第51話 火焔崇拝
俺の体は少し赤くなった
「…フゥーー」
吐いた息からはまるで冬の息の様に白い蒸気が出た
「な、なによそれは!?六条」
雷豪は俺の変化に驚き言った
「火焔崇拝 炎々初夏。火魔法を体内で流すことで血流を上げて身体強化する術だ。さっきまでの俺より3倍は強いよ」
するとそれを見た嵐山がドラゴンから距離を取って言った
「夏!それは血十の術か!?」
「いや、あいつの術は血を加速させたドーピングだ。俺のは血を活性させるのに火魔法を使うから過程が違う。同じようで同じじゃない」
三赤血十。嵐山と同じレベル5の1人だ。
「さて、行くぞ!」
俺は地面を強く蹴り、黒鎧達の前に出た
「六条!?」
「な、なんだそれ!?」
俺の変化した姿に黒鎧と火鳥が驚いた
「ここからは任せてくれ」
俺は手前のリザードマンに左足を軸に回転した右足の回し蹴りをきめ後方に吹き飛ばした
吹き飛ばされたリザードマンは後ろにいた他のリザードマンに当たり玉突き事故の様に何体も連なった状態になる
そして、すぐさま距離を縮め俺は左のパンチを繰り出した
火焔崇拝の打撃はその速さと衝撃によって爆ぜる
「爆拳」
左の拳がリザードマンのみぞおち辺りにあたると同時に爆発が巻き起こり10体以上ものリザードマンを葬り去った
「な、なんだよあれ。火鳥の火体と同じか?」
黒鎧が唖然としながら言った
「俺の火体は外皮に火を纏うことで火力とスピードを上げてるんだ。けど、六条の体には火が見えないだろ?多分内部に火魔法を使ってるんじゃないかな?あんなのスキル【火】の俺でもできる芸当じゃねーよ。なんせ内部っていったら内臓とかもあるわけだ、どんなに頑張っても内臓は鍛えられないし微細な魔力コントロールがなけりゃ自滅する技だぞ」
火鳥が俺の方を見ながら言った
ギィーーー!
残った8体のリザードマンは他の仲間が瞬きの間にやられたのに驚き、接近戦では部が悪いため水の槍を放った
「効かないな」
俺はそれらを回転しながら裏拳をかました
熱風でジューーっと水の蒸発する音と共に水の槍は消えた
そして地面を強く蹴り、あっという間に残りのリザードマンをなぎ倒していった
「残るはお前だけだな」
俺はドラゴンを見上げながら言った
ギャゥーーーーーーーーー!!
ドラゴンはリザードマンが倒されたことに臆せずこちらに怒りの咆哮を向けてくる
俺は力強くジャンプするとドラゴンの右首辺りに回転しながら卍蹴りをきめた
「爆脚」
ギュゥーーー!
爆発した蹴りが勢いよくドラゴンの首筋を襲い、ドラゴンはさっきの咆哮とは違い痛がる様に地面に崩れた
そして俺は地面に回転しながら落ち、ドラゴンの右前足に取り付けられた黒い魔導武具を踵落としで破壊した
これで、魔法も使えるだろ
「ふぅー。久しぶりの火焔崇拝は疲れた。あとは任せるぞ、嵐山」
「フフフ!それでこそ俺のライバルだ、夏!!スキル【嵐】神嵐槍!」
嵐山が右腕を上げると巨大な風のトライデントが現れ、振り下ろすと同時にそれをドラゴンに放った
トライデントはドラゴンの胴体を貫き、ドラゴンの断末魔と共に倒すことに成功したのだった
模擬戦の時より強力になってるな。テールムで力を出しきれてなかったのは嵐山も一緒だったわけか。
…というか、勝手にライバルにしないでもらいたい
模擬戦の時から距離が近いし、まったく困ったやつだ。
そんなことを思いながら俺達は5階層のボスを討伐することに成功したのだった
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