九十四話 矛盾を孕んだ偽善の理想
「とうっちゃーく!! ここが私たち異能力集団 レヴェルの拠点だよ」
マリーたちの組織はレヴェルと言うようだった。この拠点がどこにあるのかは分からないけれど、一面コンクリートで訓練場のようになっていた。拠点、というにはただ訓練をするだけの場所のようだった。
「拠点とは言っても、刻藤くんが思ってるようにここは鍛錬・制御をするためだけの場所だけどね。本拠地は別の所だしね」
僕の顔から考えを読んだのか、そう説明するように言った。
「鍛錬と制御・・・・?」
「そ、鍛錬と制御。ここはそれにうってつけなんだよ。音も漏れないし、壊れもしない、最高だよねー」
「・・・・僕は何をすれば良い?」
「・・・・早いね。けど、まぁそれくらいじゃ無いと間に合わないか」
マリーは少し笑ってそう呟いた。
「まず———」
「マリー、あとは俺から説明する」
マリーが何かを言おうとしたのを遮って誰かの声が聞こえてきた。
「あー・・・・、はいはい。じゃあねー、刻藤君。せいぜい死なないようにね」
いつの間にか壁の中に現れていた上に続く階段へと向かいながら、マリーは手を振ってそう言った。
何があるのか、何が起こるのかは分からないけれどただ一つ。死ぬ可能性があることだけはよく分かった。
「・・・・」
僕の目の前には百八十センチメートル程の少し濁ったような白色の髪をした男が立っていた。
「・・・・刻藤 歩。これから何をするか、分かるな?」
その男は、鋭い目つきで睨むようにしながら、僕を見てそう言った。
「・・・・はい」
誰なのかは分からないけれど、この男には有無を言わせないほどの威圧があった。
僕は頷くと、御面を異空鞄から取り出して身に付けたのだった。
この人の目だけで分かった。最初に必要なのは対話なんかじゃない、己の力を見せる事だった。
◆
「・・・・驚いた。まさかこれほどとは」
この男の名はエドワード・フレイル。レヴェルのリーダーだった。
マリーと別れてから僅か数分。淡々と自己紹介するや否やすぐに戦いが始まった。
「・・・・ッ、ゴホッ・・・・!」
決着は言うまでもない。
僕は床に膝を付き、エドワードは僕を見下ろしている。それが結果だった。
今の僕の力じゃエドワードに触れるどころか、視認することすら難しかった。
「まさかこれ程弱いとはな」
手も足も出ない、マリー以上の強さ。というか、多分師匠よりも強い。下手したら、最強の冒険者であるハインツよりも強い気さえした。
それ程までに僕とエドワードとの間には圧倒的な力の差があった。
「・・・・刻藤 歩。残り二日だけ待つ。その二日で俺にお前がお前の力で一撃だけでも喰らわせろ。出来ないなら死ね」
そう吐き捨てた。弱い僕に価値は無かった。いや、ただ弱いだけだったらそれだけで終わっていた。けれど僕には出来すぎた力が宿ってしまっていた。だからこそ、弱い事は許されざる罪だった。
「・・・・良いな?」
ノーと言うことは不可能。僕がここに来た以上、この人たちに僕の価値を証明する以外に生きる道は無かった。
「は・・・・い」
「よし、なら立て。また始めるぞ」
「ぐぅ・・・・、ッ」
休憩なんて無い。ぐわんぐわんとする身体に鞭を打って、ふらふらと立ち上がった。
「構えろ、小手調べは終わりだ。殺す気は無いが、殺すつもりではいく。ミスったら、諦めろ」
「ぐっ・・・・」
身体は痛むけれど、そんな事に構っていられるほど余裕は無かった。
「はぁ・・・・」
瞬間、僕の目の前から姿が消えた。速すぎるというよりかは認知できないに近いほど、動きが初動すらまともに見えなかった。
「ッ・・・・、六式———!」
見えないなら、見えないでやりようが無いわけじゃない。全範囲に無差別に攻撃を繰り出せば、動きは大幅に制限できる。
攻めは最大の守り、とはよく言ったものだった。
「遅い」
けれど、その考えは技を出せればの大前提があって成り立っている。僕が技を出すよりも先に、鬼月を弾き落とされた。
いつの間にか、眼前に現れていたエドワードの刀が僕の身体を袈裟斬りにした。
「がハッッ・・・・!」
エドワードは峰で僕を斬りつけた。いや、斬りつけたというよりかは叩き殴ったと言った方が正しかった。
思い切り殴られた僕は吹き飛ばされ、宙を舞った。
「ぐぅっ・・・・!」
峰が当たる直前で自分自身の内部、特に骨に封印を掛けた事で、何とか致命的なダメージは負わずに済んでいた。
それでも骨がイカれてないだけで、斬りつけられた場所はズキズキと痛んだ。
「真面目にやれ」
「ッ・・・・、やってるわッッ!!」
僕はそう叫ぶと、エドワードへと急接近した。速血を使った上で縦横無尽に動く。普通であれば相手が反応する暇も与えずに攻め続けられる。
「封印:自転選択 鉄拳!」
鉄血の応用で、殴る瞬間だけに拳全体を鉄化させた。振りかぶって、エドワードの鳩尾に拳を叩き込んだ。
「遅い、それに雑過ぎる。せめて、フェイントを入れろ」
けれど、それは全く通用していなかった。僕が伸ばした右腕を受け流してながら前に出ると、僕の服の襟首を掴んで僕の腹に膝打ちをした。
そして、流れる動作で膝打ちした足を下ろすと同時に、右脚で僕のこめかみに横蹴りを叩き込んだ。
「ガハッッ・・・・!」
また僕は、横に吹き飛ばされて地面を転がった。
「・・・・やっぱりダメだな。一度、殺すか・・・・?」
エドワードはそう呟くと、さっきまでとは比べ物にならない殺気を噴き出させた。
身が凍るほどの圧倒的な殺気、死のプレッシャーだった。
「・・・・二式 神速」
「なっ・・・・!」
エドワードの口から発せられたのは柳生新陰流の技だった。どうしてかは分からないけれど、エドワードもまた柳生新陰流を習得していた。
けれど、威力は僕とは比べ物にならない。わざわざ、僕の目の前に姿を現すと、峰ではなく刃が僕へと振りかぶられた。
『チッ・・・・、どけ』
「———!」
僕の身体の内側からそんな声が響いた。瞬間、僕の意識は僕の身体から消え去った。
僕は振りかぶられた刀を右手の甲で刃を受け流した。
そして、鍔近くの柄を掴みながら、即座にエドワードの脇腹へと左脚で蹴りを放った。
「・・・・やっと出ましたか・・・・」
エドワードは刀を手放して、後ろに引くと距離を取った。
そして、僕に対して急に敬語になって言った。
「出てくる気は無かったけどな、しょうがないだろ。お前、俺が出なかったら迷う事なく殺してたろうからな」
僕ではない誰かが僕の口でそう言った。
「・・・・よくお分かりで」
「・・・・とは言っても、俺も今のお前には勝てないがな」
「知りたいのはどこまで力を使えるかですから。・・・・それに、俺を倒せるなら教える事は無いですよ」
「そーだな。・・・・あー、久々だ。自分自身の劣化コピーと戦うのは。・・・・いや、今は俺のほうが劣化コピーか」
嘲笑するように、僕はそう言った。エドワードの能力を「劣化」と言った辺り、間違いなく喧嘩を売っていた。
「・・・・そうですね」
「ふっ・・・・。はははははっ!! ・・・・、時間軸解放」
僕が大声で笑い声を上げてそう呟いた。その瞬間、僕の眼が濁った蒼色に変化した。
本来ならば、もう少し段階を踏まなければならない事を、無理矢理に発動させた。
急激な身体負荷と、高レベルの精神汚染が僕を一気に侵食していった。
「ふーっ・・・・、時間軸解禁」
そして、エドワードは新しい刀を指輪型の異空鞄から取り出して、そう言葉を発した。
◆
「———きろ。おーい、起きろ」
僕の頬をペチペチと叩きながら、ハオさんが顔を覗き込んだ。
「ん・・・・、!!」
そこはいつもの真っ白い何も無い空間だった。最近、何かと会う事が多くなったハオさんの顔を見ながら僕は眼を開けた。
「はぁ・・・・。アイツ、また簡単に誘われやがって・・・・」
ハオさんはため息を吐きながら立ち上がった。
「僕、僕は・・・・!」
頭が一瞬でクリアになって慌てて起きると、傷を確かめるように上半身を触った。
「いや、大丈夫さ。死んでない、殺されることも・・・・、多分無い」
「・・・・また、身体を?」
「ああ、そうだ。ただな・・・・、今回は前回とは状況が違う。かなりまずい事になってる」
ハオさんは少しだけ目を瞑って真っ白な空間を見上げた。
「まずいんですか?」
「・・・・ああ。問題は一つ。精神汚染が一気に進んだ事だ。流石に、今回だけで汚染しきることは無いが、かなり進んでしまってる。もう、普通に過ごしていても半年も経たずに汚染しきる」
ハオさんが口にしたのは衝撃的なことだった。
しかも、ハオさんの口ぶりからするに、精神汚染は今に始まった事では無いようだった。
「精神汚染・・・・?」
「ああ。異能力は不完全な状態で無理に扱うと精神が蝕まれていく。特に、お前の場合はそれが顕著に現れてる。
これをどうにかして乗り切らないと、待つのは死だけだ」
非常にも、現実は甘くは無いようだった。エドワードとの戦いに加えて、精神汚染という二つの課題に直面していた。
しかも、その結末はどちらも死という重いものだった。
「そんな・・・・、どうすれば?!」
「・・・・。すまないが、それは言うことはできない。精神汚染は異能力を扱うための試練だ。これを自力で乗り切れない限り、異能力を真に扱うための入り口にすら立つことが許されない」
少しだけ口籠ったようにして、僕を見つめた後、ハオさんはそう言った。
「っ・・・・!」
「だが、今回の無茶でアイツとパスが完全に繋がった。・・・・だから、お前からアイツに接続しろ。アイツがお前を使役するんじゃ無い、アイツをお前が使役しろ。・・・・良いな?」
人差し指を僕の方に向けながら、少し強めにハオさんが言った。
「僕自身の戦い・・・・ですか」
「ああ、そうだ。そして、お前がアイツを使役するとき、俺とアイツは完全な能力に変化する。急げよ、酷な話ではあるがタイムリミットはかなり近いぞ」
「分かりました・・・・、それに元々タイムリミットは二日も無いんです。死ぬ気でやり遂げますよ」
僕は苦笑いしてそう言った。
元々、上手くいかなければ二日しか命は続かない。生きるためにはこの能力を制御して使う以外に道は無かった。
「・・・・そうだな。一つ、アドバイスだ。アイツに口で何かを言うのは止めておけ。俺たちの能力は違う。性格も、もちろん違う。それを忘れるな」
「はい」
「・・・・とは言っても、まだ戻れんけどな。前回と違って、少し長引く。あ、そうだ。丁度良いから、アイツの戦いを見てみろよ」
ハオさんはそう言って指をパチンと鳴らした。指を鳴らすとすぐに、この場所に映像のようなものが映り始めた。その映像は、僕視点からの外の情報だった。
「はぁ・・・・、アイツ。後のこと何も考えてねぇな、・・・・クソが」
ハオさんはそう悪態を吐いた。まだ少ししか話したことはないけれど、こんなに暴言を言う印象では無かったから意外だった。よほど、もう一人が嫌いらしい。
「・・・・これ、本当に僕ですか?」
映像を見て、僕はそう溢した。あまりにも自分とはかけ離れた動きをしていた。
威力が違うだとかそう言うことじゃない。動きそのものが自分、いや人間離れしていた。速いというよりも、気づいたら動いていたというように近かった。
「・・・・その認識は案外、間違いじゃない」
ハオさんは僕の考えたことを見透かしたようにそう言った。けれど、答えそのものは言ってはくれなかった。
「え?」
「観察しろ、認識しろ。アイツが何をして、何をしようとしているのかを」
「・・・・はい」
僕は映像に視線を戻すと、僕とエドワードの動きをより一層観察した。
◆
「・・・・ストレスでも溜まっているんですか? 動き悪いんじゃないですか?」
エドワードは戦いながら、さっきのお返しか、煽るようにそう言った。
「・・・・余計なお世話だ、クソガキ! ・・・・時間軸加速!」
「時間軸迅速」
人が視認できる限度を超過して、僕の身体とエドワードは動いた。
その速さは、刀がぶつかり合う音が少し遅れて耳に到達するほどだった。
「ハハハハッ! 動き辛ぇぇぇ!! ゴミかよ、この身体!」
刻帝は歯を剥き出しにして笑いながら、そう叫んだ。
まぁ、なんか腹は立った。ちょっとハオさんがイラついてた気持ちが分かるようだった。
「お辛そうですね」
「・・・・そうだなぁ! 時間軸逆行・伏斬」
刹那、何の前触れもなく空間が揺れたように振動した。振動するとほぼ同時に空間から何かが風を切りながらほとんど全方位からエドワードへと直進した。
それは、僕が虚空と封印を組み合わせて使う技に近かった。けれど、僕と違って刻帝のはその斬撃の量、威力ともに桁違いだった。それに、いつ、それを仕込んだのか全く分からなかった。
「時間軸停止」
逃げ場は一切無い。あるとすれば、地面の下に全身をめり込ませる事くらいであった。それなのに、エドワードは、焦りの表情ひとつ見せなかった。僅かに息を吐くと、右手をグッと握り込んで言葉を紡いだ。
その瞬間、エドワードを中心にして全ての動きが停止した。空気の揺らぎも、斬撃も全てが動かなくなった。それはまるで、時が止まったようだった。
「はっ、生意気だな」
エドワードから奪った刀の峰を肩に乗せると、左手を脇腹に付けてそう言った。
「流石に驚いてはいますよ。その状態でもそんな技術があるなんて」
エドワードは危なげなく停止した空間を歩いて、斬撃の包囲から抜け出した。
「チッ・・・・、全くもって嬉しく無いけどな」
「・・・・今度はこっちが行きます」
そして、エドワードは刀を右手に刻帝へ向かって走り出した。
「時間軸超越」
まだ距離があったはずなのに、エドワードはコンマ何秒の内に、目の前に移動していた。
それは、まさに時間を超越したというしか無いような行動だった。
「! チッ・・・・、時鎧」
全身をガチガチに硬化させた。僕がよく使う鉄血の上位互換となるものだった。
刻帝は自身の表皮とその周りの空間の時間を停止させる事で異常なまでの防御力を生み出していた。
「時間軸乖離」
しかし、鉄鎧はその効果を発揮する事なく強制的に元に戻された。
停止していたという事象を空間から無理矢理引き剥がす事で、鉄鎧を無効化したのだった。
「!! クソガキが・・・・」
「柳生新陰流———」
エドワードは後ろに重心が寄った刻帝へと追撃を仕掛けた。
「甘ぇ! 時間軸改編 零斬」
刻帝へと刀を振りかぶったエドワードの真下から斬撃が飛び上がった。
斬ったという事象を後から付け加える、無理矢理な技。無理矢理に事象を捩じ込む分、威力は大幅に落ちる代わりに、どんな場所、どんなタイミングからでも繰り出せるものだった。
「ぐっ・・・・」
流石のエドワードでも、通常であれば絶対にあり得ないタイミングからの奇襲には対処しきれなかった。
斬撃が当たる直前に身を後ろに退いたはものの、左肩から斜め下に薄く袈裟斬りにされていた。
「チッ・・・、!!」
刀を右手に持ち帰ると、エドワードはすぐに後ろに退いた。
しかし、エドワードが後ろに踏み込むと同時に、刻帝は前に踏み出した。刻帝の判断は正しかった。攻めるならこのタイミングだった。エドワードが姿勢を崩し、ダメージを負った今、攻めるには十分な隙が生まれた。
「・・・・! 時間軸凝縮・絶世界!」
刻帝のその一振りは時間を消し飛ばす。一瞬の過去、現在、未来、その全てを並列に、同時に斬り裂く一撃だった。
故に、不可避。斬られた事象を認識する事すら出来ずに斬り裂かれる。
今の僕の身体では一発放つのですらギリギリの最高の一撃。致命傷とまではいかなくとも、大ダメージを与えるのには充分なものだった。
「・・・・、ッ! 時間軸崩壊!」
エドワードに刀が触れる寸前、本当にあと少しの所で、空間がピシッと不快な音を立てた。
エドワードのそれは時間を崩壊させる。時間が壊れれば、特に、何かを行ったという時間を壊せばその行為は無かった事と同義になる。
エドワードは刻帝の絶世界を喰らったという仮定の時間を破壊した。破壊した事で世界は、ダメージを負ったのに負っていない、という矛盾を抱える。
結果、全ては無かったことになる。
矛盾を消し去るために、その矛盾が発生した点である絶世界が行われた、という過去が強制的に消え去った。
「マジかよ・・・・!」
刻帝は動かなかった。否、動かなかったんじゃ無い、動けなかった。時間が崩壊したことによって、絶世界は無かったことにされた。
絶世界を放った刻帝はその余波を喰らっていた。一秒ほど、強制的にその動きを停止させられてしまっていた。
「・・・・二天一流 一法之太刀 蓮斬無尽」
その一秒は強者の戦いだと永遠にも近い隙だった。
エドワードはさっき、僕が床に落とした鬼月を引き寄せると、二刀で刻帝を斬り刻んだ。流石に、手加減していたお陰で僕の身体が細切れになる事はなかった。けれど、大ダメージを負った事に変わりは無く、後ろにふらついたところに蹴りを叩き込まれた。
「・・・・、ゴホッ。・・・・あーあ、もう終わりか」
刻帝は床に倒れて仰向けになったまま、呟くようにそう言った。全身傷だらけで瀕死と言って差し支えないような状態だった。
「そうですね」
二本の刀を指輪型の異空鞄の中にしまいながら、刻帝の呟きに応えた。
「チッ・・・・、はぁ。傷くらいは治しといてやるか・・・・、お前の分もな。時間軸遡行・廻癒」
少しだけ、エドワードの事を睨んだ後、自分とエドワードに能力を使用した。
すぐに、僕の身体に付けられた傷が少しずつ修復されていった。
「・・・・意外に優しいですね」
「・・・・まぁ、今回は俺が戦ったわけだからな。けど、アイツに力を貸すかは別だ。
・・・・なぁ、そうだろ?! 力が、圧倒的な力が欲しいならお前自身と向き合え?! それが鍵だぜ、歩!」
僕たちが観ていた事を気付いていたのか、刻帝は笑いながらそう叫んだ。
「・・・・また会えることを楽しみにしてますよ」
「ハッ。・・・・だったら、期限を・・・・、もっ・・・・と延ばせ・・・・、って話だ・・・・」
瞼を少しずつ落としながら、呟くようにしてそう言った。
そして、完全に瞼が閉じ切ると、少しだけ間を開けて僕の意識が戻ったのだった。
◆
「・・・・少し休憩だ。好きに休め」
「・・・・、ッ・・・・! は、い・・・・」
さっき観ていた、全身の傷はほとんど治りきっていた。けれど、その代わりに脳を揺さぶられているかのように視界がグルグルとしていた。
エドワードはこうなる事を見越していたのか、休憩と言って歩いて行った。
「ぐぅっっ・・・・!!」
僕は地面に仰向けに寝転んだまま、頭を押さえて悶絶していた。目を瞑っても、頭が割れそうなほど頭痛が続いていた。
「ッッゥウ・・・・!!」
頭が割れそうなほど痛くても意識は飛ばなかった。ずっと痛みが身体に訴えかけてきていた。
「うわー、きっつそうだね」
「? ・・・・だ、誰・・・・?」
「僕は、ルーベルト・マジェット。宜しく」
眼鏡を付けた、まだ中学生ほどの少年が僕の前に立っていた。
「な、何の・・・・」
「良いよ、喋らなくて。喋ったらきついでしょ」
「・・・・」
「僕の異能力で君の肉体的な負担を軽減してあげようと思ってさ。ただでさえ時間が無いのに、こんな事で更に減ったら可哀想だからね」
「・・・・あ———」
「アハハ、だから喋らなくて良いって。・・・・じゃ、治すね。・・・・五戒・聖日、傷ハつかず」
ルーベルトは僕の額に人差し指をトンと当てて、そう言った。
ルーベルトの言葉に呼応するようにして、人差し指に触れている部分が薄く光っていた。
「!! ッ・・・・!」
光が淡くなっていくのに比例して、頭痛が和らいでいった。
光が完全に無くなる頃には、頭痛はほぼ完治していた。
「・・・・よし、こんな所かなー」
僕の額から指を離すと、にこやかに笑ってそう言った。
「んっ・・・・。ありがとうございます・・・・、痛みが無くなりました」
「それは良かった」
僕の感謝に頷きながら、そう応えた。
「刻藤くん———」
「それ以上、何か言うなよ。マジェット」
ルーベルトが僕の顔をまじまじと見つめて、口を開いた。
僕の名前を言ったところで、その先を遮るようにしてエドワードがそう言った。
「・・・・、はいはい。厳しいですね、本当に。・・・・じゃ、頑張ってねー」
ルーベルトはそう言うと、マリーがさっきやっていた様に、壁の中の階段を登って行った。
「・・・・さぁ始めるぞ、刻藤」
「・・・・はい」
◆
結局、最後まで何も出来ないままボコボコにされた。僕の命のタイムリミットは二日しか無いのに、もうその半分が終了しようとしていた。
ハオさんが言っていた事をやり続けたけれど、その反応は全く無かった。僕の身体を乗っ取った刻帝の方に僕は何もする事は出来なかった。
「・・・・あと一日か・・・・」
エドワード曰く、少し寝ておけとの事だった。言い方的に、この短い休憩が終わったらもう休みなんていうものは無いようだった。
僕は仰向けになって、床に転びなから呟いた。
———そうだな。何も出来なければ、間違いなく、あと一日で殺される。アイツらの目に冗談は無かった。
久しぶりにレティアの声を聞いた気がした。焦りや恐怖はあるものの、一人じゃ無い分、かなり気分は穏やかだった。
「・・・・そうですよね。それは・・・・分かってます」
———・・・・私からアドバイスでもしてやろうか?
「・・・・いや、大丈夫です。異能力に関しては誰かの力を借りちゃいけないような気がして・・・・」
少し悩んで僕はそう言った。これは直感だったけれど、これに関して誰かから何かを教わったりするのは良くないと感じたのだった。
———そうか、要らんお世話だったな。・・・・頑張れよ、歩。それに関しては、心の底からそう思っている。
「・・・・頑張りますよ、死ぬ気で」
———ああ。死ぬ覚悟で戦えよ。
ノイズが走った。レティアと話している最中に、誰かが僕の頭の中で呟いた。
『・・・・良い事言うじゃねぇの。死ぬ覚悟で戦え、ねぇ。そうだぜ、歩。その覚悟が必要なんだぜぇ』
その声が聞こえてくると同時に、僕は意識を手放した。
◆
「こ・・・・こは・・・・?」
僕が目を覚ますと、そこは何も無い荒野のような場所だった。空は晴れた日の夕日のように澄み切った橙色をしていた。
そして、その荒野にただ一つ不格好な岩がポツンと存在していた。
「ここは、俺の心象世界。良い所だろぉ?」
その岩の上に雑に座っている者がいた。胡座をかいて、膝の上に片肘をつきながら僕を見ていた。
「! って事は、お前が」
「そうだぜ。俺が刻帝だ」
「・・・・だったら、話は早い。僕に力を貸し・・・・せ」
ハオさんに言われたことを思い出して、少し言い直して刻帝に向かってそう言った。
「ギャハハハハハッッ!! 言い慣れない事は言おうとするもんじゃねぇぜ、歩! その心持ちは良いけどな!」
こいつの言う通り、言い慣れないことは言うもんじゃなかった。刻帝は僕の言葉に大笑いしていた。
「・・・・グダグダ言うなよ、僕はお前の力が必要。ただそれだけだ」
「・・・・、ハオがなんか吹き込んだか? まぁ良いや、確かにお前は喉から手が出るくらいには俺の能力が必要だろうな」
僕が最低限の言葉しか言わない事に引っ掛かったのか、目を細めてそう言った。
「・・・・そう言ってる。それに、お前もそれに関しては分かってるだろ」
「そうだな」
意外にも、即答で肯定した。
「だったら僕に———!」
「けどな、タダで俺の能力を使わせてやるほど俺の能力は安くねぇ。・・・・だからな、条件がある」
僕が言う前に、刻帝が遮った。刻帝の言い分は正しい。実際、異能力は尋常じゃ無い。現に、ハオさんの力でさえかなり使える様になるまで長かった。そんなものが易々と使えるなんてことはあり得ないのは当たり前のことだった。
「条件・・・・?」
「ああ。俺がお前に課すのは、自分自身との戦いだ」
「は? ・・・・ど、どう言う事・・・・?」
「あー・・・・、口で言うのは俺の性に合ってねぇな。だから実際にやってみろ、その方がお前も分かりやすいだろ」
「は・・・・?!」
刻帝はそう言うと、指をパチンと鳴らした。その瞬間、僕の真後ろから風が吹いてきた。
「これは・・・・?!」
後ろを振り返ると、何もなかった空間に真っ暗な、一センチメートル先も少しとして見れないゲートのようなものが生まれていた。
「そこで自分自身と戦え。あぁ、失敗しても良いぞ。まぁ、そん時はどうなるか分からんけどな」
僕の背中をいつの間にか近づいていた刻帝がトンと押した。
「?! ちょっ・・・・、まっ———!!」
僕が何かを言う前に、黒い闇の中へと僕の身体は飲み込まれていった。
◆
「ここ・・・・、ダンジョン?」
僕が目を開けると、そこはダンジョンだった。それも、僕が蒼丸たちに裏切られて、レティアと会ったあのダンジョンだった。
「・・・・やっと来たな」
薄暗いダンジョンに、僕と全く同じ姿をした偽物が立っていた。唯一違う点と言えば、僕の目の前にいる者の顔には黒い刺青の様な模様があった。
「アハッ・・・・! なぁ、俺。この場所を見て何を思った?」
そいつは、歪に口角を吊り上げながら、嘲笑するようにそう言った。
「・・・・心の底で『恐い』って思ったんじゃねぇのか?」
「一人で何を、言ってんだよ」
「・・・・ハッ、強がんなよ。もう既に気付いてるだろ。・・・・乗り越えた、と思い込んでんだろ? 心の底にずっと溜まり込んでるくせになぁ」
「!」
「それが俺の弱さだ。現に、ここがあのダンジョンに見えている事が何よりの証拠だ。それをどうにかしねぇとなぁ」
「自分と戦えって・・・・、こう言うことかよっ・・・・!」
「ああ。先に言っとく、自分の力だけしか使えないからな、鬼月も御面も、付喪神も使う事は出来ない」
「・・・・分かってる、来いよ。さっさと僕に力を寄越せ」
「ハハハハッ! 虚勢を張んなよ、俺」
「・・・・封印:自転選択 速血」
「封印:自転選択 速血」
僕と奴がほぼ同時に動いた。僕と奴の能力は全く同じ。身体能力も、癖も全部が。違うのは思考、ただそれだけだった。僕は考えている事以外全て同じな奴に勝たなければならなかった。
「チッ・・・・!」
「性能が同じなら、勝負はつかないよなぁ!」
「・・・・、思考が違うならやりようはあるっ!!」
僕はそう叫ぶと、奴の背後に回り込んだ。けれど、いくら速く後ろに回り込んでも奴も能力は同じ。焦ることも無く、左脚を軸にして後ろへ振り向いた。
「良いのか、こっちを向いて」
奴が僕の拳を掴み受けるのと同時に、奴の背後から空気弾が発生した。
一直線に奴の背中に急接近した。
「・・・・俺はお前だぜ? そんな簡単な事、分かりきってんだよ」
直後、奴の背中からもう一つ空気弾が発生した。僕のとは逆方向に、打ち消すようにして空気弾同士がぶつかった。
「くっ・・・・!」
掴まれた右腕を振り払って、再び距離を取った。正直、有効手は無かった。武器があればもう少し違う戦いが出来たけれど、今は身体一つで戦うしか無かった。
「・・・・なぁ。お前はどう思う?」
「・・・・何がだよ」
「・・・・裏切られる事。もし仮に、レナやノアが裏切ったら、俺はどうなるんだろうな?」
「そんな事っ———!!」
「無い、とは断言できねぇよなぁ? 現に、俺はこのダンジョンで裏切られる寸前まで裏切られることなんて微塵も思っていなかったんだからなぁ!!」
「それは・・・・」
否定しきることが出来なかった。現に、僕は今でも心の底から人を信用できていないんだと思う。レナもノアも、師匠や一平、フーたちも信用しきれてはいないんだと思う。
簡単に忘れてくれるほど、あのトラウマは優しいものじゃなかった。
「俺は怖いと思ってるんだよ、気づかないうちに心の底に閉じ込めているだけで、今も裏切られるかもしれない感情を排除できない!! ずっと怯え続けている!」
「・・・・・・・・」
「しかも、それだけじゃ無い。少しずつ思ってるんだろ!?」
「! ・・・・っ、やめろ」
心臓を掴まれるような感覚がした。
呼吸が荒くなって、心臓の鼓動が急に速くなっていった。
「やめねぇぜ、これはそういうもんだからな!」
奴は嬉々として大声で叫び続けた。
「考えたんだろ?! 閃光のメンバーや、餅次、新田。そして、姉が! 死んだのは自分のせいなんじゃないのかってなぁ!!」
「やめろ、やめろ、やめろ、やめろっっ!!!」
視界がグニャリと歪んだ。僕は戦いの最中であるのに、耳を塞いでしまった。
耳障りな言葉をこれ以上届かせないように、叫んだ。
「・・・・闘いだぞ、気が緩みすぎじゃねぇのか?! 封印:自転選択 鉄拳!」
奴は一瞬で僕に肉薄すると勢い良く、僕の右頬が殴りつけた。異常なまでに硬化した拳が顔面を直撃した。
僕は避けることも、受け身を取ることもできずに勢いそのままに吹き飛んだ。
現実では無いはずなのに、口の中は血の味がした。
「アハッ! そうだぜ、その通りだ!! その考えは合ってるぜ! 俺がこんな能力を持っちまったせいで! 自分だけじゃ無く、周りの人間にまで不幸を撒き散らしてんだよ!!」
自分の顔であるはずなのに、別人を見ているようだった。口角を吊り上げ、笑いながら叫ぶその姿には重すぎるほどの悪意が込められていた。
「ッッ・・・・!!」
口の血を拭いながら、アイツを睨みながら立ち上がった。
「急に腑抜けたんじゃねぇのか?!」
「ぐぅっ・・・・!」
また、接近してきたアイツに対して、守る事しかできなかった。反撃なんてする暇もないまま、アイツから距離を取った。
「見せてやろうか?! 『もしも』の世界を!! お前が異能力を持っていなかったら、という幸福極まりない日常を!!」
ダンジョンの景観が突如、ブレるようにして揺れた。すぐに、周りには姉さんや蒼丸たちと楽しそうに、過ごしている僕が映った。
その顔には不安や、恐怖、そんな感情は一切存在せず、当たり前の幸福で普通な日常を謳歌しているようだった。
「・・・・どうだ、俺? 顔を見てみろよ。痛い思いも、辛い思いも何もない。ただ、平和に過ごしている自分を」
「っ・・・・!」
「それとも、あり得る未来の方がいいか?!」
景観が赤と黒が入り混じったものに移り変わった。目の前で色んな人が全身から血を流して倒れていった。
「! っ、うわぁぁぁああああああ!!」
僕の足元に、夥しい数の血塗られた人々が横たわっていた。その中にはレナやノア、師匠の姿まであった。
いつの間にか、僕の足は真っ赤な液体に浸かっていた。
「やめろ、・・・・やめろっっ!!」
僕は奴へと殴りかかった。けれど、動揺した僕の攻撃は単調すぎた。当たり前のように奴は躱し、逆に僕の鳩尾に鋭い蹴りを突き刺した。
「がっ・・・・はっ・・・・!」
「俺は弱いな。常に矛盾を抱いて生きている。しかも、タチが悪いのはそれがあることを自覚しながら直視しようとしない」
僕の幻影は無様に地面に這いつくばった僕を冷めた目で、僕の後頭部を踏みつけながらそう言った。
「! ッ・・・・」
「言い返せないだろ? だって本当だからなぁ。・・・・前に、ラウストが言っていたな。俺は偽善の理想を持ち続けていると。本当にその通りだよ、その反吐の出るような夢のせいで多くの犠牲を生んでいるというのに。尚も、捨てようとしない」
アイツは容赦無く責め立て続けた。
「っっ・・・・!」
「矛盾を直視しない、だから理想はいつまでも現実味を帯びない。だと言うのに、いつまで経っても逃げ続ける。俺と言う人間はどこまで行っても偽善者だな」
僕を、いや自分自身を嘲笑うようにそう言った。その言葉には色んな感情が入り混じっていた。
「自分自身が断言してやるよ。お前の正解は、あの時、あのダンジョンで死ぬことだった!! そうすりゃ、お前の周りの人間が死ぬことは無かった! お前は何もかも間違っている、失敗し続けてるんだよ!!」
頭を踏みつける力を強めてアイツが叫んだ。
「・・・・そんなの、そんな事知ってんだよ!! 僕が正解の道を歩いていないことなんて重々知ってる!」
アイツの脚を跳ね除けながら僕はそう叫んだ。叫んだ拍子に、口から血が溢れた。
「だったら、ここで死んどけよ。正解の道を歩けず、矛盾と理想という悪極まりない欲を抱えながら!」
アイツの言っている事は、僕が心の底で思っていることなんだろう。
だけど、僕の今思う気持ちも紛れもない本心だった。
アイツは憎むような表情で、僕を睨んでいた。
「悪なんかじゃない・・・・、矛盾を抱えて生きる事は悪じゃない!!
誰かに裏切られるのが怖くて、傷つけるのが怖くて遠ざけたい、けど一人でいるのは辛いから仲間を欲する!! その矛盾は悪なんかじゃない!! 矛盾があるから僕は僕なんだ! その矛盾から僕はもう逃げない!! 必死に、血反吐吐いて、死ぬその時まで抱え続ける!!」
矛盾は、悪なんかじゃ無い。矛盾する事、相反する気持ちを持つ事、それは人を人たらしめる要因のはずだった。
だから、矛盾はどちらか一方を切り捨てるものじゃ無い。それを持ち続けて、悩んで、悩んで、悩み続ける。それが人間の筈だから。
逃げる事なんて出来るはずが無かった。
僕は爪が皮膚にめり込むほどに右手を強く握りこんだ。
「・・・・ふざけた事を抜かしてんじゃねぇ!! だから、正解が離れていくんだろうが! ・・・・もう良い、お前はここで死んでおけよッ!!」
僕とアイツが同時に走り出した。どちらも武器なんて持っていない。能力すらも使っていない。
これは、文字通り意地と意地のぶつかり合い。
最初で最後の自分との対等な一騎討ちだった。
「僕は、正解なんていらない! 僕が選んだ、進む道は、最善だっっ!!
その為に、お前の力が必要なんだ!! だから、俺にその力を寄越せぇっっっ!!!!」
レティアが言っていた、僕が選ぶべきなのは最善の道だと。
笑ってしまうような甘い空想を現実にするために、僕には力が必要だった。
やっと、僕はこの能力を欲する理由を自覚した。
———勝負は一瞬だった。
たったの一撃、それがこの小さな戦いの決着だった。
「・・・・強欲で傲慢で、自惚れた考えだ。本当に、反吐が出るよ」
僕の腕はアイツの・・・・、もう一人の僕の胸を貫いていた。貫いた腕から血が伝って零れ落ちる。
アイツの攻撃が僕に届くほんの僅か前に、僕の攻撃が先に届いていた。
「・・・・そうなのかもしれない」
「・・・・けど。その気持ちは分かる。・・・・荒唐無稽で、茨の道・・・・いや修羅の道だ」
アイツの口から血が溢れた。アイツは少しだけ目を閉じると、呟くように小さな声でそう言った。
「・・・・約束しろよ、俺。最善と言う名の正解を俺に見せてみろ」
貫いた僕の腕を優しく掴んだ。けれど、開いたその瞳には強い意志が宿っていた。
「ああ・・・・、僕。約束するよ」
だからこそ、僕はアイツの瞳を真正面から向き合ってそう答えたのだった。
僕の答えを聞いて、満面の笑みで頷いたのだった。アイツの身体に亀裂が入って崩れた。
それと同時に、空間もまた崩れ去ったのだった。
◆
「・・・・六割くらいは負けると思ってたんだけどなぁ」
空間が崩れ去って、瞬きを一つした次の瞬間には刻帝のいる場所に戻っていた。
刻帝は少し驚いたような顔をしながら、小さく拍手しながらそう言った。
「・・・・、約束だ。僕に力を寄越せ」
握り込んでいた右手を緩めると、刻帝の方を向き直した。
「ハッ、良いぜ」
鋭く尖った犬歯を見せながら、刻帝は笑った。
「・・・・ただな、覇王の奴と違って俺の能力はかなり扱いにコツがいる。正直言って、一日で身につくとは思えない」
「!!」
「別にお前を殺そうって思ってるわけじゃない、ただ本当に扱うのが難しいんだ。けどな、やり方は教えられる。お前が起きるまでの数時間、・・・・ガンガンいくぜ?」
僕を煽るように、不敵な表情を浮かべて岩から飛び降りた。
何回か右肩を回してから、握った拳同士をゴンと当ててそう言ったのだった。
「! ・・・・望むところだ!」
口角を少し吊り上げて、僕はそう答えるのだった。
・・・・また僕の、いや世界の運命が少し変化した。
更新が遅くなりました。すみません。
気づいたら、もう今年も終わりに近いですね。今年はあんまり更新出来ず、すみませんでした。来年は・・・・もう少し多く更新できるように努力します。
とりあえず、今年はあと2〜3回くらいは更新します。
面白い、続きが読みたいと思った方は下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしてポイント高評価、ブックマーク登録をお願い致します。
感想やコメントなどもお待ちしてますのでよろしくお願いします!




