お前を見ている奴がそこに居るぞ
2日連チャンの金縛り。
何が楽しいのか知らないが、
起きてるのか寝てるのか分からない俺の身体は、
ベッドの上で横になって閉じた目蓋の中から見ている、
目が見えているだろうそのままの景色を映し出す。
俺は起き上がろうと身体をどうにかして動かす。
上体を起こす事は出来ないから、
横へと転がる様に身体を捻って踠く。
けれど、動かない。
何とか動こうとしていると、
上半身はベッドにくっついたまま、
空気の入った空気人形の様に立てた。
振り返ると、俺はそこに横になっていた。
「どーゆー事。?」
恐怖とかは感じなかった。
そうして、気付いたらまたベッドの上。
「何なんだ、これは、」
すると左耳の上の方から声がした。
『オマエヲミテイルヤツガソコニイルゾ』
ふと入り口の方へ視線を向けると、
男が立っていた。
服は、クリーム色っぽい厚手のを着ていた。
角度的に顔は見えなかった。
『オマエヲミテイルヤツガソコニイルゾ』
「うるせぇな!」
俺は知らないその声にそう言った。
「てか、誰だよお前?」
目に見える範囲には誰も居なかった。
「もしかして、アイツのせいで俺こうなってる?」
何と無く、そんな感じがした。
『アァ。』
今思えば、見知らぬ声と会話が出来た。
「ふ、ざけんなよ。」
俺は身体を再び起こそうとする。
『ドウスルンダ?』
声は問う。
「ブッ殺す」
『フフフフフ』
声は笑った。
再び上半身はベッドにくっついたまま、
空気の入った空気人形の様に立つ。
"振り返ると、また始めからになる"
そんな気がしたから振り返らずに何とか足を動かし。
この状況を創っている奴の元へと向かう。
今の俺の身体は、
横になっている俺の身体に引っ張られていた。
俺は声にならない声を出す。
「ん、っぐっ、ん、。ぅっんぐっ!」
この変な声を聞いて再び声は嘲笑った。
『フフフフフ』
「うっせえ!」
1回目よりも2回目の方が大変だった。
今思い出せば、声は悪い感じはしなかった。
ようやく男の居た方へ顔を向けると、
立っていたハズの男は居なくなっていた。
「ちきしょう!」
他の所に行ったのか。
視線をキョロキョロとさせると、
俺はまたベッドの上に居た。




