↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたりで灯す、やさしさのかたち  作者: 流浪の旅人
第2章 ふたりで、ゆっくり歩き出す — “やってみたい”が、芽吹いた日
PR
21/114

9.推しの輪郭 ― 自分だけの“なってみたい”が動き出す

夜。

部屋の明かりを少し落として、尚人は机に向かっていた。


画面には、お気に入りのコスプレイヤーたちが並ぶSNSのタイムライン。

その中でも――目が止まったのは、ひとりのキャラクター。


銀髪の中性的な少年キャラ。

クールだけど、時折見せるやわらかい笑顔が印象的。

細身のシルエット。制服のようなシンプルな衣装。


(この子……やっぱ、好きだな)


ずっと前から好きだったキャラ。

でも最近は、どこか――「この子になれたら、どんな気持ちだろう」って、

そんなふうに思うようになっていた。


尚人は、紙のノートを開いて、ページの中央にキャラクターの名前を書いた。


【コスプレ研究ノート】

キャラ名:***

髪型:銀のショート/前髪やや斜め/襟足軽め

メイク:目元はスッとシャープ/リップは控えめ

衣装:ジャケット×シャツ/ネクタイあり

ポイント:姿勢はやや猫背、でも立ち姿に品がある


(……姉ちゃんみたいに、キャラを“生きる”ってこと、少し分かった気がする)


尚人は、YouTubeでメイク動画を再生しながら、

自分の目元に合うラインの入れ方や、

ウィッグの扱い方をメモし始めた。


SNSでRINA_cosの投稿も、改めて見返す。


「このキャラ、ずっと演じてみたくて、

心の中で何度も練習してたんです」


その一文に、尚人はふとペンを止める。


(俺も……心の中では、ずっと練習してたのかもしれない)


スマホのメモアプリには、新しいメモが追加された。


【自分なりの“なってみたい”】

・このキャラで初コスしたい

・ウィッグ&制服、探してみよう

・動き方・セリフ、真似してみたい

・まだ姉には言わない

→でも、見せても恥ずかしくないものにしたい


尚人の中で、

“見ているだけ”だったコスプレが、

“やってみたい”、そして――“やってみよう”に、

確かに姿を変えはじめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。