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04凶暴な虫

かるーく書いてると設定忘れちゃうなぁ

ほっほっほ。世の中うまいぐわいに回っとるわい。あのカスに連れ去られた時はこの世の終わりかと思ったが、蓋を開けてみれば三食飯つき飼育小屋つきじゃ!

素晴らしいぞ! これで思う存分飼育できるわい。まあ欲をいうなら助手も欲しかったが、なり手がおらんなら仕方ないの。この家におる子供もワシと同じくらいの男の子じゃけぇ、助手にとる意味もないしの。うーん、助手がいないとなると大きい生物は育てられんなぁ。


「あらぁ、チェリーちゃん起きてたの? もう、早く寝なきゃダメでしょ。あなたは子供なんだから。」


おっと、またワシの思考の邪魔をする虫がおるな。

本来ならここで苦言の一つでも落としてやるところだが、今回は大人しく従ってやるわい。

ワシの思考を止めるのは何人であっても許されることではない。しかしワシはこの虫の料理を毎日食べて生きている。つまりこの虫の機嫌を損ねればゆくゆくはワシの機嫌も悪くなってしまうということじゃな。それは人類とって一番の損失じゃろう? だからワシは従うのじゃ。決して逆らうとお尻ペンペンされるとかではないぞ!!!


「おやすみは?」


「おやすみなのじゃ!」


「はい、おやすみ~」


決してママ殿が怖いとかじゃないんじゃからな!!



ーーーーーーーーーーーーーーー



チェリーちゃんはやっと寝たようね。全くホントに夜更かしばかりするんですから。チェリーちゃんというのはうちで預かっている女の子。少し変わったところがあるけれど、素直で優しい、そして何よりとっても可愛いのよ! なのになんで旦那はあの子を見るとなぜかいつもため息ばかりするのかしらね。あんなに可愛い子が家にいたら毎日が明るくなるっていうのに。チェリーちゃんは変わっているところは多いけれど、一番の謎が彼女の身元だ。最初、彼女は誘拐犯を警戒して演技をしているのでないかと勘ぐったのだけれど、どうやら違うらしい。本当に何も覚えていないようだ。自分の名前さえも。それにしてはよくしゃべるし、何でもしってそうだけど、ほんとにどうなってるのかしらね。彼女位の年齢なら誘拐されたらすぐに大騒ぎになるはずなのに一切そういう情報は入ってないらしいし。夫が毎日のように隣町や王都なんかにいって探してるんだけど全然見つからないみたいね。まあ私としてはこのままでいいんだけどね! 

あんなに可愛い子、このまま一生暮らしちゃえばいいのに。そうよ! カイルもあの子を初めて見た時すっごく赤くなってたし行けるわ! カイルは私に似てなかなかの男前だしね。


「メアリー、その妄想だけはやめてくれ」


横を見ると旦那はひどく疲れている様子でため息を吐いていた。

あらやだ、私ったら思ってることが口から出ちゃったわ!


「大丈夫よ。男は顔じゃないわ!」



「、、、、、」



旦那はもう一度深くため息をついた。 


KO!


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