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■第144話:歩く肉の塊・ぬっぺっぽう! ……えっ、脅かす前に「極度のメタボ」と「皮脂の酸化(体臭)」の説教ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……ん? ぬらりひょんは総大将だから、最後の方に取っておくべきだと!?」


神ドラマスは、自らのキャスティングのミス(シークエンス・ブレイク)に気づき、慌てて承認印を押した書類を破り捨てた。


「いかんいかん! RPGで言えば、中盤のダンジョンにいきなり魔王を出現させるようなものだった! 総大将はグランドフィナーレのために温存し、ここは別の『ぬ』の妖怪を召喚するのだ!!」


神ドラマスがエンターキーをターン!と叩くと、モニターの標的が切り替わった。


「『ぬ』から始まる新たな刺客、肉のバケモノ・ぬっぺっぽうだ! 廃寺や墓場を徘徊し、顔の区別もつかないほどブヨブヨにたるんだ肉の塊! そして周囲に『死肉のような強烈な悪臭』を撒き散らすという、視覚と嗅覚に対する最悪のバイオハザード! この不気味な肉塊に、ヒナタのロジックはどう立ち向かうのだ!?」


【場所:人間界・夜の朽ち果てた廃寺】

「う〜ん、この廃寺は風通しが悪くて、なんだか空気が淀んでいますねぇ」


ヒナタは、四次元リュックを背負い、ランタンで周囲を照らしながら歩いていた。


「ゆ、勇者殿……! なんだか前方の物陰から、とてつもなく嫌な臭いが……。ウップ、鼻が曲がりそうですぞ……!!」


宰相セバスチャンが、鼻をつまんでえずきながら後ずさった。


『……デロン。ブチャッ……』


暗がりから這い出してきたのは、手足の境界線すら分からないほどブヨブヨに肥え太り、顔のパーツも脂肪に埋もれてのっぺらぼうになった、巨大な「肉の塊」――ぬっぺっぽうであった。


「ひぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! 歩く肉塊ですぞォォッ!! しかも臭い!!」


セバスチャンが悲鳴を上げて呼吸を止める。


『ドゥフフフ……。俺ハ……ぬっぺっぽう……。この不気味な肉体と、死肉のような悪臭で、お前たちを恐怖のどん底に……』


ぬっぺっぽうが、ドロドロの肉を揺らしながらヒナタたちに迫ろうとした、その瞬間。


「ちょっと待って!!!」


ヒナタの、廃寺の悪臭を完全に浄化する「パーソナルトレーナー&美容皮膚科医ガチギレ・トーン」が響き渡った。


『……エッ?』


ぬっぺっぽうは、肉を揺らすのをやめてピタリと固まった。

ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、鬼の形相でぬっぺっぽうの「ブヨブヨの体」をビシッと指差した。


「あなた!! 顔のパーツが脂肪で埋もれて見えなくなるなんて、BMI(体格指数)が測定不能レベルの『極度のメタボリックシンドローム(内臓脂肪・皮下脂肪の異常蓄積)』じゃないですか!! 関節にどれだけ負担がかかっていると思ってるんですか!? カロリー制限と有酸素運動のルーティンが完全に欠落した、自己管理の崩壊です!!」

『メ、メタボリックシンドローム……!? 自己管理の崩壊……!?』


ぬっぺっぽうは、自慢の不気味な肉塊フォルムを「ただの暴飲暴食と運動不足の末路」として医学的に詰められ、脂肪に埋もれた目をパチクリとさせた。


「大体、その耐え難い悪臭!!」


ヒナタは今度、自分の鼻をつまみながら、ぬっぺっぽうのたるんだ皮膚を指差した。


「死肉の臭いとか言ってますけど、それはただ『蓄積した老廃物(汗と皮脂)』が皮膚のたるみの間で常在菌によって分解され、強烈に酸化して発生している『重度のミドル脂臭(あるいは加齢臭)』です!! 毎日のお風呂で適切に角質と皮脂汚れを落としていない『スキンケアの怠慢』が原因ですよ!! 妖怪のオーラでもなんでもない、ただの不潔です!!」

『ミ、ミドル脂臭……!? スキンケアの怠慢……!? いや、俺は人を怖がらせる妖怪で……』


ぬっぺっぽうは、自らの恐怖の悪臭を「ただのお風呂に入っていない不潔なオジサンの臭い」として全否定され、ブヨブヨの体を恥ずかしそうに縮こまらせた。


「今日から、徹底的な『皮脂汚れのディープクレンジング』と『高タンパク・低脂質のボディメイク・プログラム』を行います!!」


ヒナタは、四次元リュックから、「艶消しマットブラックのパッケージに入った、超吸着・薬用炭酸ボディスクラブ」「高純度ホエイプロテイン(WPI)」、そして「スマートフォンと同期する、最新型の体組成計スマートスケール」を取り出した。


「ゴズさん、ぬっぺっぽうさんを井戸のそばに連れて行って、そのボディスクラブでたるみの間の皮脂汚れを完璧に洗い流して! ヴァレリアさん、このプロテインを冷たい水でダマにならないようにシェイクして!!」

「ブモォッ!(おう! 臭いままじゃ周りも迷惑だからな! ゴシゴシ洗ってやるぜ!)」

「ふむ。この脂肪の奥深くに詰まった汚れを的確に削り落とす……剣の研磨と同じ集中力が要るな」

「【究極のディープクレンジング&シン・肉体改造(ライ〇ップ)プログラム】です!!」


ヒナタたちの手により、ぬっぺっぽうは全身を「マットブラックの薬用炭酸ボディスクラブ」で徹底的に磨き上げられ、古い角質と酸化した皮脂が完全に除去された。


『おおっ……!? な、なんだこれは……! 炭酸の泡とスクラブが毛穴の奥まで入り込み、こびりついていた嫌な臭いがスゥーッと消え去っていく……! 肌が信じられないほどスベスベだ……!!』

「はい! 臭いが消えたら、次は肉体改造です! スマートスケールで毎日の体脂肪率をトラッキングしながら、筋トレと有酸素運動を始めますよ!」


ヒナタは、プロテインを飲ませたぬっぺっぽうに、地獄のスクワットと腕立て伏せを指導した。


数ヶ月後。

そこには、廃寺で悪臭を放ちながら這いずるブヨブヨの肉塊妖怪の姿はなかった。


余分な脂肪を完全に削ぎ落とし、彫刻のように美しくカットの入った大胸筋とシックスパックを誇り、全身から爽やかなシトラスの香りを漂わせる**「王都認定・カリスマ・パーソナルトレーナー(兼・ボディビル・チャンピオン)」**として、王都のジムで熱血指導を行うマッチョなイケメンの姿があった(脂肪が落ちたことで、端正な顔立ちが復活していた)。


『ハイ、あと3回スクワット! 筋肉は裏切らない! 汗をかいたら、炭酸スクラブでしっかり皮脂を落とすんだぜ!』


元・ぬっぺっぽうは、一切の悪臭を放つことなく、爽やかな笑顔で人々の健康を導いていた。


「……ゆ、勇者殿。悪臭を放つ肉塊妖怪が……『ディープクレンジングで体臭を消し、筋トレでシックスパックを手に入れたカリスマトレーナー』になってしまいましたぞ……」


セバスチャンは、彼から渡された高純度プロテインを飲みながら、自分のたるんだお腹も引き締めようと決意していた。


【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、自分のデスクの横にあったお菓子の箱を、無言でゴミ箱に捨てた。


『ぬっぺっぽうが……「極度のメタボリックシンドローム」と指摘され、スマートスケールに乗せられた……』

『死肉の悪臭は「皮脂の酸化と不潔」と怒られ、マットブラックのボディスクラブで洗われてマッチョなトレーナーになった……』


ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「不気味な肉塊の妖怪」すら「BMIの異常とボディケア不足」としてパーソナルトレーナーのロジックで肉体改造してしまうヒナタに完全降伏し、通販サイトで「薬用炭酸ボディスクラブ」と「スマホ連動型の最新体組成計」をポチり、自らの神殿での生活から一切のメタボと老廃物を排除することを固く誓うのだった。

(真・第144話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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