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■第180話:拠点間防衛会議! ……えっ、戦う前に「シャドーITの禁止」と「統合脅威管理(UTM)のデプロイ」の説教ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・第1開発会議室】

「……フィッシング詐欺まで見破られただと……!? あのロジック少年め、どこまでインシデント対応に隙がないのだ!」


神ドラマスは、もはやお馴染みとなった胃薬(ナノマシン配合)を水なしで噛み砕きながら、充血した目でメインモニターを睨みつけていた。


「ドラマス様。対象(ヒナタ少年)が構築したVPNクラスターにより、王都内の3つの拠点(銀行、王宮、天文台)が完全に情報共有を開始しました。彼らは現在、安全なセキュア・トンネル内で『次なる対策』を練っています」


開発主任の天使が、ヒナタのトラフィック解析をしながら報告する。


「フン……。ネットワークを繋いだことが、奴らの命取りになるのだ!」


ドラマスは、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。


「拠点同士を論理的に繋いでも、各コロニーの『物理的な防御力』はバラバラだ! 堅牢な銀行はともかく、王立天文台の扉はただの木製、王宮は広すぎて警備の死角が多い! リッチに命じて、最も防御の薄い『天文台』へトラフィック(ゾンビ)を集中させろ! クラスター化されたネットワークは、最も脆弱なエンドポイント(末端)から崩壊するのだ!!」


【場所:人間界・王都中央銀行(SOC:セキュリティ・オペレーション・センター構築中)】

『……ザザッ。こちら王立天文台! ヒナタ殿、王宮の大神官殿、聞こえるか!』

『こちら王宮。音声、映像ともに極めてクリアだ。VPNの暗号化通信に傍受の痕跡はない』


銀行の地下金庫室に設置されたマルチモニターには、王立天文台の天文学者と、王宮の大神官の顔が、遅延(ラグ)なしの高画質で映し出されていた。


「はい、セッションの安定を確認しました。これより、王都サイバー防衛軍(生存者同盟)の第一回・拠点間セキュリティ戦略会議を開始します」


ヒナタは、艶消しマットの iPad Pro を片手に、最高情報セキュリティ責任者(CISO)としての冷徹な視線で各拠点を見回した。


「まずは、指揮官(C2サーバー)を特定するための『逆探知』に進みたいところですが……その前に、システム全体の『可用性(生存基盤)』を完全に担保する必要があります。現在、各拠点の物理ファイアウォール(防壁)の状況はどうなっていますか?」

『そ、それがヒナタ殿!』


モニターの向こうで、天文台の天文学者が悲痛な声を上げた。


『先ほどから、こちらの天文台へのゾンビの波状攻撃が異常に激化しているのだ! 扉の木枠が限界で、我々は今、本棚や望遠鏡を積み上げて必死にバリケードを作っている状態だ!』

『王宮も同じく、局地的な侵入を許しかけている! 各神官がバラバラに手持ちの机や椅子を並べ、個別に聖水を撒いて防衛しているが、どこまで持つか……!』


大神官も、焦燥しきった顔で報告する。


「ヒナタ殿! 彼らの拠点が危ない! すぐにこの銀行から打って出て、救援に――」


アーサーが大剣に手をかけた、その瞬間。


「ちょっと待って!!!」


ヒナタの、ずさんなセキュリティ管理を完全にデバッグする「凄腕IT監査官(ガチギレ・トーン)」が、VPNを通じて3つの拠点に同時に響き渡った。


『……エッ!?』


モニターの向こうの天文学者と神官、そして銀行内のアーサーまでもがビクッと肩を震わせた。

ヒナタは、鬼の形相でモニターに映る「手作りのバリケード」をビシッと指差した。


「あなたたち!! ネットワークで統合された組織(クラスター)において、各拠点が本棚だの椅子だのという『バラバラの非標準ツール』を使って勝手に防衛(バリケード構築)を行うなんて、セキュリティ・ポリシーの統一を完全に無視した『シャドーIT(システム管理者の管轄外の機器運用)』ですよ!! 組織内で防御レベルの基準(ベースライン)が統一されていないから、最も脆弱なエンドポイント(天文台)が攻撃者に狙われるんでしょうが!!」

「シャ、シャドーIT……!? セキュリティ・ポリシーの不統一……!?」


天文学者と大神官は、自らの決死のバリケード構築を「ただの管理部門の許可を得ていない勝手なツールの持ち込み」としてエンジニアのロジックで論破され、モニターの前で直立不動になった。


「いいですか!! 拠点を繋いだ以上、我々は一つのシステムです!! どこか一つの拠点が物理的にクラッシュ(陥落)すれば、そこからVPNの認証情報を奪われ、ネットワーク全体が崩壊(ラテラル・ムーブメント:横展開)する危険があるんです! 個人レベルの場当たり的な対応(手作りバリケード)は直ちにやめなさい!!」

「今日から、徹底的な『セキュリティ・ポリシーの一元管理』と『シン・統合脅威管理(UTM)プログラム』を行います!!」


ヒナタは、四次元リュックから、「光を反射しない艶消しマットブラック仕上げの、軍用・硬化型スマート・ポリウレタンフォーム(増量版)」と、「エンタープライズ向け・物理侵入検知センサー群」を大量に取り出した。


「ゴズさん! 屋上のメッシュ・ドローン群のペイロード(積載量)を最大にして、この『標準化された物理セキュリティ・パッチ(防壁資材)』を、天文台と王宮の各エンドポイントへ神速でデプロイ(空輸)して! ヴァレリアさん、各拠点にセンサーを設置させたら、私の iPad Pro に統合し、王都全域の物理的な『負荷状況(扉へのダメージ)』を一元監視できる『SOC(セキュリティ・オペレーション・センター)』を構築して!!」

「ブモォッ!(おう! ウチの銀行と同じ『絶対に破られないウレタンの壁』を、全拠点に配備してやるぜ!)」

「ふむ。各砦の防壁の強度を全て同一の『最高水準』に引き上げ、一か所で全砦のダメージを管理する……完璧な城塞ネットワークだな」

「【究極のUTM(統合脅威管理)&シン・エンドポイント・ハードニング(端末の堅牢化)プログラム】です!!」


夜空を縫って、艶消しマットブラックのステルス・ドローン群が、天文台と王宮へと飛び立った。

数分後、各拠点に『標準化された防壁強化キット』が投下され、ヒナタのロジカルなマニュアルに従って、天文台の木の扉も、王宮の隙間だらけの門も、すべて銀行と同じ「1ミクロンの隙間もない、コンクリート以上の強度を持つ漆黒のウレタン防壁」へと完璧に強化(ハードニング)された。


そして、ヒナタの iPad Pro の画面には、3つの拠点の物理センサーから送られてくる「扉の強度、外部からの圧力、侵入の試行回数」が、美しい緑色のダッシュボードとして一元表示(SOC統合)された。


『おおっ……!? な、なんだこれは……! ゾンビの波状攻撃を受けても、この漆黒の壁はビクともしない……! しかも、ただのバリケードではなく、壁へのダメージや圧力がすべてヒナタ殿の端末(SOC)にリアルタイムで共有され、監視されている……!』


天文台の天文学者が、完璧に強化されたエンドポイント(扉)を撫でながら震える声で歓喜した。


「はい! これで全拠点のセキュリティ・ベースラインが統一(ハードニング)されました!」


ヒナタは、CISOとして各拠点に力強く宣言した。


「これより、王都サイバー防衛軍における『シャドーIT(勝手な防衛設備の持ち込み)』を全面的に禁じます! 全ての物理的・論理的防御は、このSOC(中央銀行)から配信される統一ポリシーに従って運用しなさい! どんな局地的なDDoS攻撃(ゾンビの群れ)が来ても、我々の統合脅威管理(UTM)環境は決して崩れません!!」

『……っ!! こ、これだ……!! 拠点ごとに本棚や机でバラバラの防御(シャドーIT)をして各個撃破されるのではなく、この完璧な iOS エコシステムと軍用資材によって、全拠点を同一の強固なポリシーで統合管理(UTM化)する……!! これこそが、大規模ネットワークにおける究極のエンドポイント防衛……!! もう、勝手なバリケード作り(ポリシー違反)はしない……!!』


各拠点の生存者たちは、エンタープライズ向けの統合管理がもたらす圧倒的な堅牢さに感動し、手作りのバリケード(非標準ツール)を速やかに破棄して、ヒナタのSOC監視下での完璧な籠城運用へと移行した。


数時間後。

そこには、木枠の扉に本棚を積んで怯え、局地的な攻撃でクラッシュ寸前になるレガシーな生存者たちの姿はなかった。


ヒナタが構築したSOC(セキュリティ・オペレーション・センター)の監視下で、艶消しマットの統一物理防壁(UTM)に守られ、一寸の隙もない「王都認定・特級ハードニング済みエンドポイント群」として、数万のアンデッドの攻撃を涼しい顔で弾き返し続ける、極めてロジカルな防衛要塞の姿があった。


【場所:天界・第1開発会議室】

『…………』


神ドラマスは、手に持っていた「一点突破でネットワークを瓦解させる戦術書」を無言で真っ二つに引き裂いた。


『天文台へのゾンビの集中攻撃が……「弱いエンドポイントを狙う常套手段」と指摘され、軍用ウレタンの空輸で完全に防御された……』

『各拠点の決死のバリケード構築は「ポリシーを無視したシャドーIT」と怒られ、UTM(統合脅威管理)とSOC(監視センター)の構築によって全拠点の防御レベルを統一されてしまった……』


ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「拠点ごとの防御力の差を突く」という戦争の基本戦術すら「セキュリティ・ポリシーの不統一とエンドポイント管理の甘さ」として凄腕SEの少年に論破され、組織全体の防御力を最高レベルに引き上げられたことに完全降伏し、通販サイトで「エンタープライズ向け・統合脅威管理(UTM)アプライアンス」と「SOC構築・運用ガイドライン」を即座にポチり、自らの神殿のすべてのサーバーラックを、一切のシャドーITを許容しない完璧な一元管理環境へとアップデートするための終わらない設定作業(デスマーチ)に戻るのだった。

(第180話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援(トラフィック)が、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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