遺跡のクエスト その8
昼夜問わず襲ってくるアンデッド。昼間だからスケルトン達の動きが遅いのだろう。夜になる前に決着を付けなければ…。
もう何回繰り返されたのだろうか? 終わりに見えない戦い。進まない距離。倒れる仲間。
遂に同じクラスのメンバーに死傷者が出てしまった。メタフォビームが頭をよぎる。普通に歩いて半日の距離。まだ…多分、メタフォビームでも範囲外だ。それに…一日に何発も撃てるか検証もしていない。問題は時間だ。太陽が出ている間に…射程範囲に入らなければ…。
焦燥するわたしをダンモフが「モプー!」と言って落ち着かせる。
気がつけば、騎士団よりや冒険者よりも前に…最前線に立っていた。
もうやるしかない! 灰の魔法を使用する…。眷属の力の一部を借りた魔法であり通常の魔法とは異なる。光の魔法も同様だが、その力の方向性は光の正とは真逆で負へ導かれるのだ。
「灰の魔法…灰燼の舞姫!!」魔法を発動すると、魔力に耐えきれなかったのか、短剣が灰になる。
眼前には、死霊…の舞姫…。真っ白な顔に口から吐血し続ける黒いローブの姫が召喚された。ふわりと上空に舞い上がると、スケルトンへ向かい羽ばたく。スケルトンの頭上を踊りながら…数キロ先ンまで進む。その舞姫が通り過ぎたあとのスケルトンは全て灰になった。
それは起死回生の一撃だった!
「全軍、進め! 進め!!」騎士団よりや冒険者の士気が回復する。学園チームを追い抜かすよに我先にと進軍を開始した。
ベネツィオは発動の反動からか、立ち上がることもままならない。
「このときを待ってたぜ!! 闇の魔法! 魂破壊!」シルシニルは私の背中に召喚した短剣を突き刺した。
一瞬にして目の前が暗くなる…。あれ? わたし…死ぬかも…。
心のスキル命の達観が発動し、死への恐怖を和らげる…。
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約4時間後、アンデッド用の装備を施した王国騎士団の第一部隊と第四部隊が、王宮魔法使いフィプスアローの行使した集団転移を使い合流し、アンデッドの発生源である遺跡東部の地下入り口まで制圧することに成功した。
王国騎士団・第一部隊隊長ジェフレイジの圧倒的な指導力の下、地下への突入計画を立てるが、アンデッド軍団も負けてはいなかった。
地下からは、より強力なアンデッド、鎧霊が出現したのである。鎧霊とは全身プレートアーマーに身を包み暗黒剣を持つかなり上位のアンデッドである。王国騎士団が三人がかりで、一体を撃破できるかどうかの強さであった。
王国騎士団、領地騎士団、冒険者、学園の代表者たちで、議論が繰り返されていた。
突入するか? 埋めてしまうか? そのどちらにしても、実行方法が見つからないのであった。
王宮魔法使いフィプスアローは周りを見渡し、「ベネツィオという名の少女を知らないか?」と質問する。
王国騎士団・第一部隊隊長ジェフレイジは、こんなときにくだらぬ質問と思ったが口には出さない。しかし…驚くべき証言を聞く。「ここまで持ち直せたのは、全てベネツィオのおかげ」だと…。




