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閑話2 メイド長メリッサの日記Ⅱ

評価及びブックマーク追加、誠にありがとうございます!

本当に感激しております。大変励みになります。

何とか週一更新を目指して参りますのでよろしくお願い致します!

「・・・帰って来ない・・・」


私は魔法の箒で魔王様の部屋を掃除しながら呟きます。

部下の子達に言わせると、酷い時には10秒で一度呟いているとか・・・。


いくら私が魔王様を敬愛していようともさすがに10秒で一度帰って来ないと呟いているとか、無いだろうと思ったのですが・・・。


「ほら、また溜息と共にぼやかれてますよ、メイド長」


そう言ってニコニコと掃除を進めるメイド。

新たに雇った新人メイドのソーニャです。

新人が魔王様のお部屋を掃除する事など、まずありえないのですが、このソーニャ、実はサキュバス族のエリートで、ドロステラ様の紹介でもあります。

コネというと悪いイメージもあると思いますが、実力精鋭主義の魔王軍において、逆に実力者の紹介があり、当人にもしっかりとした実力があれば大歓迎です。

ソーニャはもともと学者志望だったのとの事ですが、現在の魔国は食糧危機、仕事不足などの不況が影響して、ゆっくり学者で生計を立てて行く事など夢のまた夢となってしまったとの事でした。


そこでソーニャがドロステラ様に相談したところ、今の魔王様はとても素晴らしい人で、とても勉強になるから、近くでお仕えできる仕事がいいのでは、とアドバイスをした上でメイド長である私に話を持ってきてくれたのです。


実の所、メイド部隊は非常に人手不足で天手古舞となっておりましたので、正しく渡りに船とはこの事でございます。

但し、メイド部隊は採用に非常に厳しい条件があります。

何せ魔王様の側近としてお傍に仕えて仕事を行うのですから。


容姿端麗、魔力持ち、戦闘力テスト、所作テスト、どれも高レベルでの実力が求められます。

そして、大っぴらでは言えないのですが、メイドとしてメイド服を初めて着る前には「誓約書」にサインを署名せねばなりません。

その誓約書は


一、魔王様の御手付きとなっても良い

二、子供が生まれても、魔王様の血統としての地位を求めない


の二つを誓約しないと魔王様のお傍で働くことは出来ません。

最も、魔王様の御手付きを嫌がるメイドなどいるとは思えませんが。

ただ、どうしても魔王様の寵愛を受けてしまうと勘違いしやすくなるのも事実。

自らの子を魔王様の後継者にと見果てぬ野望を見てしまう者も出てきてしまうかもしれません。

そこで、魔王様とのお子が生まれてもその子には魔王様の後継者としての血統の権利を求めないことを誓約させます。


場合によって魔王様自らがご指名したり、その実力が想像を絶するもので誰も反対が居なければ魔王様の後継者として認められることも可能となっていますが、血筋のみで権利を主張する事は出来なくなっています。


「それにしても、なかなか魔王様帰って来ませんね~」


ソーニャが掃除を進めながら話しかけてくる。


そうなのだ。あの日魔王様を見送ってから、何度か魔王城には帰ってきているようなのだが、私とはなかなか顔を合わせない。

報告書も最初の一回だけ魔王様の書斎机に置いてあったきりだ。

・・・お土産はまだ頂けていない。



「お、メリッサ。また魔王のアニキの部屋掃除してんのか? アニキは最近帰って来てないんだから、アニキの部屋より俺の部屋掃除してくれよな」


ちょうど魔王様の部屋の掃除が終わり、ソーニャと廊下に出て来た時に獅子王ダルカスが声を掛けてきました。


「うるさい!駄犬! 調子に乗っているとぶち殺しますよ!」


「ぐわっ!ヒデェ!」


「だいたい、魔王様より指示頂いている兵士訓練の週間報告書が2週間も未提出なのですが。 いい加減にしないと魔王様に進言して魔国12将軍の地位を剥奪してもらいますよ!」


「そ、そりゃねーだろぉ!」


「ならば与えられた職務くらいちゃんとこなしなさい!」


「いや、やってるって、やってる!」


「魔王様がお出かけになられて現在魔王城にご不在なのです! ならば週間報告書を常に提出して魔王様がお戻りになられた際にその進捗をすぐ確認頂けるようにしておくことが重要なのはその入っていない脳みそでも理解できるでしょうが!」


「マジでヒデェ!」


「それとも何かしら、駄犬の犬臭い部屋をメイドたちで清掃しろと? <十字火炎撃(クロスファイア)>ぶち込んで部屋ごときれいさっぱり消し炭にしてやりましょうか? あなたのベッドの下に隠した「月刊プレイドッグ」や「犬耳族ティアラの大冒険」とかいう本、きれいさっぱり燃えて消えますけど問題ないですよね?」


「ええっ!? 何で知って、あ、いや、掃除は自分で頑張りますから、気にしないで!」


「そうですか、ならいいです。但し汚いまま放置した場合は一週間後<十字火炎撃(クロスファイア)>ぶち込んで部屋ごときれいさっぱり焼却しますので」


「わ、わかったわかった!綺麗にするから」


そう言って這う這うの体で逃げて行く獅子王ダルカス。


「・・・あれって、獅子王ダルカス様ですよね? 魔国12将軍の序列12位の」


「そうですよ。あれが末席とはいえ将軍とは嘆かわしい」


「・・・いや、序列12位とは言え、将軍様ですよね? メリッサ様よくあんな対応できますよね?」


ソーニャが少し呆れたような声で問いかける。


「単なる駄犬です。本当に将軍の末席を穢しているとしか言えません」


実に腹が立ちます。

まして魔王様をアニキだなどと!

一度反旗を翻しておきながらコテンパンに魔王様にのされてから、逆にアニキアニキと気やすくなって。思い出してもムカムカします。


「メリッサさん、マジで嫌ってますね・・・」


ソーニャが自分の肩を抱いてぶるりを体を震わせる。


「さ、魔王様が帰って来るまできっちりとお仕事を仕上げておきますよ」


そしてソーニャに次の仕事を指示します。


ふと見れば、魔王様を見送った廊下。


大理石の床も、折れた柱もすでにすっかり元通りです。

・・・費用は全て獅子王ダルカス様の給料から天引きされています。

私の折ってしまった大理石の柱も含めて頂きました。

そっと書類を作り、魔王様のデスクに提出しておいたのですが、いつの間にかお戻りになっていた魔王様が決済ハンコを押しておいてくださいました。

また、魔王様への忠誠心が上がりました。


でも、なかなか魔王城へ、私の元へ戻って来てはくださいません。

お忙しいのは十二分にわかっているつもりなのですが・・・。

いけないいけない、魔王様を想い泣いて待つだけでは魔王様のお役になど立てるはずもありません。気合を入れなければ。



私は魔王城メイド隊、メイド長のメリッサ。完璧な魔王様にお仕えする、完璧なメイドです。


今後とも「まおテン」応援よろしくお願いします!

(自分で愛称呼んでます(苦笑))

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

他にも投稿しています。


転生したらまさかのスライムだった!その上ノーチートって神様ヒドくない!?

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ドラゴンリバース 竜・王・転・生

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よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。


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