覚悟の日—参の一
朝っぱらから妹に食事を邪魔され、その後。俺は部屋にこもっていた。
俺は周りの音を全てを遮断し一点を見つめる。
なにをしているかって?当たり前じゃぁないか。夏休み経過15日目くらい。最近の短い夏休みからすると半分少し前くらい。日々の連戦による疲労もあることながら俺は学生なのだ。
そう。学生。
夏休みの宿題という単語を聞いたことないと言ったやつがいるのならそいつ舌を引っこ抜いて自害してやろう。——ってのは冗談だが、俺は夏休みの宿題に手をつけていないのは冗談じゃない。大学進学どころではない。卒業できない可能性が見えてきてしまった。
「うるせぇな。さっさとやれ」
この声音、この口調。
「ショタが何言ってんだ」
これではずしたら赤面ものだが、回る椅子で振り返ると予想通りカメオだ。
別に一段変わったこともなく、いつも.......の?
「おま……は?」
最近見かけなかったからか?いや、一昨日会ってる会ってる。
俺が何に驚いてるかは勿論、このガキの身長が120cm近くだったのが、目算140 cmくらいになっていた。鬼つってたっけ。鬼って成長するのか?そして成長期でもこれは無ぇだろ!
「どうしたんだよお前」
「おれさまか? ちょっと鍛えただけだが?」
「いやどんな体だよ! っていうけど鬼の体なんて
知らない!」
「うるさいなにんげん。ぶっ殺すぞ」
「てめ勝手に入ってきてそれは無ぇだろ」
「ところで」
キレイに俺の布団にダイブして、体勢を直した上で話しかけてくる。
「おれさまののうりょくは気にならないか?」
唐突だな!
カメオの能力......?そういえば俺殴る、飛ぶ、蹴るしか知らないかもしれねない。この際、コイツを探るのも悪く無いか。
「......ないと言ったら嘘になるな」
「じゃ、ひゃくぶんはいっけんにしかずとも言うし
な。『鬼戦場』!」
この感覚は......。あの時の喝。俺を創造世界へと連れ込んだあの技だ。
「俺のばしょへようこそ」
「歓迎される覚えはねぇし、ここで一度俺殺されて
るんだが」
俺が2回目に死んだ場所だ。
あの時はアナがどうにかしてくれたらしいが俺は全然勝てなかった。
「おれさまはここでだけ能力をさいだいげんまでひ
きあげられる」
デモン・ゲートねぇ。カメオの時間って訳だ。
ここには以前と同じく、石が転がっているのと、歪な水平線が見える。
「守っておけ。『高速移動』」
俺はもうすでに守ってるわ『増長』で。お前が部屋に来た時点で怖えんだよ。
そんなことを心の中で言ってると、あいつは俺めがけて走ってくる。単純だなぁ。
5メートル近くに寄ってきたと思うと、急にカメオは消えた。目の前に捉えていたものが唐突になくなった!俺は周りを見渡す。
右!いない。
左!いない。
何が起きたかはさっぱりわからない。
「遅いぞ『高速連打』」
「————!」
後ろに回られていた。
腕で軽くガードをする。一発、俺は少し飛ぶ。痛くは無いが、軽く後退させられた。あいつは地面を蹴り、もう一発。もっと後退させられた。また、一発、一発、一発。おいおい果ての見えないこの世界で強すぎね?てか、痛くなってるんですけど。痛い。もう一発。痛ってぇな!
「遅い遅い!」
死ぬ死ぬ!
コイツ殺す気なのか?
「やめろ!」
「じゃあやめさせてみろ!」
俺の腕は上手く動かない。魔力はまだあるけれど、こうも殴られているとシヴァも展開できない。
「あーもういい!」
腹括って、装具展開——シヴァ!
「来い!」
ダメだコイツ!反応したら余計熱くなってきやがった!でも、シヴァがあれば俺の身体能力は少しあがるんだ!
左腕を盾にしてその一発を受ける。
左腕は使い物にならなくなったが、俺の右腕は最強の腕。
「反撃開始だ!」




