圧倒
フェレンツァの右足に重心が移動した瞬間、ジブエスの双剣が襲いかかる。探知スキル・補正スキルを総動員して、左手に逆手に持った短剣で、双剣の一撃目を弾く。二撃目は、【硬質化】と【鱗化】した右足の【足技】で弾くと同時に、右手から【気功波動】と【風圧】を放ち、ジブエスとの間合いを開ける。
「ぐっ…」ジブエスは、胸部に【気功波動】と【風圧】の直撃を喰らったのだ。
ジブエスはて少手を抜いていたが、こちらは全力だ。【気功波動】や【風圧】等の攻撃スキルは威力を弱めているが…。
「一撃で勝負がついてしまうと…。ビギナーズラックと言われそうなので、もう少し頑張ってください」と挑発するフェレンツァ。
まさかの展開に、静まり返る野次馬達。
「まさか、ヒールソードを発動することになるとは…」ダメージを受けた胸部。恐らく肋骨にヒビが入っているはずだ。
フェレンツァは、折角開いた間合いを詰めるのは愚策と思ったが、【威圧】を発動し、【突進】と【疾走】で間合いを詰め、【硬質化】と【鱗化】で強化した後、【足技】の跳び蹴り、前蹴り、二段蹴りと連続技を繰り出した。
「どうなっていやがる…足が…金属みてぇだな…」
だが、流石、Bランク。足技を全ていなし、再度、双剣の連続技で反撃してくる。
それを【守護者の指輪】を発動させ、魔法障壁を目の前に作り出す。これを発動している間は、動けないのだが、それはこの場合、致命的な弱点にはならない。
ジブエスにとって、岩場に双剣を打ちつてけているのと変わらないのだ。手に痺れが生じる。その僅かな隙に、魔力の【束縛】、【捕縛糸】、【睡眠霧】を発動させる。これれは双剣では回避できないスキルだ。そして、なるべく後遺症など無いスキルを先手くしたつもりだ。
バタリと倒れるジブエス。
「これで俺たちの実力は、わかってもらえたかな?」と野次馬達を睨む。
野次馬たちは無言で何度も頷き、逃げるように去って行った。残念だけど、好き勝手言っていた野次馬共の顔は全部覚えたからな…。
「フェレンツァさん…あなた達は一体…」と驚く受付担当のリーズさん。今日は何回驚いたのだろう?
フェレンツァは、倒れているジブエスに【新芽】のスキルを使い、怪我を回復させる。
「リーズさん後は、よろしくお願いしますね。クエストの報告と買い取りは、明日、改めて来ますので。今日は帰りますね」
クラリーネとフェレンツァは、まるで恋人たちがデートをしているように冒険者ギルドの練習場を出て行った。
「でもスッキリしたね。ね、今日は何食べる? 何処に泊まる?」とはしゃぐクラリーネ。
「まずは宿かな。宿に夕飯が付いていたら、そこで良いし」
「あぁ…確かに」




