第零章 プロローグという冒頭における、懸念。
そこには、小さく、大事までにされない事故が生まれた。
関係する人は男女二名で、男の方が自転車に乗りながら余所見をして運転していた。もう一方、女性の方は目をこすりながら歩いていたのだ。
二人は当然、前が見えず互いに、存在にも気付いてはいなかった。
その二人が道のちょうど曲がり角に出たところで、接触。はっきり言ってしまえば、接触事故を起こしたのだ。
余所見をして自転車を漕いでいた男は、体が丈夫、または単に自転車からただ倒れただけだったためか、軽傷で済んだ。
学生服の袖に手を通して、目元にたまった涙を拭っていた、いわゆる女子高生の方は、ただ一方的につっこまれ、横からやってきた自転車に倒されて、男とは相対し、真横に倒され、地面に手を突いて支えようと思っていたのか、倒れ際、その方向に向いたが生憎上手くいかなかったせいでコンクリートを正面にし、顔面から倒れ伏したのだ。
↑↓
「はっはっはっ! こりゃあ、すごいぞ! ワタシはこんな事、テレビでしか見たことがなかったが本当にこんなことが有り得るなんてな! 顎を強打している。しかし、流石にまるまる……。言葉はまだ大丈夫だったみたいだが…………」
作倉実代杜の正面で、少し失礼な言い方をすると、大声を出して興奮剤でも飲んでしまったように妖艶な笑い方をする、40代くらいに見える堀に掘られた皺のある、白衣を羽織った男がいた。
「ワタシは医師になってから何年目になるんだろうか!? これまでこんなことは無かったな! 君はすばらしい! ワタシの医師人生の中に終止符がとうとうつけられてしまうぞ!」
「あのぉ、」
「おや? なにかな!? 何か言いたいことでもあるのかい! その体に関してはあまり口を出してしまったら、君の行動が少し狭まってしまうからあまり口にしないが、一応君はメスなんだから扱いには気をつけたまえよ! ワタシにその類の事を相談されても答えられんから少しは考えてから聞いてくれたまえよ?」
「あの、鷸鑼先生……。少しは真面目に聞いてはくれませんか?」
代杜はやっとの思いで口を開き、まずそんな事を訴えた。
正面に座るはココ、行きつけの最寄りの病院の一室で、だいたい来る度お世話になっている、鷸鑼先生である。
彼は、発言とは裏腹に意外な事に、職業としては、十代の内に医師免許を取得したという、外見によらず、かなりの才能を持っているのだが、性格は、言いたいことをさんざん思いつく限り口にして、だが、発言には相手が裁判にでも持ち出してしまいそうなくらいひどく、セクハラな失言ばかり。女性の前なら一応、多少は控え目にするのだが、相手が気にしてしまうくらいである。
医師界でも流石にそのことはいろいろな噂で飛び交っている。しかし、医師としては誰もが度肝を抜かれ言葉は尊敬この上ない言葉ばかり、さらに、彼は現代の技術じゃ誰にも直せやしないと言われた体の大きなけがもろもろを次々と治していくという、唯一の人材であった。
陽気に笑う彼の前で呆れて、来てから数分で疲れた代杜はため息とともに口を開く。
「いい加減にしてください、よくそんなんでココに残っていられますね。よくクビにされませんよね、よく医師になれましたね。…………それはともかくなんですけど、先生が知っている以上の事態なんですよ? わかってますか? 状況を医師としてちゃんと把握していますか?」
疑問を次々と飛ばすが聞く耳はというと、『何故こんな事』になったのと、重々しく熱い視線から感じる。
「はは、君は最近の子にしてはずいぶんと変わった口調だな」
このままではきりがない。
そう思った代杜は、鷸鑼に対し、再び呆れながら言葉を吐く、あまりにもおかしな事を、自分でも半信半疑のことを……。
それより、まずもう一度言っておくと、鷸鑼という医師は一応代杜とは顔馴染みなのである。
「先生、俺はですね、あなたとはかなりの馴染みの『作倉実代杜』ですよ。これだけじゃあまりにも不明瞭ですよね。だからはっきり言いますよ。俺は、この隣にいる人、この人の体と入れ替わったんです! まだ確かじゃあありませんけど、彼女の記憶がない限り。信じてくれるとは思いませんけど、色々と調べれば分かりますよね? でもこれだけじゃなくて彼女は…………」
作倉実代杜、彼女の隣には、彼女と言える者、女性なんかはいなかった。だが、かわりに男がいたのだが、おかしな事に、彼女の示す、彼はまさに、作倉実代杜という名前に相応しい。少なくともそう思わせる外見。
だが奇妙なことに、一言で現すなら『無表情』という言葉が使える。まるで感情でも落としてきたのか、表情『喜怒哀楽』が何一つ無い。
しかし、表情、少なくとも感情は喜怒哀楽だけではないと言われているが……。
いやはや、これは感情の一つになるのだろうか…………。
「もうしわけありませんが……どうしたのですか?」
「なんだ? 作倉実君、突然。そういえば珍しく口数が少なくないか? それよりなんだ? 頭でもおかしくしたのかい? 初めてというくらい礼儀が良いじゃないか」
作倉実代杜は、唐突に口を開いた、隣の少年に顔を向けた。高校生に見えるが、まだ童顔であるような容姿をしていた。
彼とは相対し、驚いたような表情をして。
鷸鑼も作倉実と同じように、だが、驚いたといのに、趣旨が外れていた。
「先ほどから一体なにを話していられるのですか? ところで作倉実代杜さん、ワタシの目の前にいるこの方はどなたなのですか。お医者さんだということは分かりますが」と言って、丁寧な口調をした男は、横の彼女に問いかける。
「ん? んぁ、あぅん……えっとこの人はね、鷸鑼せん」「おやおやおやおやおや!? サッ、さくリャみ君、作倉実君! 今なんと言ったんだい!? ちょいと待ってくれるかい! 今君は彼女のことを作倉実だなんて呼んだけど、待ってくれよ? これは俺だけなのかな? ワタシだけこの変な設定に置いてかれているのかな!?」無論、この通り先に口を開いたのは変態であった。
「せっ先生、少し落ち着いてください! 一応変な設定、というか、このおかしな状況に置いてかれているのは確かですけど、それに関してはちゃんと話しますから。とりあえず冷静になってください! それと、ちなみに作倉実代杜はそっちじゃありません! 俺はこっちです! 俺が作倉実代杜です。それにその娘になにを聞いてもなにも分かりません! さっき自分で、検査の結果、はっきりと『確かに記憶喪失』だと言ってませんでしたっけ! 医者としてまともに断言していませんでしたっけ!」
怒鳴り吐いた後に、まず自分が冷静にならなければ、と深呼吸を吸って吐いた、無論吐いたのはため息だったのだが。
冒
いったん、表面上、中年。それと、外側までおじさんの医師様は、らしく腕を組んで、正面に座った、作倉実代杜と名乗る、だいたい高校生くらいの外見を持った女性の言葉を聞くことにした。しかし、彼女の話し方には、少しどころではないくらいの違和感のある話し方があったのだが。
さらに、その話の内容は、あまりにもおかしなもので、信じ切ることの出来ないものであった。
それを真面目に聞き終えたあとに、目を開けてから、話す相手の隣にいるもう一人、男の姿をした人とを交互に見比べる。
「ふむ…………。先ほどはすまなかった。流石に笑いすぎた。あまりにもすごいことだと思っていたが、まさか、彼女が記憶喪失になっているだけではなくて……
意志が逆になってしまっていたとはねぇ」
↑↓
『とりあえず、この件に関してはほワタシたちだけのことにしてくれるかな? 久々に、心を擽るようなことだったからか、あまり、この件は世間に広めてしまってはいけないよ? 最低限ワタシも出来るだけ彼女のことを調べとくよ、一応、彼女の携帯から出した住所の方を少し当たってみるよ。まず、彼女の家には今日中に当たるから………………。ま、彼女は顎を強打してしまったから、記憶喪失になったのなら仕方がない、しかし、すっぽりと抜けてしまったから、かなりやっかいだ。顎を強打しての記憶喪失はまれにある…………。安心しな、変態な童心がかゆくなっただけだ、君にまで苦労をかけるつもりはない、ワタシが必ず、君を救ってあげるから、。以後頑張りたまえよ』
ついて行くことの出来ないことを、スラスラと口にされたことを思い出し、頬かいて、改めて、無責任な方だな、と思い、鷸鑼の人生に対して心配をする自分がいたが、何より大事なのはそんなのより、今心配することは今日最大の一大事である、自分と、隣を歩く、自分の姿をした、中身はおそらく女性であろうお方ーー先生曰く、彼……いや、彼女の名前はどうやら、『尉折シラハ』という名前らしい。勝手に先生が、彼女の持ち物をあさって解ったのだがーーこの、俺らの意思の入れ替わり、更に、彼女の記憶喪失。これをどうやって解決してくれるのだろうか?
ーーところで、何で、彼女が僕の隣にいるのだろうか? 確か、先生は『自分に任せろ』なんて陽気に言ってたというのに…………あらためてあの人の無責任にはあきれた。
それと、何故だろう?
さっきから 先生のセリフに 引っかかっている…… 、 、、
ような 気が、するーーー…… ………… ……?