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第17話 「リリカル姫は未知のグヤーシュに出会ったようです」

※今回は『リリカル視点』の一人称文体で執筆しています!!




「はむっ!!……もぐもぐ……!!!?」



 グヤーシュはとてもポピュラーな料理ですぅ。

 どれくらいポピュラーかというと、1歳を過ぎた赤ちゃんの頃から食べるくらいにポピュラーですぅ。

 そんな食べ慣れているグヤーシュは、確かに、様々なバリエーションがあります。

 小さい子は煮込み料理=グヤーシュだと思っちゃうくらいに多様化され、お料理の勉強をしているウチですら種類を把握しきれていないです。


 期待8割、安心2割。

 美味しいだろうなと想像しつつ、オススメ通りにグヤーシュとご飯を同時に掬って口に運びます。

 慣れ親しんだ味に安心すると思いながら。


 ……そんなウチの考えは間違っていました。

 このグヤーシュライスを食べたことあるアルアグレン国民は、たぶん、ウチだけです。



「どうなのだ、リリカル!?美味いか!?美味すぎるのか!?」

「落ち着きなさい、ルートルイン。そんなに詰め寄ったらディベートしづらいでしょ!!」

「そういうレイミスもソワソワしている。みんな揃って興味津々」



 みんながウチに注目しています。

 きっと、画面越しにロイヤルディッシュを見ているファンの人達も。


 ……飾らなくていい。

 ウチは口下手だから、愛らしい言葉も、難しい言い回しもしなくていい。

 思った事を言うだけで、きっと、この素晴らしい味は伝わるから。



「……ふぅ」

「どんな味だリリカル!?普通のグヤーシュと違うのか!?」


「ぜんぜん違います。このグヤーシュは匙を口に入れた瞬間、ビックリしちゃう辛さなんですぅ」

「え、か、辛いのか?グヤーシュなのに!?」



 グヤーシュは、どちらかといえば甘みが強い料理です。

 パプリカ、トマト、ニンジン、脂身の多いお肉……、食材の甘味と旨味を生かした料理だからです。


 でも、このグヤーシュはスパイスが強い。

 唐辛子とクミンを中心にした、ピリッとする食材のオンパレード。

 辛くて、濃くて。

 旨くて、濃くて。

 ファナティシアさんが言っていた通りの、凝縮した旨味の料理です。



「でも、ただ辛いだけじゃないんですぅ。だってそれは、ご飯があるから」

「ご飯がどう作用するの?詳しく」


「率直に言いますと……、味が完全に変わったんですぅ」

「味覚はそんな簡単に変化しない。それこそ、大量のドリンクで流し……!!」



 ライラさんの言う通り、グヤーシュは何かと一緒に食べても『グヤーシュ』のままです。

 様々な食材を煮込むグヤーシュは、後から食材の旨味を足そうとしても、似たような風味に統合されるだけだからです。

 ですが、このグヤーシュライスは――、引き算。



「そうです。噛みしめたご飯の甘みがグヤーシュと結びついた瞬間、限界を超えて煮詰まっていた旨味が緩和されます」

「な、なにそれ……、そのグヤーシュ、どんだけ濃いっていうのよ!?」


「誰も食べたことがないくらいですぅ。少なくともウチは、こんな濃すぎるグヤーシュは知らないですし、これが普通の食事で出てきたら違う意味でびっくりして、匙が止まりますぅ」

「食べられない程に濃いっていうの!?嘘でしょ!?」


「バターやマーガリン、サワークリームだけを食べるのと一緒ですぅ。美味しい、けど、二口目はいらない。そんなあり得ない濃さのグヤーシュなんです」



 これは、牛肉、トマト、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、スパイス、ハーブ、から作り出された、専用の調味料。

 ご飯を食べる為だけに存在する、未知なる料理。



「う、む……、それでその、美味しいのか?」



 ルートルインさんが恐る恐る聞いてきたのも分かります。

 こんなグヤーシュは、組み合わせが重要なコース料理では、絶対に出してはならないものです。



「美味しいかって?……美味しいに決まってますぅ!!」

「ぇ」


「グヤーシュが濃すぎるから、ご飯や野菜、お肉の味が鮮明に際立つんですぅ!!」

「ご飯やお肉の……、そうか、ガーリックステーキと同じ原理か!!」


「この味わいはパンじゃ絶対に無理ですぅ!!ご飯だからできる味付けなんですぅ!!」



 ご飯とグヤーシュ。

 牛肉とグヤーシュ、ジャガイモとグヤーシュ、にんじんとグヤーシュ、たまねぎとグヤーシュ。

 そして、ご飯と牛肉とグヤーシュ、ご飯とジャガイモとグヤーシュ……、どんな組み合わせも震える程に美味しいですぅ!!



「このグヤーシュには凄いトロミがあります。多分、このグヤーシュそのものにお米が使われていますぅ」

「なん……、だと……?」


「それだけじゃないですぅ。おそらく、具材のお肉や野菜もペースト状にして混ぜ込んでいるんだと思います。だから、お皿の上のどんな食材の組み合わせでも、違和感なく溶け込むんですぅ」

「馬鹿な……、そんなの、美味いに決まってる……」



 ある程度まで食べ進めると、口の中がグヤーシュの濃い味で染まります。

 そこで活躍するのが、炒り麦茶。

 爽やかで苦い麦の味わいが口をリフレッシュしてくれるんですぅ!!



「ビックリするくらい辛く、信じられないくらいに濃厚なのに、ご飯や具材の味が優先される新しい料理。こんなに美味しい料理がバズらないなら、何がバズるんだって話ですぅ!!!!!!」



リリカルのグヤーシュが食べたくなった人は、評価やブックマーク、リアクションで推し活をお願いしますぅ!!

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