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第31話 新たなる「命」

評価及びブックマーク追加、誠にありがとうございます!

本当に感激しております。大変励みになります。

何とか週一更新を目指して参りますのでよろしくお願い致します!


「・・・おはようございます、お父様、お母様」


朝、食堂に降りて来たリーンハートは自分の父親と母親に挨拶をした。

その凛とした雰囲気に父親も母親も少し戸惑った。


「・・・リーンハート、どうかしたのかい?」


挨拶も返さず、確認をしてしまう父親。

それほどリーンハートの佇まいがいつもと違う。


「お父様。私は自分の生を全うするため、生き方の全てをわたくし自身にお任せ頂けること、相違ないでしょうか?」


リーンハートが今更な事を聞いて来た。

『呪いの核』に犯された我が最愛の娘。

妻と出来る全てを行って来た。それこそ娘を助けられるのなら何だってするつもりだった。

だが、その事如くがうまくいかなかった。


そして、娘の命ある限り、娘がしたい事を尊重すると伝えた。

あとどれくらいも生きられないであろう娘のために。


「・・・ああ、その通りだ」

「だから、今は歌を歌う事を頑張っているのよね? ママも一杯応援するわ!」


そう言ってくれる両親にニコリと微笑むリーンハート。


「・・・それは良かったです。急にどちらかに嫁げなどと言われましても、もう身も心も捧げる御方に出会ってしまいましたので」


そっと頬を染めながら伝えるリーンハート。


「・・・どういうことだい? パパにも分かる様に説明してくれないか?」

「リーンハートちゃん?」


両親が娘の「身も心も捧げるお方」という衝撃の告白に驚きながらも、娘が絶望に押しつぶされていない事に安堵を覚えてしまう。いつも見せる作り笑顔はあまりに無理をして張り裂けそうな感じであった。それが、本当に頬を染めて喜んでいるのだ。


「お父様、お母様、わたくしの部屋へおいで下さい」


そう言ってリーンハートは両親を自分の部屋へ案内した。




「こ、これは・・・!!」

「ひっ!」


リーンハートの部屋はカーペットが血で汚れていた。

そして机の上に置かれた『呪いの核』が埋め込まれている心臓。


「あの御方に取り出して頂いた、呪いに犯されたわたくしの古い心臓と『呪いの核』ですわ」



「こ・・・こんな事が・・・!」


父親は信じられないと言った感じで心臓と『呪いの核』を見る。

もう母親は声も出ない。


「この呪具はわたくしの心臓からもう魔力を吸収できず、呪いの発動が停止したそうですわ。再度呪いを発動させるためには術式発動が必要になる類の物らしく触っても問題ないとの事です。だから安心して父親にでも渡してやるがいいと言われましたわ。最もわたくしの古い心臓に埋まっているから、保管するならちゃんと処理をしてもらうように、とのことですわ」


父親は仰天する。

その説明に。いや、その説明が意味する事に。

この部屋の血。目の前にある、リーンハートの説明によると『わたくしの古い心臓』と『呪いの核』。


つまりは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「一体・・・誰に・・・?」


「『黒き天使』様ですわ」


リーンハートは新太の名前を言わなかった。

言えば、もしかして彼に迷惑がかかってしまうかもしれないと思ったから。

そして、彼が何物でも彼女には関係なかった。彼が魔族であろうと、無かろうと。

たった一つの事実。リーンハートは新太に命を救われた、その一点があればいい。

リーンハートはそう思っていた。


「黒き・・・天使・・・」


「ええ、正しく黒き天使様でしたわ。わたくしに新たな生を授けて頂きました」


左手で胸を抑えるリーンハート。


「リーンハートちゃん、ママにも聞かせて!心臓の音」


そう言ってリーンハートの胸に耳を寄せる母親。


「聞こえる!聞こえるよ!リーンハートちゃんの心臓の音が!」


泣きながらリーンハートを抱きしめる母親。


「ずっと・・・、この先もずっと生きられるの?」


母親は涙を拭ってリーンハートに尋ねる。


「ええ、わたくしを縛るものはもはや何もない、とのことですわ。あの御方によりますと」


にっこりと微笑んで母親を抱きしめ返すリーンハート。


「わたくし・・・自分の夢を諦めなくて本当によかった・・・。諦めなかったからあの方に出会えたんですもの」


リーンハートも涙を浮かべながら母親に伝える。


「お前の体に異変は無いのかい? ・・・その、黒き天使の種族に影響されているとか・・・」


父親は「ある種族」を念頭に置いて質問を紡いだ。


「先ほどお伝えした通りですわ、お父様。あの方は言ってくださいました。もうお前は何物にも縛られない。自分の夢に向かって突き進むがいい、と。ですから、わたくしは、わたくしの意思であの御方について行く事を決めたのですわ。新しく授けて頂いた命を持って」


力強く宣言するリーンハート。

父親はリーンハートの命と、強い心を感じてこれ以上ないほどの幸せを感じていた。

この先も娘を失うことなく過ごしていけることに強く感謝するとともに、自分の娘が輝くほどの魅力を放っている事に、周りの貴族たちがリーンハートを放ってはおかないだろうと、新たな頭痛を抱えることになるんだろうと苦笑した。

それでも、リーンハートの呪いが解かれて、自分たちよりも早くその命を失ってしまう運命を変えてくれた『黒き天使』に心の底から感謝した。


今後とも「まおテン」応援よろしくお願いします!

(自分で愛称呼んでます(苦笑))

よろしければブックマークや評価よろしくお願い致します。

大変励みになります(^0^)

他にも投稿しています。


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よろしければぜひご一読頂けましたら幸いです。


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