第40話 夏の校外学習模擬戦 決勝戦 決着
「仕方ないから、教えてやるよ嵐山。俺の演算能力は並外れていてな、学校の魔装武具だとその力を100%使うことはできないんだ。だがな、この銃は千冬の氷で魔力回路を氷で覆ってもらった。さらに外装も覆ってもらい、魔力回路が焼き切れるのを防いでもらっているんだ。最小限の威力しか出せない魔装武具を最大限活かした形だ。まぁ、簡単に言えばオーバーヒートしない為の冷却装置ってとこだな」
「…。そんな銃があってなぜ最初から使わなかった!」
「俺は勝ち負けにこだわりはない。お前に負けてもいいと思っている。だがな、レベル5にどれだけ通用するか試したいと今は思ってるんでな」
今のこの銃は俺が改良した鷹白の銃と同じ程度の威力を出せる。だが、所詮は付け焼き刃。高威力の魔弾は出せても5発が限界だ。それまでにきめたいとこだな。
すると放送が流れた
『梵、眼吹、猫頭、精華、火鳥、朝日、黒鎧。戦闘離脱!!』
「フッ。どうやら千冬達は勝ったみたいだな」
「残りは俺と、一青さん、夏だけか。…なんてことだ…」
「フフッ。ハハハ!…おっと。悪いな」
「なにがおかしい?夏!」
「いやいや、ここまで順当に俺の計画通りにことが進んでくれてよかったなと思ってな」
「どうゆうことだ!」
「1試合目は俺の指示に従い行動できるか。2試合目は俺と分かれてもしっかりとチームのリーダーの指示に従えるか。そして3試合目は俺がいなくてもチームは戦えるか。…嵐山。お前が俺に目をつけていたのは知っていた。だから、この試合は誰にも邪魔をされないところに俺を連れてくると読めていたよ。そのおかげでこうして千冬に銃の細工を頼み、俺以外のみんなは死線を超えて強くなれた。感謝してるよ」
「まさか、この模擬戦の試合全てを自分の計画通りに動かして…。ハハハハッ!まいったな。完敗だ。そんなことまで考えていたなんて。だが!ここは俺が勝たせてもらうぞ!神嵐槍!」
嵐山の右手から強力な風のトライデントが放たれた
千冬の氷で覆ったこの銃なら俺の演算能力にも耐えられる
「魔式解除!」
嵐山の技が消えた
「マ、マナリソルト!?それは事実上不可能の技じゃないか…」
「なら、ついでにもう一つ。魔式封印!」
銃から放たれた速く細い魔弾は、嵐山の体に纏った風を突き抜け、嵐山の体に刺さった
「ぐっ!…?なんだこれは…。ま、魔法が。発動しない!?」
「魔式封印、数分間魔法は使えなくなる。いくぞ!」
俺は触覚でスピードを上げ、嵐山の右頬を殴った
その勢いで嵐山は飛ばされた
「ぐぅっ!!マナシル…!?聞いたこともない」
「行くぞ!嵐山!」
俺の打撃が嵐山を襲った
「ぐっ!はっ!がぁっ!」
「意外と動けるんだな」
「なめないでもらいたい!これでも動ける方さ!」
触覚と視覚を極めた俺の相手じゃない。
嵐山も魔法がなくても動ける方かもしれないが、今の俺にはお前の動きはスローにしか見えないよ
俺の打撃は確実に嵐山に当たり
嵐山はフラフラの状態でその場に立った
「ハァハァ。しぶといな」
「…まだだ。ここで終わるものか!!」
突如、嵐山から強烈な風が吹いた
俺はそれを見て咄嗟に距離をとった
もう、魔式封印が切れたのか?いくらなんでも早すぎる…。レベル5。魔力量も演算能力も盾岡達とは桁が違うのか
「それで?俺には神嵐槍も効かないぞ?」
「ハァハァ。夏は勘違いしてるようだね。俺には分かる。その銃、使用回数があるでしょ?さっきマナシルってやつ使った時に魔弾で決めれば勝てたものを、打撃だった。いくら威力を高めた銃だとしてもリスクはあるはずだ」
ほぅ。気づいたのか。さすが嵐山だな。
まぁ、魔弾で倒す手もあるんだが、リミッターが無い以上、威力を抑えられないから止めたんだけどな。
「…よく気づいたな」
「ほらね。なら、それまで魔法を打つだけだ!神嵐槍!!」
俺に向けトライデントを放った
こいつ、まだそんな強力な魔法が発動できるのか!?
魔力量は千冬と同じくらいじゃないか!
威力が抑えられない以上、魔弾は危険だ
「魔式解除」
残り、2発
「ハァハァ。まだまだ!!神嵐槍!!」
「いい加減諦めろ。魔式解除」
「ハァハァ。あ、あきらめないぞ。俺を信じた班のメンバーの為にも。くらえ!!神嵐槍!!」
嵐山の右手から魔法が放たれた
すでに神嵐槍っていうより、ただの風球だな。
満身創痍か。しかしながら、この勝利への執着、スゴイとも思えてくるな。
「俺もお前に勝って目立つのも面倒だしな」
俺は嵐山の攻撃を的にくらった
「…え。……」
「言っただろう?俺は勝ち負けにこだわりはないんでな…」
『六条。戦闘離脱!よって、模擬戦優勝は嵐山班!!!』
これでいい。随分と嵐山との戦いで目立ってしまったが。まぁ、勝つよりはマシだろ。
千冬達には後で謝ろう…
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