立ちはだかるのは2
程なく入室できる時間になり、スタッフに案内されて部屋へ向かった。
シングルのベッドと小さなテーブル、椅子がひとつだけの、必要最低限の静かな空間。
カバンを机に置きながら
「シャワーでも浴びるか…」
そんなことをぼんやり考える。
どうせ飲んで帰ってきたら風呂なんてめんどうになって、そのまま寝てしまうだろうし、この雨の中わざわざ出かける気にもならない。
そう思いながら、サッとシャワーを浴びた。
バスタオルを風呂場に干し、換気扇を回して少し扉を開けておく。
髪を乾かしてベッドに倒れ込むと、目覚ましだけセットして軽く目を閉じた。
気付けば寝落ちていたようで、スマホのアラームが耳元で震えていた。
軽く伸びをして、出かける準備をする。
「しかし、寝落ちするくらい疲れてるのだろうか…今日は酒はやめておくか」
そう思いながら部屋を出て、あえて車でホテルを出た。
集合場所の飲み屋近くの駐車場には、友人のひとりがすでに着いていた。
「久しぶり、元気?」
「げんきやでー、そっちは?」
「変わらず、不健康優良児よ」
「今日は野菜だけやな」
「そんな殺生な」
軽口を言い合いながら、近くのコンビニへ向かう。
集合時間までには少し早い。
お金を下ろして店の外に出ると、もう一人がちょうど到着した。
「お疲れ様ですー」
三人で話していると、
「少し遅れます」
と一人から連絡が来た。
「電車組はギリギリやな」
そんなことを話していると、もう一人が到着したタイミングで雨が少し弱くなった。
「相変わらずの晴れ女やな」
そう笑いながら言うと、
「そんなことないよー」
と返ってきた。
「一人は遅れてくるし、先に店に入ろうか」
そう言いながら、四人で店に入る。
テーブル席に座り、飲み物を注文している間に、
「先にお店入ったよー」
と連絡を送った。
その日は誰も飲まず、全員ノンアルコールだった。
それぞれ飲み物を注文し、食べ物もいくつか頼んで、お互いの近況報告をしながらゆっくり話す。
飲み物が届き、
「ほな、先に乾杯しよか」
と軽くグラスを合わせる。グビりと飲んで、ふぅ、と溜息をつく。
雨の中移動してきた疲れが少し抜けていく感じがした。
先に注文していた料理が届き、テーブルの上に湯気と香りがふわっと広がる。
軽くつつきながら話していると、ガラッと引き戸が開いた。
「すみません、遅れました」
仕事カバンを片手に、少し慌てた様子で友人が入ってきた。
「お疲れ様ー」
「大丈夫やでー」
そう言いながら席を空ける。
隣に座る友人が、
「カバン預かるよー」
と言って、自分の隣の席にカバンを置いた。
遅れてきた友人も飲み物を頼み、追加で串をいくつか注文する。
飲み物が来てから、改めて乾杯。
笑いながら、みんなで近況を話したり、初めまして同士で軽く自己紹介をしたりする。




