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52-あなたの元に嫁ぎます

 また新たに現れた人物は、可愛らしいアクセントのあるにゃん語を喋って居て、此方も何処かで聞き覚えがあるような・・・。


「ハッ!もしかして!!?」


「ニャニャ!気づいて貰えたのかにゃ?!」


 もしやまさかのあの僕の嫁的な猫神様ではと一筋の希望の光が灯り、その光をもって自暴自棄になって冷め切った心を奮い立たせ、今まさに逆光が晴れたその人物の姿格好を確認したらば、そこに居たのは・・・


 純白のウェディングドレスを着た変態でした。


「やっぱり変態じゃ無いですかヤダぁあああああああああ!?」


「にゃぇええええ?!!にゃんでそうなるのにゃ!?」


 騙されるところだったよ?!こんな場所ってか日常的にウェディングドレスを着用する奴なんて、とち狂った変態さんしか居ないじゃないですか?!

 そんな事をあの優しくて可愛らしい猫神様がする訳無いんだからね!!?

 それに、そのウェディングドレスを来た人物はどう見ても人型なので、完全に人違いならぬ種族違いです。

 顔の方はベールに隠されていて見えないけど、顔立ちが整っているから美人だと思う。

 ですが、この世界で矢鱈顔立ちが良い美人さんは、変態が多いと言うのが今の所の相場です。レートで見たら右肩上がりの天井知らずってもんです。

 ですから、もう疑いも無く変態と言っても過言では無いでしょう?!

 そこを突っ込んでやれば自ずとボロが出るってもんですよ、ちくしょぉめっ!!


「なるのにゃ、じゃ無いよ?!そんな恰好してる奴が真面まともな訳無いじゃないか!?どうせ変態さんなんでしょ?良いよもう期待して無いから!!うわぁあああん」


「ニャニャ?!一体どういう事にゃ?この恰好にゃらアキクンが泣いて喜ぶって聞いてたのににゃ、泣き叫ぶだけで全然嬉しそうじゃないのにゃ?!ハッ!しまったのにゃ?!ついつい気が急いてしまったにゃけど、よくよく考えて見ればこの状況でこの恰好はどうなのにゃ?サプライズでアキクンを楽しまそうと思ったにゃけど、今の囚われの身のアキクンにはそんにゃ余裕はないはずにゃ・・・ウチのバカなのにゃ!こんにゃ自分勝手な気持ちばかり逸って、伴侶の事を考えられないにゃんて、お嫁さん失格なのにゃ?!ごめんにゃ、アキクン・・・今すぐ助けてやるのにゃ!そうと決まれば・・・衣装替え(トランスフォーム)なのにゃ!!」


 何やらぶつくさと語っていたマリッジ変態さんでしたが、諦めの境地に居る僕にはよく聞き取れませんでした。

 ですが最後に魔法名の様なものを叫んだかと思ったら、突然そのマリッジ変態さんの周りが仄かに輝き出し、一瞬にしてその輝きがマリッジ変態さんの身を覆いました。

 そしてその輝きが治まり、その場に再び現れたのは・・・。


「んにゃにゃ!この姿で戦うのは始めてにゃけど、アキクンの印象を良くするためにも人型で挑むにゃ?!」


 勇み良くも打算的な言葉が聞こえた気がしましたが、そんな事よりもマリッジ変態さんの姿格好に変化があり、僕はとある特徴的な一部分に目を奪われてしまいました。

 その一部分を語る前にまず、元マリッジ変態さんの装いについて語りたいと思います。

 先程の魔法名の通り一瞬にして着替えを終えたようで、ウェディングドレスから動きやすい服装に変わりました。

 その服装についてですが、袖の無いベストを羽織り、控えめな胸を守るようにしてベルトのような胸当てをしているだけで、上半身の露出が半端ないです。きめ細やかな白い肌も眩しく、可愛いおへそも丸見えってやつです。

 それに下半身の方もホットパンツとブーツの軽い装いをお召しになって居て、健康美溢れる脚部が大変素晴らしく、まるで陸上選手のように引き締まった太ももがむちっとホットパンツに食い込んでるのが高得点ですね。

 そして顔立ちの方は、先程まではベールに隠れていた顔も今は隔てるものが無いため露わとなり、やはり予想通りの美人さんでした。

 整った顔立ちの中にも愛らしさが滲み出て、にゃふと言いたげな口元は愛らしく、くりっとした目は珍しい金色でその目元はどこか茶目っ気があり、年の頃は前の世界の僕と同じ年頃かも知れません。それにしては胸元は少し寂しいですけど。

 そしてここから重大かつ、最大級のキュートな特徴を述べさせて頂きたいと思います。

 にょろりと生えた三毛の尻尾が垣間見え、それを同じくするかのように茶と黒が入り混じった髪色は綺麗に映えたショートカットです。

 そして、その頭にちょこんと乗っているとある物体こと・・・それはまさしく・・・ッ!!?


 NE・KO・MI・MI☆


「どうにゃ、アキクン?人型に併せて服装も拘ってみたのにゃ!気に入ってくれると良いのにゃけど・・・」


 僕がマジマジと見ていることに気付いたのか、照れくさそうにそう語りますが、それ以上に雄弁に気持ちを代弁しているのが猫耳です。

 此方が何も言わないからか、不安そうなそしてどこか期待するように忙しなく覚えのあるあのドラムテクニックを披露する猫耳で、やっとの僕もその人物の正体に気付きました。


「も、もしかしなくても・・・ポチたん?」


 そう正解を口にしたとたん。その言い当てられた人物ことポチたんが満面の笑みを浮かべて、僕の問いに答えてくれました。


「にゃぁあああん♪やっと呼んでくれたのにゃ?!ウチが正体を言わにゃくても、きっと分かってくれると思ってたのにゃ・・・やっぱりウチらは以心伝心の相思相愛なのにゃ?!!」


 にゃぁああああんと嬌声を上げるかのように昂った声音を響かせて、蕩ける様な眼差しで僕の事を見るポチたんは、まるで恋する乙女の様でした。

 先程まで嫌と言うほど向けられた獣欲では無い、純粋な好意の眼差しを向けられた僕は、一瞬にして胸を射止められた気持ちになりました。

 僕、やっぱりポチたんと結婚する!!?

 そう決意のもとに、きっとポチたんも同じ気持ちだと確信めいた想いで、最愛のポチたんにこの気持ちを伝えようとして・・・。


「・・・いけないわね、アキクン?浮気なんて、ダメよ・・・絶対にダメ・・・私だけを・・・」


 ミテナイト


「ヒィイイイッ?!!」


 ガシッと僕の顔をメルさんの両手で鷲掴みにされ、ポチたんに向けた顔を強制的に変えさせられて次に視界に映ったのは、あの獣欲に濡れさらに今は嫉妬の炎を湛えた眼であり、悍ましく歪んだメルさんの顔だった。


「もうダメじゃないの・・・初夜の前に他に色目を向けようだなんて。アキクンったらなんて悪い子なの?でも大丈夫よ?一度の過ち何て幾らでもあるもの。だから今回は許してあげる。でも、今からは私だけを見ててね・・・ね、ワカッタ?」


 下半身が冷たくなるのも気にせずにコクコクと壊れた人形の様に縦に首を振る僕。


「あらあら?粗相しちゃったの、アキクン?ぁあ何て香しい匂いなのかしら・・・うふっ。愛しいアキクンの匂いならどんな匂いでも、最上級のアロマを凌ぐフレグランスに足りるわ!ぁああ、私にもっとアキクンを感じさせて!そして私と溶け合いましょう!!?・・・でも、その前に・・・」


「ニャ?!なんなのにゃ、この人間?!んにゃ?そう言えば精霊を介してアキクンの動向を見てた時に、確か居た気がするにゃ・・・でもその時は、こんな風じゃにゃかったし、それにアキクンもウチが嫉妬するほど嬉しそうにしてたのにゃ・・・それなのに、今は心を壊されたようにアキクンが虚ろな目をしてるのにゃ・・・ッ、絶対に許さないのにゃ!アキクンをすぐに解放するにゃ?!それと、ウチもアキクンの匂いならどんな匂いでもオカズにして何杯もご飯御代わり出来るのにゃ!?」


「・・・そう。やっぱりあなたもアキクンを狙っているのね?ダメよ。もうアキクンは私のモノなんだから・・・」


「アキクンは誰のモノでも無いにゃ?!それにウチとアキクンは婚約してるのにゃ!しかもアキクンの両親公認なのにゃ!?にゃから、どちらかと言うとウチのモノじゃにゃいかにゃ?・・・にゃ、にゃんて!大丈夫にゃアキクン。ウチはちゃんとアキクンの意思を尊重して、そこの人間みたいにモノ扱いしないのにゃ」


「ぇ?アキクンの両親公認ですって?!そ、そんな・・・ッ、でもそんな事リーファからも聞いた事が無いわ。それに愛を育むのに親御さんなんて不要よ!当人同士が愛し合えば問題無いはずなのだから?!アキクン待っててね・・・あの泥棒猫を始末したら、すぐに契りを結びましょう。そしてその後にアキクンのご両親に挨拶に行きましょうね?だから・・・オマエハジャマダ!バインド!!」


 何やら僕の頭越しに色んな事が交わされていますが、心が死にかけている僕には関係がないように思います。

 ですが、僕の事を助けに来てくれて好意を向けてくれる、そんなポチたんが危険に陥りそうになる事は決して関係が無い事はでありません。

 ですから、死にかけた心にありったけの気力をぶち込んで、喉が裂けんばかりにポチたんに警告を発しました。


「ポチたん避けて!!メルさんの拘束魔法は一筋縄ではいかないよ!!」


「うふっ。もう遅いわよアキクン?それに敵に塩を送るだなんて・・・あとでたっぷりオシオキネ」


「ヒィ?!」


 やはり僕が幾ら叫ぼうが何をしようが、メルさんを止める事もポチたんに警告する事も出来ないんだ・・・ごめん、ポチたん。

 警告なんてしないで、早く僕を放って置くように言うべきだった。それならポチたんに怪我をさせる事も無かったのに。

 そう僕が後悔するも束の間、パシッと何かを縛る音が聞こえてきた。

 無残なポチたんの姿を見るのは辛いけど、それでもそれだけがいま僕に出来る事なんだとばかりに目を逸らさなかった。


「にゃ?これは拘束魔法なのかにゃ・・・しかも最上級のバインドみたいにゃね?うにゃ、そこらの凡俗にゃら抜け出せにゃいのかもだけど・・・甘いのにゃ?!それとアキクン。そんな悲しい眼で見ないで欲しいのにゃ。ウチはアキクンのお嫁さんなのにゃからこの程度の逆境にゃんて、屁でもないのにゃ!いま、ウチがすぐに助けるにゃ・・・そんな悲しい顔じゃにゃい、最高の笑顔にしてみせるためににゃ!?」


 優しくも勇ましい声音で語り掛け、僕が勝手に夢想していた事をいつかのあの場所で知ったのか、僕のお嫁さんなんて冗談を言ってまで僕を安心させてくれるポチたん。ぁ、だからウェディングドレスだったんだ。僕に笑顔を届ける為に体も張ってくれて・・・僕、ポチたんを信じるよ!?


「んにゃ!その顔で良いのにゃ!!んにゃぁ、やる気が出て来たのにゃ!?そこの人間覚悟するのにゃ!」


「うふっ。そんなバインドを受けた姿でどうしようと言うのかしら?アキクンを諦めると言うのなら、許してあげなくも無いわよ?」


「フンなのにゃ!そんにゃ三下みたいにゃ事を言ってる奴に、ウチが負ける訳無いのにゃ?!この程度のバインド・・・うにゃぁああああ!!?」


 ポチたんが一際大きく可愛らしい雄たけびを上げたかと思ったら、眩い光がバインドで拘束されたままのポチたんを包み込み、次の瞬間・・・硝子が割れる様な甲高い音を鳴り響かせ、その拘束を破った。


「なんですって?!」


 お得意の拘束魔法が破られたのが余程ショックだったのか、今迄余裕の表情で常に獣欲に濡らしていた細目を驚愕に慄いた表情と共に大きく見開かせて、一歩後ずさるショタ狂い(スモールビッチ)


「これでも神の座の末席にいた者として、これぐらい当然なのにゃ!んにゃ、今度はこちらから行かせて貰うのにゃ?!」


「ッ、この程度で勝った気になって貰っては困るわ!やっと見つけた最愛の人・・・私は決して諦める訳にはいかない!!?」


 いま、お互いに愛する者を賭けた壮絶な戦いが始まろうとしていた・・・ッ!?


 See you NEXT BATTLE STAGE?

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