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第12話 事件解決。そして次の事件へ……

最終回です。



―三人称視点―




「えっ。嘘でしょ? どうしてあの二人が付き合っているの??

 この短時間に何があったの??」



 神社の社の陰に隠れていた琴音は、顔を出して二人の背中を見送った後不思議そうにしていた。


「ちゅんちゅん!」


「え? 『記憶改竄が不十分で、嫌な記憶が深層心理に入り込んでいるから吊り橋効果を生んでいるのかも』ですって?

 ちょっと、ちゅん助。それは無いんじゃない?

 だって私の術は完璧。それを操る貴方達も完璧に決まっているじゃない!」


「ちゅんちゅん……」


「なになに? 『二人の愛に対しての考察を真っ先に否定しないなんて、琴音様は恋愛にドライ』ですって?

 まぁ、生意気。私だって燃え上がるような恋を目指しているんですぅー。

 貴方みたいな雀式神には人間の複雑な恋愛は理解できないだけなんですぅー」



「(なんなんだ……こいつら)」



 琴音と雀型式神『ちゅん助』がそんなやり取りをしている様子を【おどろおどろ】は見ていた。

 自分はこんな馬鹿な会話をしている連中に恐怖し、負けたのかと愕然とする。



「!?」


 すると、落ち込んでいた【おどろおどろ】にとてつもない神気が襲い掛かった。


「(この気配!? ま、間違いない。神が近付いている!)」


 その予測は正解していた。




「琴音様……」


「琴音殿」


 三人の男が歩いて来た。


 一人はこの神社の神主。

 もう一人も神主風の男で、糸目の何を考えているか分からない痩せ型の不気味な男だ。こちらは琴音を様付けで呼んだ人物。

 そして最後。琴音殿と呼んだ男が問題だった。



「(ま、間違いない! アレは……神だ。

 何故神が姿を現し、人間と共に行動をしているっ!?)」


 【おどろおどろ】は封印されていた間に人間社会に何があったのか一通り調べたつもりだった。

 しかし、この状況は予想外。

 神と人間が肩を並べて歩いているなど、誰が想像できるものだろうか。



「あら? ようやく来たんですね? 一体何時間遅刻したと思っているんですか!? 朝の集合のはずなのに、もう夕方ですよっ!」



「(嘘だろアイツ!?)」


 あろうことか琴音は神に向かってそんな口を叩いた。

 他の二人に言ったのかもしれないが、これでは神に無礼な口をきいたと勘違いされてもおかしくはない。



「うむ……それは申し訳なく思っている。思った以上に我が父の件で揉めてな……」



「(神様が謝ったぁああ!?)」


 琴音に神と思われる存在が謝った事が信じられない【おどろおどろ】は、緊張で全身の毛がぽんぽんに逆立ってしまう。



「あら? 大丈夫そうなんです?」



「うむ。なんとかなった。無事我が母は父と面会できるだろう」



「それは良かったです」



「(普通に会話しているぅぅう!?)」


 何が起こっているのか分からずストレスを抱える【おどろおどろ】。

 今度は自分がストレスで気絶をしそうである。



「あっ、そうそう。皆さんが遅れてきていたので、私暇だったから一つ妖怪による事件を解決しておきましたよ。

 ほら、ここに居る妖怪がそうです」



「うひっ! は、はいっ!」



 今までなるべく目立たないようにしていた【おどろおどろ】は、琴音の紹介により、挨拶をすることになった。

 敵意が無い事を示すため、とびっきりの営業スマイルで。



「今はもう反省しているようなので、酷い事はしないであげて下さいね?

 元々と言えば、この神社の近くに封印されていたところを、なんの特殊能力も無い一般人が開放できるほど手入れがされていなかった事が原因なんですから」



「はははっ。そうでしたか。それは申し訳ありませんでしたな」


 神と思われる存在は、琴音の言葉を素直に受け止めていた。


「笑い事ではありませんよ、まったく……。

 それで、神澤。私の件はどうなりました? やっぱり当然ながら無罪放免?」


「ちゅんちゅん……」


 琴音の発言で呆れているのか首を振っているちゅん助と、そのちゅん助を睨む琴音。


「あぁ……いえ、そ、それがですな……」


 神澤と呼ばれた男、糸目の不気味な男は言い辛そうにしていると、





「そんなわけはないでしょう? 琴音」




 と、声が聞こえてきた。




「げっ!? お、お母様!?」



 神社へと続く階段を上がりながら、その全身を徐々に表す女性。


 琴音と非常によく似ており、琴音のお姉さんと紹介されても納得しそうな若さを保った。



 琴音の母が現れた。




「相変わらずの口の悪さですね。神に対する敬意も無いようですし……。

 それに琴音……。貴女はおとなしく判決を待つこともできないのですか?」



 そう言って、【おどろおどろ】の方を見る。



「(ひぃぃぃぃい!?)」


 【おどろおどろ】は身を小さくした。

 何故ならば琴音と同等の恐怖による圧を感じたからだ。

 琴音の母もまた、琴音と同じくらい強い術者であると直感したのだ。



「木っ端妖怪と戯れて……町を混乱させたと聞いていますが?」



「ゲェ、結界張ったのになんかバレてる!? い、いえ。人助けをしていたのですよ?

 ちゃんと決まりも守りましたし、多くの人を助けましたっ!

 この妖怪が引き起こした問題を私が解決したんです! 私は悪くない!

 悪いのは全部こいつ、【おどろおどろ】です! ほら、貴方も罪を認めて、おとなしく成敗されなさい!」



「嘘だろ、おい」



 琴音はあっさり【おどろおどろ】を売った。


 連れてくる前は『貴方の件は討伐されないように守りますから、もう悪さをしてはいけませんよ』と、言われていたのだ。

 だが、何故か今、自分の命を差し出されている。


「……ちゅん」


 ちゅん助は呆れながらそのやり取りを見ており、



「はぁ……」


 琴音の母もまた頭を片手で抑えて首を振る。



「そんな事はどうでもいいのです。

 私は貴女の判決を言い渡しに来たのですから……」


 どうやら琴音の母は妖怪には興味は無いらしい。

 【おどろおどろ】は助かった。と、安堵する。

 すると、



「うわっ!?」



 琴音は突然現れたロープによってグルグル巻きにされて縛られた。




「貴女は【狭間はざま いかづち】様が起こした事件の解決に尽力しました……が、同時に多くの問題も残しました。

 それにより、国は混乱し、政府は一時貴女が起こした件の対策を取るために貴重な時間を費やしました。

 この罪は社会奉仕によって清算されるべきと判断いたしました」


「う、嘘ぉぉお!?」


 琴音はショックを受けたようで、何とか逃れようと暴れまわる。



「……諦めなさい。

 社会奉仕の内容はコレ。です」



 琴音の母は一通の封の開けられた封筒を袖から取り出す。


「これから貴方にはイタリアで起きた魔法使い及びオカルト研究家の身に降りかかった事件を解決してもらいます」


「い、イタリアぁあ? イタリアに行くんですか? 私??」


 ジタバタしながらそう問う琴音。


「いいえ、これは日本で解決できる問題です。

 貴女に課された事件解決の条件は、イタリアで魔法使いと研究家達を襲ったテロリストグループの目的を日本で潰して解決する事。

 テロリストグループは日本人の魔法使い達。

 琴音。貴女はこの事件を今日本に向かってきている協力者と共に解決をしなさい。


 移動手段や後片付け等以外は全て貴女と協力者だけで行うのです」



「テロリストと戦うなんて社会奉仕のレベルじゃない!? それに何故縛りプレイ!? 横暴だぁ! そんな事が許されてたまるかぁ!」



 琴音は悲痛な声を上げて抗議する。

 だが、涼しい顔で琴音の母は、



「ちなみに協力者は普通の人間です。

 多少魔法や神の力を目撃し知識はありますが、それは世界を冒険し経験を積んだ結果。

 それ以外は退魔術や魔法等、なんの特殊能力も無い人間です。

 その人間を守りながら行動をしなさい。

 以上が条件です。

 琴音を連れて行けぇ!」



 最後は強い口調で命令をする。

 命令を受け動いたのは琴音の母の後ろに付いて来たスーツ姿の男二人であった。

 二人は琴音を丁寧に運ぼうと、足を持つ係と胴体を持つ係に分かれる。



「おいやめろ! 離せっ! 助けて神澤ぁ!」


 助けを求められた不気味な糸目男は、


「申し訳ありません……」


 と、視線を合わせずに謝る。


「は、狭間はざま ほむら様!」


「すまぬ……琴音殿」


 狭間 焔と呼ばれた神も申し訳なさを全力で出しながら琴音を見送る。

 そう言われた琴音は絶望的な表情をした後、一つの希望を見出した。



「そ、そうだ! 【おどろおどろ】! 私は貴方の所業を見逃しましたよね? この私を運ぶ馬鹿二人を操って私を助けて!」



「えっ」


 【おどろおどろ】は忘れていなかった。琴音が先ほど自分を売ろうとしたことを。

 それにあまりこの件に関わりたくなかった彼はそっと目を閉じ寝たふりをする。



「貴様ぁああああああああ!!」



 それを見て絶叫する琴音に、



「うるさい!」



 と、今度は琴音の母は口元に手ぬぐいをポンっと、発生させ、空中に浮かぶ手ぬぐいを器用に術で操り琴音の口をふさぐ。



「もがもが~~~~!!」


 それから琴音は運ばれて行き、



「神澤。貴殿の罰はここでしばらく過ごすことです。琴音へ協力はしないように……」



「ははっ」


 と、琴音の母も神社を過ぎ去って行った。

 嵐は過ぎ去ったのだ。




 そして――――、



「おい、そこの妖怪……確か昔、この神社の神主に封印された妖怪だな?」


 【おどろおどろ】が神と感じた存在が彼に声を掛けてきた。



「は、はい! そ、その節はど、どうも……」


 彼はすぐに寝たふりを止めて、緊張からか変な反応をする。



「行くところが無いなら、神社の鳥居の上に住むことを許可する。

 くれぐれも人は脅すなよ?」


「は、はいぃぃぃ!」



 こうして【おどろおどろ】は、この神社を管理する神【狭間はざま ほむら】に許可され、神社に住み着くことになった。













 琴音の活躍により、この町の学校で起きた事件は解決した。

 しかし、琴音の戦いはまだ終わらない。

 琴音の活躍はこれからも続くのであった――――――――。







~―華麗なる巫女、琴音の【気絶学校怪奇事件】― END~


琴音:「ここまで読んでいただきありがとうございました」


ちゅん太:「ちゅんちゅん!」(訳:僕からも感謝いたします。ありがとうございました! ところで琴音様?


琴音:「はいはい。なんでしょうちゅん太」


ちゅん太:「ちゅんちゅん!」(訳:琴音様はなんの罪でしょっ引かれて行ったのか、この小説だけを読んでいただいた読者には分からないのではないでしょうか?


琴音:「罪とか失礼な! 私は何の罪も犯していませんよっ!」


ちゅん太:「ちゅんちゅん!」(訳:へー。そうなんですねー(棒読み)


琴音:「私が連れていかれた原因になったのは、前作『18禁ゲームの世界に入りました。助けてください』を見て頂ければわかります(唐突な宣伝)。私が悪くない事もねっ」


ちゅん太:「ちゅんちゅん!」(訳:そうなんですか? それはさておき、もし次回作があり、僕達が出てくることがありましたら、その時はどうかよろしくお願いしますね!


琴音:「うぅぅ……。私からも、どうかよろしくお願いしますね。またねー♪」

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