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その十八 「もう一体の金属像」

 「越智さん、鉄の処女という処刑器具をご存知ですか?」妙子は唐突な質問をした。


 「たしか一種の拷問器具のことでしょう。あれって確か処刑器具として使われたというのは後世の創作だと聞いたことがありますが」


 「そうですね、でもあの金属像は処刑器具みたいなものです。この祭りの趣旨は空媛尊を慰めるというものですが、あれは生娘の生体エネルギーを吸い上げるものなのです。だから妹はあんな姿になったんです」


 目の前には巫女装束を着たミイラと弥生、そして肌が爬虫類のようになった詩織の姿があった。それに不安を覚えた越智が尋ねた。


 「すると、これからうちの詩織が、妹さんが脱ぎ捨てた金属像の中に入るというわけですか? すると閉じ込められたままになるというのですか?」


 「ええ、いままででしたら。でも、順調ならもう一体の金属像が出てくるはずです。言い伝えに寄れば60回目の儀式が無事にすれば、今後二度とこのような儀式は必要なくなるとのことです。それによれば二体同時に稼動するので、新たな生娘の身体が入れば、新しき何かが起きるとされています。でも、その何かはわからないです」


 「そんな、わけの判らない事をしているのですか、あなたたちは? どうして、今まで問題にならなかったのですか?」


 「それは簡単な事です。いままでは、この限られた集落のみの秘密で済んでいたからです。それでも多少外部に漏れてはいましたが、一切核心は触れられていませんでしたが。でも、問題が起きたのです。この集落に若い生娘がいなくなったんです。それで集落から出て行った家族に頼んだのですが、適切ななり手がいなかったんです。それで、喜多先生に頼んだのですy、今回の事を」


 「それじゃあ危険性を隠して我々を誘き寄せたという事ですか? しかも喜多先生もグルだなんて・・・」


 「それはすまないと思いますよ。でも、あの子達にもあなたにも良い結果になると思いますよ、きっと・・・」


 そこで妙子は会話をやめたが、それは奥からもう一体の金属像が現われたからだ。その金属像は先ほどまで裕子の肉体が入っていた金属像のように今度は弥生と剣舞を始めた。その脇では操られるかのように、詩織がバラバラになっていた金属像を構成していた金属板を身体に合わせ始めた。


 「まって! そんなことをしたらミイラになるまで閉じ込め・・・」越智はそういいかけたが、妙子に口を塞がれてしまった。


 「いいんですよ、大丈夫。もう閉じ込められるようなことはありませんよ。でも詩織さんは一度金属像の中にはいらないとなりません、そして弥生さんも」

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