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■第123話:疫病退散のアマビエ! ……えっ、絵を見せる前に「エビデンスの提示」と「手洗い・うがいの徹底」ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……フンッ、フンッ。うむ、プロテインとダンベルのおかげで、私の大胸筋も確実にパンプアップしてきているな」


神ドラマスは、骨女のエピソードから導入した筋トレセットで汗を流し、すっかり健康的な神へと仕上がっていた。

画面の中では、ヒナタたちが夜の静かな海辺の村を歩いているところだった。


「ほう! ここから『五十音順』に怪異を退治していくという新たなルールが発動したようだな!」


ドラマスは、ダンベルを置いてプロテインをゴクリと飲んだ。


「その第一の刺客は『あ』から始まる妖怪、アマビエか! 海から現れ、豊作と疫病を予言し『私の姿を写して人々に見せよ』と言い残す神秘の存在! 物理的な危害は加えてこないが、この超常的でスピリチュアルな信仰心に対して、ヒナタはどう出るというのだ!?」


【場所:人間界・夜の海辺の村】

「う〜ん、夜の海風はミネラルたっぷりで気持ちいいですねぇ」


ヒナタは、波打ち際で深呼吸をしていた。


ザバーーーン……!!

突如、海面が青白く発光し、波の中から奇妙な姿の生き物が現れた。

長い髪、鳥のようなクチバシ、そして3本のヒレを持ち、全身がウロコで覆われた妖怪――アマビエである。


「ひぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! 海から得体の知れない化け物が!!」


セバスチャンが悲鳴を上げて後ずさる。


『……我は海中に住むアマビエと申す者なり……』


アマビエは、厳かな声で予言を始めた。


『これから6年の間は諸国で豊作が続くが……同時に疫病も流行するであろう。早々に我が姿を絵に描き写し、人々に見せよ。さすれば疫病は退散する……』


神秘的な光を放ちながら、村人たちに「絵」による救済を説こうとした、その瞬間。


「ちょっと待って!!!」


ヒナタの、波の音を完全に論破する「公衆衛生局&感染症対策専門家ガチギレ・トーン」が海岸に響き渡った。


『……エッ?』


アマビエは、光を放ったままクチバシを半開きにして固まった。

ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、鬼の形相でアマビエをビシッと指差した。


「あなた!! 『絵を見せれば疫病が治る』!? そんな科学的エビデンス(根拠)が全くない民間療法デマを流布して、パンデミック時の公衆衛生を混乱させるなんて正気の沙汰ですか!! 人々が絵の効果を信じ込んで感染対策を怠ったら、医療崩壊を引き起こしますよ!!」

『え、エビデンス……!? 医療崩壊……!? いや、私はただ人々を救おうと……』


アマビエは、良かれと思ってやった予言を「最悪のフェイクニュース」として詰められ、3本の足をワナワナと震わせた。


「大体、その3本の足!!」


ヒナタは、波打ち際に立つアマビエの不自然な足元を指差した。


「三脚は一見安定するように見えますが、生体力学的に歩行時の重心移動がめちゃくちゃ難しくて、転倒リスクが高いじゃないですか!! しかも、そんな薄着ウロコだけで夜の冷たい海水に浸かっていたら、深部体温が低下してあなた自身の免疫力が落ちますよ!! 疫病を防ぐ前に自分が風邪を引いてどうするんですか!!」

『て、転倒リスク……!? 免疫力の低下……!?』


アマビエは、自分の神秘的な姿を「ただの歩きにくい冷え性ボディ」として解体され、クチバシからポロリと涙をこぼした。


「今日から、徹底的な『科学的感染対策』と『公衆衛生の啓蒙活動』を行います!!」


ヒナタは、四次元リュックから、「医療用・薬用アルコール手指消毒液(特大ポンプ)」「N95規格・高性能マスク(大量)」「正しい手洗い・うがい手順のポスター」、そして「保温性抜群のウェットスーツ」を取り出した。


「ゴズさん、アマビエさんが転ばないように肩を貸して陸に上げて! ヴァレリアさん、村人全員にマスクを配布して!!」

「ブモォッ!(おう! ウイルスは気合いじゃ防げねぇからな! 手洗いだ!)」

「ふむ。見えないウイルスとの戦い……物理的な防御マスクが最大の盾となるな」

『ナ、何ヲ……!? 私ノ神秘的ナ絵ガ……!』

「【究極のパンデミック防衛&エビデンス・ベースド・公衆衛生プログラム】です!!」


ヒナタたちの手により、アマビエは温かいウェットスーツを着せられ、そのヒレには「絵」ではなく「薬用アルコール消毒液」がガッチリと握らされた。


『おおっ……!? ウェットスーツのおかげで、海風に吹かれても全く寒くない! そしてこのアルコール液……手に擦り込むと、見えない雑菌が根こそぎ揮発して消滅していくのがわかるぞ……! これが……科学のエビデンス……!!』

「いいですか! 疫病を防ぐのは絵ではありません! 『物理的なウイルスの遮断』と『手洗い・うがいによる衛生管理』、そして『十分な睡眠と栄養による自己免疫力の向上』です!! あなたもそのクチバシにしっかりマスクを着けてください!!」


ヒナタが、アマビエのクチバシに合わせて特注加工したN95マスクをカポッと装着させる。


『フシュゥゥ……! 息苦しいが、これなら飛沫感染を完全に防げる! 絵を見せるより遥かに論理的で確実な防衛策だ……!』


アマビエは、科学の圧倒的な説得力に心底感銘を受け、深く頷いた。


数日後。

そこには、夜の海で怪しげな予言を残すスピリチュアルな妖怪の姿はなかった。


ウェットスーツを着こなし、N95マスクをバッチリ装着して、村の子供たちに「正しい手洗い歌」を踊りながら教える、「王都認定・公衆衛生・感染症対策の公式アンバサダー(アマビエ指導員)」の姿があった。


『はい、みんな! 手のひら、手の甲、指の間もしっかりゴシゴシするビエ! 絵を描く暇があったら、まずはうがいをするビエ!!』


アマビエ指導員は、アルコール消毒液のポンプをシュコシュコと押しなら、子供たちの衛生観念を飛躍的に向上させていた。


「……ゆ、勇者殿。疫病退散の予言獣が……『エビデンスを重んじ、アルコール消毒を徹底する公衆衛生アンバサダー』になってしまいましたぞ……」


セバスチャンは、ピカピカに消毒された手を見つめながら、王国全土にこの「アマビエ式・手洗いポスター」を配布しようと決意していた。


【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、ダンベルを静かに床に置いた。


『アマビエが……「絵で疫病が治るか(デマの流布)」と怒られ、エビデンスの欠如を指摘された……』

『3本足は転倒リスクが高いと怒られ、マスクと消毒液を持たされて手洗い指導員になった……』


ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「神頼みやスピリチュアルな信仰」すら「非科学的な民間療法と公衆衛生の敵」として物理的に論破してしまうヒナタに完全降伏し、通販サイトで「非接触型・自動アルコールディスペンサー」と「空気清浄機(ウイルス除去機能付き)」をポチり、自らの神殿の感染症対策を最高レベルに引き上げることを固く誓うのだった。

(第123話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


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