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愛をつらぬいたわけじゃない

作者:此道一歩
 中田亜紀は、大学三年の夏、体調を崩して静岡の実家に帰っていた。
 その一週間後、親友から恋人の青山信一が交通事故で亡くなったという連絡を受けた彼女は、何とか最期のお別れをしたいと思ったが、とても起き上がることができず、ベッドの上で彼の冥福を祈った。
 悲しさはあったが、決して死ぬほど愛していた訳ではなかった。強引な彼に根負けして付き合い始めたものの、お金があれば何でもできると思っていたような人だったから、彼女が彼を叱ることは一度や二度ではなかった。
 あることを機に、一度だけベッドを共にした彼女は、社会を知らない彼に、色々なことを教えることに疲れ始めていたこともあって、身体を許した結果、彼が去って行っても、それはそれでいいと思っていた。
 しかし、彼はますます亜紀に寄り添うようになり、一度両親に会って欲しいとまで言うようになっていた。
 だが、その彼が亡くなってしまい、
( 元気になったら、せめてお参りだけは行って上げよう…… )
 彼女はそう思っていたのだが、一ヶ月後、妊娠していることを知って愕然とした。
 彼女は、シングルマザーではあったが市役所に勤め、息子と二人懸命に生きようとしていた。
 しかし、彼女は市議会議員となった滝宮一典に言い寄られ困惑していた。
 彼は、高校時代から彼女に恋い焦がれていた男で、あの手この手を使って亜紀に言い寄るが、相手にされないことに腹を立てた彼は人の道を踏み外し、信也が市長の子どもであるという噂まで流し始めた。

 一方、息子の信也は、父親のことを知らされず成長し、高校3年となった彼は、伯母から唯一教えられた父親の出身大学である東栄大学の受験を決意する。
 息子とともに上京した亜紀は、受験を終えた日、彼を伴い亡き青山信一の実家を訪れる。
信一の父は、青山グループの社長であったが、青山夫妻は一人息子を亡くして以来、19年の間、苦悩の中で生きてきた人達だった。
 彼らは突然現れた孫の存在に涙を流し、亜紀の思いに感謝する。

 そして、青山義信は、自分達が何もできなかった19年の間、亡き息子が愛した亜紀と自分たちの孫である信也を育み守ってくれた街に何か恩返しをしなければ…… と考え始めたが、様々なことを調べて行くうちに、滝宮の亜紀たちに対する理不尽な嫌がらせと悪行を知り、彼の怒りが燃え上がる。

屈 辱
2019/12/29 17:20
開かれた扉
2019/12/31 10:11
忍び寄る陰(かげ)
2020/01/01 06:18
魅力的な女(ひと)
2020/01/03 23:10
信也の望み
2020/01/07 05:06
報いを受ける者
2020/01/07 23:22
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