表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost19 ブレイダス防衛戦  作者: JHST
第一章 変人と変態
18/100

⑨三者の赴く道

―――翌朝。

 疲労が抜け切れていない冒険者や騎士達を含め、タイサ達は集落の中央にある広場に関係者を集めた。


「東でそんな事が………こいつぁ隊長、かなりやばい流れだと思いますがね」

 結局一度も起きなかったボーマが偉そうに腕を組んで唸る。カエデもタイサの説明を聞き、さらに周囲の雰囲気も感じ取り、表情を険しくさせている。


 タイサがイリーナに視線を送る。

「イリーナ。確認するが、フォースィは何かあれば俺に合流しろと言い、彼女(あいつ)自身は東に向かったんだな?」

 目を覚ましたイリーナは、昨日とはうって変わって真剣な表情でタイサの顔を見て頷いた。

「はい。お師匠様はいつもそうおっしゃっていました」

 東に向かった事は間違いないと、冒険者達も頷いている。


「………俺の考えを伝える」

 タイサが全員の顔を一瞥してから口を開く。

「予定通り、俺達はイリーナと共に東に向かう。ゲンテの街が今現在どうなっているのか分からない以上、目的地を手前のブレイダスとし、そこで情報を集めた後、さらに東に向かうかを判断する」

 次にとタイサがシュベット達、銀龍騎士団の三名に目を向ける。

「シュベット達は俺達が使ってきた馬車を使って王都へ向かい、この事を王国騎士団、そして王女殿下に伝えて欲しい。『色付き』の銀龍騎士団、さらに貴族出のお前達が話せば、少しは信じてくれる者もいるだろう」

 そうすれば西での事件も再度調査が行われる可能性が浮上する。タイサは自嘲気味に付け加えた。

 最後に冒険者達にもやるべき事があると、タイサが続ける。

「シュベット達と共に馬車に乗り、王都の冒険者ギルドのオーナーにも同じ事を伝えてくれ。俺の名前とこの集落の事を話に出せば、必ず信じてくれるはずだ」

 王国騎士団と冒険者ギルド。何より王国全体が力を結集しなければ、王国の存亡に関わる。現実を目の当たりにしてきた者達には、それが決して誇張でない事を理解していた。


「しかし隊長。我々はどうやってブレイダスまで向かいますか?」

 馬車で行くにしてもまだ五日以上かかる。しかも一台しかない馬車は、王国騎士団や冒険者達に使わせるならば、我々の移動手段がなくなる。エコーはもっともな疑問を代表するかのように、タイサに尋ねた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ