佇む人達2
久しぶりに生まれ故郷に帰ってきた。
潮風の匂いが鼻に届く。
目の前に広がるマリンブルーの海は、昔と変わらずきれいだ。
かなりの田舎だが、こうして帰ってくると「やっぱりいいな」と思う。
愛着というのは、こういう時にふっと顔を出す。
時間を見ると、15時30分を回っていた。
先にチェックインを済ませてから墓参りに行くか、とホテルへ向かう。
受付でチェックインをしていると、にこやかな受付の女性が声をかけてきた。
「観光ですか?」
「観光と墓参りですね」
そう答えると、彼女は納得したように頷いた。
「なるほど。この辺りは19時には閉まる店も多いのでご注意くださいね。あと、こちら観光マップになってます。素泊まりのご予約ですので、地物を食べられるお店はこの二ヶ所になります」
蛍光ペンで印をつけながら丁寧に教えてくれる。
「ありがとうございます。そういえば、この辺りは夜でも墓参りできてましたけど、変わりないですか?」
そう聞くと、彼女はコロコロと笑った。
「そこは変わってないですよ。20時には真っ暗になりますが、それまではライトがついてますので明るいですよ」
「変わってなくて良かったです」
そう言って部屋の鍵を受け取り、荷物を置いてからすぐに墓参りに向かう。
途中、町に一件しかないスーパーに寄り、線香とライターだけを買って、のんびりと歩き出した。




