問題ないだろう。とある基準ってなんだよ、怖いな。


 ったく。左腕に刺青みたいなの付けやがって。背中じゃないだけましか。それにしても、、、

 

 「あの刀、欲しかったなー」


 いつの間にか消えていたあの刀、恐らく持っていったのだろうが、刀はやっぱりロマンがあるよなー。


 「刀?刀が欲しいのか?」


 ふと呟いたら、サイカがそう聞いてきた。欲しいか、欲しいかね。

 

 「そりゃ欲しいけどさ。この剣を手放す気にはなれんしな」


 このゲームを始めて少ししかたってないが、この剣には、この短剣には愛着がある。ウサギと戦い、オオカミを蹴散らし、キョウジュウロウと切りあって来た剣達だ。この剣を手放すのは、あんまりだ。


 「つまり、その剣を手放さずに刀が欲しいと?」


 「ん?まぁそうだな。そういうことだな」


 まあそうだよな。そういってんだから。ごめんちょっと理解ができない。何聞いてんのこの人。

 

 「どういうことですか?」


 「私の技術でその剣を刀にすればいい。まあしたいならの話なんだけどな。前に見た限りだとその剣に使われている金属だったら刀にできるだろうからな」


 そんなことできんの?すごいね。


 でもその作戦、失敗したら剣が消えると言うことだぞ。いくらなんでもそんなことはしないで欲しい。元も子もなくなる。


 サイカはタバコの煙を優雅に吐きながら言った。くそぅ、様になってやがる。


 「この私の、親父から受け継いだ技術が、信用できないとでも?」


 すっげぇ自信だな、こいつ。そんなことを思っていると串焼き屋のおっちゃんことジルから、予想外の事を言われた。


 「おい坊主、よかったな。嬢ちゃんの腕前はこの王国でもトップクラス、十の聖鎚(テン・クラフター)に数えられるほどの腕前だぞ。それに、旅人に打つのはお前が初めてじゃないか?」


 「マジかよ」


 マジかよ思った以上の大物だったのこいつ。知らなかったな。というかこいつ旅人の武器打つの初めてなの?ちょっと不安なんだけど。

 というかジルのおっちゃんは何者なの。よく思ったらこの人の紹介でサイカと知り合ったんだけど?何者なの、ホント?


 「で、やるのか、やらんのか、どっちだ?」


 サイカが聞いてくる。こんなもん選択肢は一つだけだろ。

 

 「せっかくのご好意だ。頼むわ」


 「了解」

 

 剣と短剣を受け取りながら、サイカは笑った。


 皆がタバコを深く吸い、吐く。何はともあれ、満足のいくクエストだった。達成感ぱねぇ。


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 ユニーククエスト

 「父が見た幻想」 NPCサイカ


 特殊条件

 ・藤咲社を満開にする

 

 達成により、エクストラクリア


 報酬

 ・今後店に来た時の対応に補正

 特別報酬

 ・武器の昇華、又は変化


 おめでとうございます

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 《ポーン》

 ワールドで初めて武器の昇華が発見されました。

 昇華とは、武器を更なる段階へ引き上げることです。

 昇華は、腕の良い鍛冶屋NPC又はある一定以上の水準にたどり着いたプレイヤーのみ行えます。ぜひ頑張ってください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ごめんもうちょっと位愉悦に浸らせて?



ネット小説大賞九

タグから消します。検索するときはネームのほうがいいです。よろしくお願いします。

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