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コレクション11話目〜売却と防具〜

昼過ぎ。

ゴブリンの討伐を終えた集は、一度寮へ戻って来ていた。本来ならスキルをコレクションし、用済みになった武器や防具を売りに行きたいのだが、そうはいかなかった。


戦闘の興奮で気づかなかったが、手や足が血だらけだったのだ。そして、ゴブリンの血は異常に臭い。

寮に戻るまでに集の三メートル以内には誰も近ずくことはなく、鼻をつまむゼスチャーまでしてくれた優しいご婦人までいた。


流石にこのまま店に入る勇気を、集は持ち合わせていなかった。

寮の裏にある井戸で血の付いた手を入念に洗い、自室にて着替えを行った。


着替えを完了し、ついでに新しいスキルを確認する事にする。


衝撃耐性Lv2

打撃や物理攻撃の衝撃を緩和する。バッシブ


防御力上昇Lv1

防御力を上げる。バッシブ


斬撃Lv3

攻撃の切れ味が増す。アクティブ


麻痺耐性Lv2

麻痺に対する耐性上昇。バッシブ


「初めてアクティブスキル来たなぁ」


集は小さくガッツポーズを繰り出す。


「てか、ヤバイな。良いスキルばかりで、迷うぞこれは・・。早くレベルを上げないとな!とりあえず、毒耐性外して斬撃を付けてみよう!」



シュウ・タカラ

年齢 15歳

状態 健康・童貞

スキル 

トレジャーコレクション Lv1(ゴット級)


サブスキル

硬化Lv 7

斬撃Lv3


スキルの確認が終わるとすぐさま街に出る。ゴブリン達の装備を売る為だ。

大通りを東に向かう。そこには、この前万引きと言われ説教をされた黒歴史の武器屋だ。


入り口からチラチラと大柄な主人が見える。


「良く考えたら、剣術とかのスキルも無いんだし、武器は要らないな」


悲しき思い出を封印しつつ防具屋に向かった。


武器屋から更に東に五分ほど歩いた場所に防具屋はあった。結構な繁盛ぶりで、獣人や人間などの客が10人ほど防具を物色している。


集はカウンターに座る女主人であろう人に声を掛ける。


「すみません。買い取りをお願いしたいんですけど。」


「あいよ!」


40台であろう。ふくよかな女性は愛想の良さそうな笑顔で返事をしてきた。

武器屋のオヤジとは偉い違いだと集は呟く。


「それで?どこにあるんだい?買い取り品は?」


あたりを見回す女店主。


「あー俺トレジャーボックスのスキルがあるんで。ここで出しても良いんですか?結構あるんですけど。」


「どのくらいだい?」


「えー確か59品ですね」


女店主は少し目を見開く。しかし、すぐさま笑顔を取り戻す。


「わかったよ。その数だと、身分証が必要になるね。あるかい?」


集は懐からギルド学園のカードを手渡す。


「はいよ!じゃーカウンターの横に品物を出して、15分程度店の中でも見てな!」


「はい」


集は装備品を全て床に置き店内を見て回る。


籠手や盾。甲冑やマントなど様々な防具が並んでいる。親切な事に値段の下に付与されているスキルまで書いてある。


どうやって確認してるんだ?と思いながらも、どれを買うかで心が弾んでしまう。

店内を物色していると、声をかけられる。


「終わったよ!はい、ギルドカード!」


「ありがとうございます」


「全部で51万カーネだね!血で汚れたりしてたり、痛んでいたりした普通の装備品は3〜4千カーネって所だね!4品ほどスキル付きの剣と防具があったけど、それは1つ5〜10万カーネで買い取るよ!どうする?。」


「お願いします!!」

集は飛びついた。商売人には向いていないのだ。


51万カーネを白銀貨5枚と金貨1枚で受け取る。所持金な53万8千カーネに膨れ上がる。

あったかい懐を触りながら帰ろうと思うが、ふと思い出す。


今日の戦闘で腕と足が血だらけになったことを。そして、服の上や靴の上からでもスキルの効果が現れたことを。


「すいません。戦闘用の防具が欲しいですけど、何かオススメはありますか?できれば軽くて、錆びにくい物がいいんですけど」


「軽くて錆びにくい防具かい?それならミスリルだねぇ。でも、全身甲冑だと100万カーネ以上はするよ?」


「じゃあ、手と足だけなら?」


「それなら50万カーネであるよ!スキルは付いてないけどね!」


売値のほぼ全額かぁと思いながらも、今後必要になると思い見せてもらうことにする。


奥から女店主が持ってきた防具に目が奪われる。肘から指先まで眩い白銀の鉄甲。足具も膝から指先まで流れるような曲線を描いていて美しく、思わず息を飲む。


少しの間目を奪われていると、女店主が話し出す。


「試着してみたらどうだい?」


促されるまま、腕と足に装備する。


腕や足に吸い付くように一体感のある着心地。指先、手首、足首の動きは金属に包まれているとは思えない程動きを阻害せず、殆ど重さを感じない。


ヤバイ。欲しい。

強く購買意欲を掻き立てられる。


「どうだい?気に入ったかい?よく、ミスリルの防具を一度装備したら、呪いのように他の装備は使えないって言われていんのよ!あんたにもわかるだろ?」


分かりすぎる。こんなん装備したら、普通の装備なんか使えないだろ。

どうしても欲しい。金はまた稼ごう。そうしよう。


集ら心の中で自分を納得させる。


「買います」


「まいど!そのまま装備していくかい?」


「はい」


50万カーネを支払い店を後にする。


試したい。斬撃スキルとミスリル防具を試したい。


集は南の草原を目指し歩き始める。









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