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駄竜転生~幼女様から始まるゆかいなモラルハザード~  作者: ミズタマン♪
第二章 イニティブラのダンジョン下層攻略編
39/63

39-ダメンズでありたい

「準備はよろしおすな?ほな、転移魔法発動しよか」


 シュセンちゃんがそう問いかけて、僕たちが同意を示すと、シュセンちゃんの足元から幾何学模様の魔法陣が現れました。

 すると僕たちの周りが仄かに明るく光り出し、僕たちが居る場所とシュセンちゃんたちが居る空間が隔たれるような不思議な感覚を覚えた。


「ほんまはもうちょぃ居て貰いたいんやけど、しゃぁないわなぁ。まぁ気が向きよったらいつでも会えるさかい、それまでの辛抱やなぁ。なぁラキちゃん?」


「な、なんでそこでわれに振るんじゃ、シュセン?!べ、別にわれは、もう二度と顔を見なくても良いのじゃぞ?!」


「そやの?それは残念やわぁ・・・ほならうちが今度、アキクンとこにお邪魔しはるから、そん時わぁラキちゃんお留守番やねぇ?」


 そう意地悪な流し目をラキちゃんに寄越すシュセンちゃん、マジエロス。


「にゃ!そ、それはあんまりなのじゃ?!われもこやつらの住処に行ってみたいのじゃ!シュセンだけずるいぞ?!」


「そないなわけやから、うちとラキちゃんでお邪魔するさかい。そん時はよろしゅうな、アキクン?」


 ぬぅお、また謀られたのじゃぁ!とラキちゃんが地団太を踏んでおりますが、この二人に出会ってから毎度の事なので、僕も慣れてしまいそんなラキちゃんを放置して話を進めます。


「ぅん、わかったよ!って、僕が住んでる所は居候先になるから、家主に確認取らないといけないけどね」


「かまへんよ。そん時はそん時で、アキクンの居候先に見た後にうちらの住処に招待するさかいに。また楽しもうな?」


 くふふっ、今度は寝かさへんからなぁと蕩ける様な笑顔を向けられて、思わず前屈みになりますが不可抗力です。


「どしたの?ますたぁー?」


《エル、御主人様(マスター)は今、発情なさっているのです》


 ちょ!ナビそれは幾らなんでも直接的過ぎやしないかな?!


「はつじょう?んーボクよくわかんない」


《簡単な事ですよ、エル。御主人様(マスター)は、その滾るパトスをシュセン様にライドオンさせるべく・・・」


 ちょ、マジでナビ何言ってるの?!それ以上は言わせないよ!!


「ぱとす?らいどおん?んー・・・わかった!」


 ぇっ、わかっちゃったのエル?!だ、ダメだよぉ、このままだとエルが抱いている筈の僕の理想像がガラガラと崩れさる音が・・・


「ますたぁーはシュセンちゃんが大好きなんだね!!」


「ぇっ・・・そ、そうだよ、エル!僕はシュセンちゃんが好きだからつい前屈みになるんだよ?!」


 うおっ危ない!流石は純粋無垢なエル。やっぱり素直さって大切だと思います!?

 それに比べてナビったらもう!僕には、エルに悪い影響が云々って言ってたのに、ナビがそれを破るってどういう事?!


《ぷい、シュセン様ばかりにうつつを抜かす、御主人様(マスター)が悪いのです》


 そうナビが不機嫌そうに言いますが、シュセンちゃんを様呼ばわりにするぐらいには親しくなったみたいです。シュセンちゃんを悪く想っているわけじゃないみたいだけど、何故にそこまで突っかかるのか疑問だよね。

 ちなみにですが、シュセンちゃんとラキちゃんにも念話?のパスを繋げたらしく、僕がとある術を覚えている間に何やら色々と話をしていたみたいですね。


「なんやぁ別れの間際に告白やなんて、粋な事しはってからに・・・ぁあそやから昨日の晩、あないに激しく求めてたんやね?」


 頬を少し染め、流し目を此方に寄越してくるシュセンちゃんですが、絶対分かってて言ってるよね?!それにそんな誤解を生む言い方止めてくれないか?!


「な!どういう事じゃ?!いつの間にそんな事になってるのじゃ!お、お主ま、まさかシュセンに・・・・」


 ほら案の定、初心うぶな子が勘違いして、顔を真っ赤にして妄想逞しくあらぬ疑いを掛けようとしてるじゃないか?!


「ちょ、シュセンちゃん分かってて言ってるよね?!それに求めてたと言っても、あの術を覚えるために教えて貰ってただけだよね?!あとラキちゃんもずっと一緒に居たでしょ!!」


「ハッ!そうじゃったのじゃ!?ぐぬぅ、シュセンよ。そろそろいい加減にせんとわれ、怒髪天を衝くぞ?!」


 どうにか初心で耳年増疑惑のラキちゃんによる、僕に対しての誤解が一応解けましたが、その代わりにと、シュセンちゃんへの怒りを露わにしてしまいました。


「なんやうちが虚言吐いたみたいに言いはってからに。ほれによう考えてみ?あの術をあないに激しく求めて、一晩で会得しはったんよ?そいでさっきのアキクンの反応からして、あながちうちの考えは間違ってひんと思うんやけどなぁ」


 そう悩ましい感じで艶っぽく言うシュセンちゃんに、気圧されるラキちゃん、マジチョロイン。


「ぬぅ!た、確かに鬼気迫るように異様なほどあの術を求めて居ったな・・・それにわれにあのような醜態をさせおった後に、あの執念さじゃ。も、もしや責任を取ろうとわれのために・・・ッ?!ま、まったく、シュセンにも色目を使うのはどうかと思うのじゃが、それならそうと言ってくれれば、われも目くじらを立てる事も無いのじゃ。そうか、そうか・・・ぬふっ、ぬふふふふっ、お主も愛い奴よのぉ」


 一体どんな思考の終着点に至ったのか分かりませんが、傍から見ても少し引くぐらいに気持ち悪い笑いを浮かべながら、ニタニタと僕の事を見てくるラキちゃん。

 何だか嫌な予感もしますが、折角機嫌を直したのですからここは大人の対応として流して置きましょう。


「くふふっ、罪作りやねぇ、アキクン?うちら鬼はしつこいから、覚悟せぇんとなぁ?」


 何やら不穏な事をシュセンちゃんが仰っていますが、聞かなかったことにして、《御主人様(マスター)そのパターンはお約束過ぎます》にして!


「あはははっ、ぇっとじゃそろそろ送って貰えるかな?」


 笑って誤魔化すのが一番さと母さんの無理難題にいつも翻弄されている、父さんの言葉を信じたいかと思います?!


「くふっ、その誤魔化しよりかたは見覚えがある気がしはるけど、それはそれで楽しゅうなるさかい、見逃そうなぁ。ほな、今度こそ転移魔法いくよ?」


 ギクッ!やっぱり父さんとも知り合いだったのかも。しかも楽しくなるって・・・これは確実に悪いフラグ?!

 やっぱりあんな父さんを信じた僕が馬鹿だった。でも、僕にはこれしか思い浮かばないゆえ、


「あはははっ・・・そ、それではお願いします」


 馬鹿の一つ覚えと笑うが良いさ?!


御主人様(マスター)、安心して下さい。私はダメンズ派ですので》


「うちも割かし好きなほうやねぇ」


「そんなにわれと一緒になりたいのじゃな・・・ぬぅふふふっ」


「ボクはますたぁーならなんでも好き!?」


 あははははっ・・・解せぬ。

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