表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

第三話 受け継がれる復讐

 たどり着いたのは『大都市』の工業地帯で、細くて高いビルが立ち並ぶ、少々煙臭い地域である。

 一つのビルの窓を突き破って侵入、雑に雷太とクーラを吹っ飛ばして着地した。

「いてて、もっと優しく着地できなかったのかよ。って」

 シンセラティの体の周りからは漏れてる電気がビシビシ音を立て、苦しそうにある一方向だけを睨む。

 クーラが心配して近づこうとするも、雷太の指示で感電するかもしれないと思い止めた。

「ようこそ『我が工房へ』誠君と、お友達かな? 自分はドクター・グレーと申します」

「そうだがよ、何で誠を知ってるんだ」

 怪しいドクターのような恰好、モノクルをした男性は若干の機械音声混じりで、両手の平を天に向け肘を曲げる。

「そりゃ、誠君を改造した張本人ですからね。ただ『真実を伝えたら』未完成のまま逃げ出しましたよ」

「真実? どんな真実なんだ」

 途端に小型の機械をいじりだしながら、真実とやらを語り出す。

「誠君の母の兄弟が宇宙飛行士だったのは『知ってますか?』」

 雷太は黙って頷く。クーラは胸元に拳を置きながら、心配した表情でグレーを見つめた。

「あの、大気圏外でロケットがボロボロに崩れて、全員死亡したのも知ってそうですね。では、結論から『言いましょう』犯人は自分です」

 真実を聞いた瞬間雷太は拳を握りしめ、ただ歯を食いしばる。

 クーラはどこからともなく剣を出し、グレーに突き出す。

「『いいでしょう』武術は得意ですから」

 剣を前に突出しリーチを維持しながら前進、しかしギリギリで避けられ拳で握った手を弾き、剣を飛ばす。容赦なく頬すれすれで左ストレートを出す。

 そこで静止。数秒してクーラは膝を地につく。

「……分かりましたか? 君達に『力』などない!」

 右の拳を逆さに向け、力強く言い放つ。同時に、シンセラティの体内から出ていた電気は止まり、目の光を失っていた。

「帰ろう、クーラ」

 俯いたまま雷太が言うと、二人とぼとぼ、シンセラティのなきがらを担いでグレーの工房を出た。





 引き続いて工業地帯の海辺で、空と海は黄昏と暗闇が入り混じっている。

 今でもグレーの事を引きずってる雷太とクーラ、ただ砂浜の上から向こうに視線を飛ばす。

「私達、一生グレーに復讐できないで終わるのかしら」

「そうだな。せめて生きる事が誠への報い、そう思おう」

 そうやって絶望に伏せていると、背後からこあが雷太達に声をかける。

「こんばんは。お兄さんと、クーラ ミタマさん」

 隣にはもう一人、赤毛の20歳ほど女性が、得意げな表情でティーカップから紅茶を優雅に飲む。

「ああ、隣の人はですね」

「うちは猩々緋風音しょうじょうひかざね。謎解かない少女、と呼ばれてる人だよ」

 雷太が背中を曲げたまま再び海の方へ姿勢を戻す。

「殺し屋と謎解かない少女、二人して何の用だ。俺達はもう何もするつもりもない。やるならさっさとやってくれ」

 こあは雷太の前にぐるりと回り、両手を両肩に置く。

「お兄さん!」

「なんだよ、今更いい子ぶったって俺はお前が嫌いだ。そのつもりがないならお前を銃殺して俺も死ぬ」

「力、欲しいですか?」

「いらねぇよ」

 ただ沈黙が海に不法投棄されまくる。

 紅茶を飲み終えた風音は、地図を雷太に差し出した。

「これはうちのとこの家宝なの。何を手に入れるか分からないけど、行ってみる価値はあると思うよ!」

「一応受け取っておく」

 要件を済ませた二人組は、いつの間にか姿を消していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ