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異世界転生したら、世界の敵になりました。【続】  作者: 篠原 凛翔
【第1部】 うつろう世界

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【1-10-1】 宿命

 気がついたら季節は冬の時期に入っていました。街行き人々の装いも重たい衣服に変わりました。


 私達といえば特に何も変わり栄えはしません。冒険者のクエストを受けてはその対応をし、時間ができればお出かけに行ったり美味しいものを食べたりです。


 マーニャさんへの借金は順調に返済しているようでした。以前よりも高ランクのクエストを受けられる事になり報酬も上がったので、余裕も出てきたみたいです。


 リムさんと二人、約束した通りののんびりな生活です。私も今の生活に不満は無くて、むしろ出来すぎているんじゃないかと思うくらいです。でもきっとこんな生活がいつまでも続いていくんだと、そうと思っていました。



 ――神様、私は何か悪い事をしましたか? あなたの教えに反したのでしょうか? そうでなければ、どうしてこんなにも残酷な事を強いるのですか?



 その日は殊更に冷える日でした。その寒さから外にはチラホラと雪が見えます。私達はマーニャさんに呼ばれギルドへと赴いていました。現れた私達を見てマーニャさんは世間話もそこそこに本題へと移りました。


「ガーゴイルの討伐?」


 話を聞いたリムさんが早速反応を返します。今回私達に出したいクエストというのは討伐のクエストで、標的はガーゴイルだそうでした。


「ええ。どうやらまた手強いらしくてですね。貴方にお鉢が回ってきたんですわ」


 ガーゴイルといえば相当に上位のモンスターのはずです。一匹のガーゴイルに村一つが滅ぼされるなんてこともあるとかないとか。

 

 ただリムさんからすれば敵にもならないんでしょうし、さらっと受けちゃうんでしょう? という私の予想に反して、リムさんは意外にも難色を示していました。


「……パスで」


 その言葉にビックリしてしまいます。確かに危険なクエストでしょうが相応の報酬も貰えるはずです。いつものリムさんなら即座に受けているはずなのですが。ただマーニャさんはまるで予想していたかのように冷静でした。


「……わざわざ貴方を呼び出したって事を理解して欲しいところなんですけどね?」


『分かってるよ。でも無理なもんは無理』とリムさんは頑なに受けようとしません。いつもと違う様子に少しだけ戸惑ってしまいます。


「ここ最近、討伐クエストやら避けてはりますよね? なんか心境の変化でもあったんですか?」


 え、そんなこと初耳なのですが。リムさんの方を見ようとしたらジロリとリムさんがマーニャさんを睨んでいました。


「……気のせいじゃない?」


 あからさまな態度ではありますがそれでも否定する姿勢は崩しません。それを見てマーニャさんはこれ見よがしにため息を吐きました。


「せっかくランクも上がってこれからっちゅう時に、仕事を減らし始めるとか勘弁してくださいよ……」


 ジト目で責めるようにマーニャさんがリムさんを見返しています。


「とにかくこのクエストは受けてください。でないと、こっちも困るんです」

「……困るってのは?」

「そら言えません。企業秘密ってやつですから」


『さっさと行ってサクッと倒してきてください』と言われ、私達は部屋を押し出されます。リムさんがどんなに抵抗しようとしても取り付く島も無しでした。


『リーザちゃんは堪忍なー。今度美味しいお菓子用意しとくー』なんて言っていたので私からすればラッキーなので問題無しです。


 ただ気がかりだったことは、リムさんがなんでガーゴイルの討伐クエストを嫌がっていたのか、そして最近はなんで危険なクエストを避けていたのかです。


 もしかしなくてもやっぱり私のせいなのでしょうか? 私が足手纏いだから危険なクエストを受ける事を避けていたとか。


 魔法の練習はあれからもずっと続けています。ただあの時はジーさんの魔素を分け与えて貰っていたので魔法の形になっていましたが、やっぱり自分の力だけではダメみたいでした。氷の礫を出す事すら満足に出来ません。


 ジーさんも私には戦いに使えるほどの魔素が無い、と仰っていましたがやっぱりそうなのでしょう。もし本気で魔法を使うのであれば、それは本当の意味で私の命を代償にして、ということになると理解しました。 


 それを受けてか分かりませんが、リムさんが危険なクエストを避けているのかもしれません。


「ちぇー。今回ばかりは仕方ないか」 


 リムさんが内心どのような想いを持っているのかは分かりません。ただいずれにせよ今回のクエストは受けぜるを得ないみたいてす。……本人はやっぱり嫌そうですが。


「じゃリーザ、さくっと倒してさくっと帰るよ」


 リムさんの言葉に頷きます。私はリムさんに色々な気苦労をさせことを内心申し訳なく思いながらも、久方ぶりの遠出に内心ウキウキとしている私がいました。

 

 それからは遠出の準備をほどほどに私達はバルディアを発ちます。向かうはここからずっと北、ディーヴァヌ山脈の中腹でした。


最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

この物語が、ほんの少しでも心に残ったなら――

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(……でないと、力尽きるかもしれません)


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