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性悪な悪役に仕立て上げられた気弱令嬢は、友情を取り戻して真実を手に入れたい!  作者: 風谷 華
第一章

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第15話 作戦会議2

「……じゃあ、役割を分けよう」

アドリアンが立ち上がり、黒板の前に移動した。

まるで軍議でも始めるかのようにチョークを走らせる。


「まず僕は、扉の前で人が来ないよう見張る」

さらさらと「見張り:アドリアン」と書き込む。


「エレーナは中を探す役だ」

「えっ、私が……?」

エレーナは思わず声を上げる。

「でも……本当に大丈夫なの? 見つかったら……」


「大丈夫さ!」

レオンが椅子を蹴って立ち上がり、胸を張った。

「僕が教師を引きつける。こういう時のために僕がいるんだ。しっかり者だからな!」


「……僕にはむしろ破壊の神にしか見えないが」

アドリアンの冷たい毒舌が飛ぶ。


「なっ……!? しっかり者だってば!」

レオンが慌てて声を上げる。


「じゃあ聞こう。廊下で壁を吹き飛ばしかけた件はどう説明する?」

「うぐっ……あれは風向きが悪かっただけだ!」


「では、食堂でスープを吹き飛ばして料理人を泣かせたのは?」

「……あ、あれは……鍋が軽すぎたんだ!」


「偶然にしては回数が多すぎる。絵画をぶち破った件もあったな」

「お、おい! いつのことを持ち出してんだよ!」


「極めつけは木に登って降りられなくなった件だ。あれは見ものだった」

「な、なんでまだ覚えてるんだよ!? あれは子供の頃だろ!」


「結論。君は“しっかり者”ではなく“しっかり騒ぎを起こす者”だ」

アドリアンは冷静に言い切った。


「な、なんだとぉ!? アドリアン、今すぐ廊下にでろ!」

レオンが椅子をがたんと鳴らして立ち上がる。


「ちょ、ちょっと二人とも!」

エレーナが慌てて間に割って入った。

「喧嘩してどうするの! 大事なのは協力することでしょう!」


「……ふむ」

アドリアンは肩をすくめ、黒板に「囮:レオン」と書き足す。


「ほら! ちゃんと必要とされてるだろ!」

レオンはふんぞり返って胸を張る。

「僕が囮をやれば完璧さ!」


「……あんまり自信満々に言われると逆に不安になるんだけど」

エレーナがぼそっとつぶやくと、レオンは「アハハ」と乾いた笑いでごまかした。


(……でも、この二人となら、きっとやれるかもしれない)

エレーナは小さく息を吐き、机の上にそっと震える手を置いた。

(……不安だけど、やってみるしかないわ。じゃないと、マルセリーヌはずっと犯人にされたままだから)


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