それぞれの過ごし方・カフィネとフェルトの場合
とりあえず小分けにしました!
遅れましたがどうぞ!
大仰しての挨拶です。
作・カ・フ「ご覧下さい」
五女・カフィネ~場所・中央ホール~
メアンリ姉様に「せっかくだから、友達を作ってみたら?」
と言われたけど、
「…………怖、いよぉ……」
目に涙が溜まる。
「うーん、カフィネ、おいで」
メアンリ姉様の呼ぶ声に突進する。
ズドンッ!
「ぐぅふぅぅっ!!」
未知の恐怖+臆病+姉が頼りになる=トップスピードのタックル。
「げほげほ、げほっ…」
「ご、ごめんなさい…姉様」
「い、いいのよ。カフィネ」
「うう……」
アーちゃんとルーちゃんを思いっきり抱きしめる。
「ほらカフィネ、あの男の子、こっち見てるでしょ?」メアンリ姉様が指を指した方向を見る。
自分と同年代のかわいい男の子が、ちらちらとこちらを見ている。
「あの子と仲良くなってごらん」
思わず姉様のワンピースにを握りしめる。
「大丈夫、私も一緒にいてあげるから」
「本当ですか?」
「本当よ」
男の子の方に行く。
「こんにちは、私はカルルハルン家の四女、メアンリと言います。」
「は、はい!!」
「そんなに堅くならないで?」
姉様が苦笑する。
「ほらカフィネも」
「わ、私はカルルハルン家の五女、カフィネ、です…」
「ぼ、僕は、アルフと言います。」
「よよ、良かったら、ななな、仲良くなって下さい!」顔が真っ赤になる。
「僕なんかで良ければ、よろしくお願いします!」
そういった男の子の顔も真っ赤になっていた。
「カフィネ、姉様は用事ができたから行くわね?」
「はい!!」
にっこりと笑う姉様にうれしくなって、返事する。
「あのさ、それ、かわいいよね」
アルフがルーちゃんを指差して言う。
「これはメアンリ姉様が作ってくれたの」
「いいなぁ~」
うさぎのぬいぐるみをキラキラとした目で見てくるアルフ。
「…欲しいの?」
「…欲しいけど、カフィネが大事そうに持っているから…」
アルフの前に行く。
「どっちがいい?」
持っているうさぎは白と黒に別れている。
「え!!いいの!」
「うん、私は一つ位でいいんだ」
なぜなら、姉様が作ってくれたからだ。
服に付けてる木製のブローチはアレク兄様が作ってくれたし、クロア姉様から貰ったオルゴールはとても大切にしている。
「じゃあ白いのがいいな!」
アーちゃんを渡す。
「大事にしてね」
喜ぶ姿を見て姉様もこんな気持ちだったのだろうか?
こちらまで嬉しくなる。
「……うん、あ、ああありがとう」
アルフの顔が赤くなる。なぜ?
ボソッ「……ドキドキする」
「え、なんて言ったの?」
「気にしなくていい、いいよ!?」
「そう。ねぇ、アルフの事も教えてくれない?」
「いいよ、どんな事が聞きたい?」
「アルフはどこに住んでるの?」
「えっと…、ここ?」
「なんで疑問系なの?」
「いや、それは…あの、僕は「見つけましたぞ!!アルフォンス様~!」あっ、爺だ!!逃げなきゃ!」
「え、アルフ!?」
「ごめん後で中庭に来て!」
「あ、う、うん」
「じゃあね!!」タタタタッ
アーちゃんを抱えながら走って行ってしまった。
中庭か…。 フェルトいるかな?
トテトテと中庭に向かって歩く。
二男 フェルト~場所・中庭~
「よし、ここらへんでいいかな…」
持って来た道具を確認する。よし、揃ってる。
まずは挨拶代わりにとハットを手に持つ。
「いちにの、さん!」ハットをステッキで叩く。
バササッ
バサバサ!
ハットから4羽のハトが出る。
「え、今のどうやったの!?」
「すごいすごい!!もっと見せて!!」
おー、楽しいな。じゃあ次はこれだ。
「ねぇ、もっと見せなさいよ」
ん、なんか気の強そうな女の子だな?
「いいよ、じゃあこのカードから好きなの選んで」
トランプを裏返して出す。
少女が少し迷ってからカードを引く。
「選んだわ」
「それを覚えてくれる?」
「覚えたわ」
「じゃあそれを返して下さい」
「はい」
それをシャッフルする。
「あなたの選んだカードはハートのエースですね?」
「えっ!!どうして!?魔法じゃないの?」
「んー、これはネタばらししてあげるね」
周りの子がよく見ようと集まって来る。
「ほら、カードの裏側の模様をよく見て」
「別に変わりはないわ」
「じゃあこのカードと見比べて?」
「あ!ここの模様が違う!ここがハートマークで1って書いてある!!」
「そう、だから僕のは魔法は一切使ってないよ」
「むうう~!そんなのずるいわ!」
「あはは、手品って言うのはネタバラししたら案外つまんないものなんだよ?」
「うううっ…」
顔を何故か真っ赤にして睨んでくる女の子。……何でだろ?意地悪なんてしてないのに?
「何か悪い事でもしたかな?」
「ないわよっ!」
若干涙目で睨んでくるので戸惑う。
「うーん…、そうだ!僕の手を見ててね」
「え?」
グッパッグッパッ
手を開いたり閉じたりする。
グッ
「ほら、見てご覧?」
手をそっと開く
「うわぁ…!」
手のひらの上には花で編んだ冠があった。
メアンリ姉様におそわっておいて正解だったな。
「はい、プレゼントしてあげるね」
頭に乗せてあげる。
「あ……、ああああ、ありあり、ありがと、う…」
何でまた真っ赤になって噛みまくってんのかな?
「あ、あんたの名前き、聞いてあげても…いいのよ!?」
「あ、俺の名前はフェルトスタ、フェルトスタ・カルルハルンだよ。フェルトって呼んでね!」
「そう…、フェルト…、フェルト…。……はっ!な、名乗ったからには私も名乗ってあげるわ!こーえいに思いなさい!私はレーネイタよ。特別にレーネと呼んでもいいのよ」
「うん!レーネ、よろしくね!」
手を取って言ったのだが顔を真っ赤にして、「ははは…、離しなさい!」
思いっきり振りほどいた。
「うわっ!」
「あ…、」
レーネの顔が青くなる。よく変わるな。
「ごめんね!嫌だった?」
「ち、違うの…、これは…その、「あ、フェルト~!こっちこっち~!」
「カフィネ!レーネごめんね!俺あっちに行くね!」
手品道具を持ってカフィネの元に行く。
タタタタッ
「あっ………、まっ…て……」
走る俺の後ろではレーネが悲しそうにこちらを見ていたのは知らなかった。
次は長女のクロアと長男のアレクがメインになります。