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■第146話:山を巻く大怪蟲・百足(むかで)! ……えっ、山を砕く前に「歩行システムのバグ」と「足底腱膜炎」の説教ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……スゥ〜、ハァ〜。完璧な室温、完璧な湿度、そしてダニ一つない清潔な環境。私の神殿は今、究極のエルゴノミクス空間として完成したぞ」


神ドラマスは、布団被せのエピソードから導入した徹底的な睡眠衛生スリープ・ハイジーンと環境管理により、かつてないほど清々しい顔でモニターを見下ろしていた。

画面の中では、ヒナタたちが巨大な岩山(三上山のような名峰)の麓を歩いているところだった。


「ほう! 『う段』の第7弾、『む』の刺客だな! その名は山を巻く巨大生物、百足むかで!」


ドラマスは、艶消しマットのマグカップを優雅に傾けた。


「山を何重にも巻き込むほどの超巨体と、無数の足を蠢かせて大地を砕く圧倒的な物理的暴力! スケールが大きすぎて剣も魔法も通用しないこの歩く大災害に、ヒナタのロジックはどう立ち向かうのだ!?」


【場所:人間界・巨大な岩山の麓】

「う〜ん、この山は岩肌がゴツゴツしていて、歩くのに足首の関節を使いますねぇ」


ヒナタは、四次元リュックを背負い、衝撃吸収性の高いトレッキングシューズでしっかりと地面を踏みしめていた。

ゴゴゴゴゴゴッ……!!


「ゆ、勇者殿……! 山の上が、いや、山そのものが動いているような地響きが……!!」


宰相セバスチャンが、震える杖で頭上の山肌を指差した。


『……ギチギチギチッ!!』

山の木々をなぎ倒し、岩肌を削りながら現れたのは、山を何周もグルグルと巻き込めるほど巨大な「大百足おおむかで」であった。


「ひぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! 巨大な百足ですぞォォッ!! あの無数の足で踏み潰されたら、我々など一たまりもありません!!」


セバスチャンが悲鳴を上げて岩陰に這いつくばる。


『グルルルッ!! 我はこの山の主!! 100本の足で貴様らを微塵に踏み砕いてくれるわァァッ!!』


大百足が、無数の足を不気味にワサワサと動かしながら、巨大な顎を開いてヒナタたちに突進してこようとした、その瞬間。


「ちょっと待って!!!」


ヒナタの、地響きを完全にシャットアウトする「整形外科医&ロボティクス・エンジニア(ガチギレ・トーン)」が岩山に響き渡った。


『……エッ?』


百足は、無数の足を浮かせたまま、不自然な体勢でピタリと固まった。

ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、鬼の形相で百足の「バラバラに動いている無数の足」をビシッと指差した。


「あなた!! 100本もの足を独立して動かしているのに、歩行リズムを同期させる『中央制御システム(セントラルOS)』が全く機能していないじゃないですか!! 左右の足の接地タイミングがバラバラなせいで、脳の運動野が極度な『情報処理落ち(ラグ)』を起こしています!! さっきから動きがカクカクして山を崩しているのは、巨体の威圧感じゃなくて、ただの『モーターコントロールの破綻バグ』ですよ!!」

『も、モーターコントロールの破綻……!? 情報処理落ち……!?』


百足は、自慢の圧倒的な突進を「ただの歩行プログラムの同期エラー」としてロボット工学的に詰められ、巨大な触覚をワナワナと震わせた。


「大体、その素足での山登り!!」


ヒナタは今度、百足が踏みつけている鋭い岩肌を指差した。


「自分のその巨大な体重を支えながら、クッション性の全くない素足で鋭い岩を何万歩も踏みつけ続けるなんて、100本すべての足に強烈な『足底腱膜炎そくていけんまくえん』と『疲労骨折』を引き起こす、最悪のフットウェア環境(安全衛生違反)です!! バイオメカニクス(生体力学)と足元へのリスペクトを完全に無視しています!! だから足が痛くて真っ直ぐ進めないんですよ!!」

『そ、足底腱膜炎……!? 疲労骨折……!? いや、我は山を砕く大怪蟲で……』


百足は、自らの恐怖の進撃を「ただの足の裏の激痛による歩行障害」として完膚なきまでに全否定され、100本の足を痛そうにさすり始めた。


「今日から、徹底的な『歩行位相の同期キャリブレーション』と『シン・バイオメカニクスによる足裏保護プログラム』を行います!!」


ヒナタは、四次元リュックから、「左右の接地バランスをリアルタイム補正する、AI搭載・歩行同期スマートアンクレット」「艶消しマット仕上げの、超厚底・衝撃吸収トレイルランニングシューズ(100足分)」を取り出した。


「ゴズさん、百足さんが暴れないように頭と尻尾をガッチリとホールドして! ヴァレリアさん、この100足のシューズとアンクレットを、全自動の機械すら凌駕する神速ですべての足に履かせて!!」

「ブモォッ!(おう! 足の裏の痛みは俺もよく分かるぜ! ちゃんと靴を履け!)」

「ふむ。この無数の足に、一瞬で100の靴を履かせ、固定する……千手観音もかくやという、神速の足捌き(フットワーク)の修練だな」

『ナ、何ヲ……!? 我ノ恐ロシイ進撃ガ……!』

「【究極のフットケア&シン・同期歩行(セントラルOS)プログラム】です!!」


ヴァレリアの神速の剣技……もとい「靴履かせ技」により、百足の100本の足には、山の過酷な環境に耐えうる「艶消しマットの超厚底トレイルシューズ」が完璧に装着され、足首には「AIスマートアンクレット」が巻かれた。


『おおっ……!? な、なんだこれは……! 超厚底のクッションが岩の衝撃をすべて吸収し、割れるように痛かった足裏(足底腱膜炎)の痛みが完全に消え去った……! しかも、アンクレットのAIが100本の足の着地タイミングを完璧に同期キャリブレーションしてくれるおかげで、脳の処理落ちが消え、信じられないほど滑らかに、かつ爆速で前進できるぞ……!!』

「はい! 歩行システムが最適化されたら、これからは山を崩して人を襲うのではなく、その圧倒的な積載量と悪路走破性を活かして、山の物流を支えなさい!」


ヒナタの的確なデバッグと装備の提供により、百足の巨大な身体は、一切の無駄な揺れがない「究極の直進安定性」を手に入れた。


数日後。

そこには、山を削りながらカクカクと不気味に動き回る大怪蟲の姿はなかった。


艶消しマットのトレイルシューズ(100足)をクールに履きこなし、AIの同期システムによって新幹線のように滑らかに山々を駆け抜け、王国の物資をどんな険しい山奥へも爆速で届ける「王都認定・超巨大・多脚型スマート・ロジスティクス(百足エクスプレス)」として、人々から頼りにされる巨大な運び屋の姿があった。


『シュウゥゥゥッ!(AI同期率100%! 足裏への衝撃ゼロ! 王都から北の砦まで、山越えの最短ルートで爆速配達するぜ!!)』


元・百足は、一切の処理落ちも足の痛みもなく、完璧なバイオメカニクスで王国の物流を根底から支えていた。


「……ゆ、勇者殿。山を砕く大怪蟲が……『足底腱膜炎を完治させ、AI同期で滑らかに走る超有能な多脚型・山岳エクスプレス』になってしまいましたぞ……」


セバスチャンは、百足の背中に大量の救援物資を積み込みながら、その全く揺れない極上の乗り心地と安定感に感涙していた。


【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、自分の足元にあった硬いサンダルを無言でゴミ箱に捨てた。


『大百足が……「100本の足の同期不良(情報処理落ち)」と指摘され、AIアンクレットを装着された……』

『素足での山登りは「足底腱膜炎とバイオメカニクスの無視」と怒られ、超厚底トレイルシューズを与えられて爆速の山岳物流システムになった……』


ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「圧倒的な巨体による物理攻撃」すら「歩行システムのバグと安全靴の未着用」としてエンジニアのロジックで完璧にデバッグしてしまうヒナタに完全降伏し、通販サイトで「自分用の超厚底・衝撃吸収ランニングシューズ」と「歩行解析用スマートインソール」をポチり、自らの神殿内の移動においても、足裏への負担ゼロと究極の歩行効率を追求することを固く誓うのだった。

(第146話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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