表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
番の瞳  作者: 言葉
第二章:レイアの過去
104/641

104.閑話:人型のノア①

閑話ですが、時間軸は同じで、続きとして読んでください。


妖精界のレイアの家の二階の奥の部屋に、昨夜からノアが引き篭っていた。


「んー、なんか色が気に食わないな」


ノアが部屋にズラリと並た箱から、様々な色の煌めく石を取り出しては「違う」と言いながらポイポイ後ろに投げている。

ノアはこの作業をするために、数年ぶりに人型に戻っていた。

猫の手だと石を一つ掴むのにも苦労するのだ。


「ノア様、起きてらっしゃいますか?」


背にある扉の向こうから、イヴの声がした。


「んー、起きてるよー」


ノアは振り向くことも無くそれだけ答えると、相変わらずポイポイと石を選び続けた。

そのうち何個かが扉にコツン、コツンと当たる。


「ノア様?何の音ですか?」


「気にしないでー」


「ご注文のホットケーキを焼きましたが、召し上がられますか?」


イヴの言葉に、ようやくノアの手が止まった。

そのまま勢いよく立ち上がると、投げた石を踏みながら扉に向かい、バン!と扉を開けた。


「食べる!」


「ひっ」


「イヴ?どしたの?」


「・・・ノア様・・・ですか?」


本人はすっかり忘れていたが、イヴの前に現れたノアは人型のままだった。


「あ〜・・・ごめん、忘れてた。ノアだよ」


ノアはそう言うと、イヴににっこりと微笑んだ。


イヴの前に現れた人型のノアは、長い黒髪に黄金の瞳の超絶美男子で、男性に免疫のないイヴには、その微笑みは凶器だった。


「うわ、すっっっごい美男子・・・」


パタン。


イヴは、それだけ言うと、ノアの部屋の前で気絶した。


「え、ちょ、イヴ?イヴ!?レイアー!!レイアー!!イヴが倒れたー!!」


人型のノアなら問題なくイヴを抱えられるし、なんなら魔法で下まで運べる。怪我をしてるなら治癒魔法も出来るのだが、さすがのノアも顔を見て倒れられてパニックになり、気付けば必死にレイアを呼んでいた。


ノアの叫びに慌てて駆けつけたレイアは、久々に見た人型のノアが、真っ赤な顔で床に倒れるイヴの横に跪き、慌てふためいている様を見て、察した。


「ノア、落ち着いて!下のソファまでイヴを運んで」


「え・・・あ、ああそうか、そうだな、今の俺なら運べるんだった」


レイアの言葉で平常心を取り戻したノアは、軽々とイヴを横抱きすると、階下へ続く階段へと歩いていく。

それをレイアが寸でで止めた。


「まって、シェリルが驚くかもしれないから先に伝えてくるわ。少ししたら降りてきて」


「わかった」


ノアはイヴを抱いたまま、レイアを見送ると、腕の中で気絶しているイヴに小声で「ごめん」と呟いた。


少ししてノアがリビングに行くと、シェリルがワクワクした顔で待っていた。


「わぁ!ノアすっごいかっこいい!あ、イヴはここに寝かせてあげて!」


ノアはシェリルまで倒れなかった事に安堵しながら、イヴをゆっくりソファへ降ろし、床に膝を着いてイヴの頭をそっと撫でた。


「どうしよう、イヴ、頭打ったかも・・・気絶って治癒魔法効くのかな・・・」


整った眉を下げながらイヴを気遣うノアを見て、レイアはくすりと笑った。


「大丈夫よ。ノアを見て気絶しただけならすぐに目を覚ますわ。心配ならたんこぶが無いか確認したら?」


ノアはおそるおそるイヴの頭を横に向けると、後頭部をそろそろと探って確かめている。

その様子を見ていたシェリルが、ノアに声をかけた。


「ノア、こわいの?」


シェリルの言葉に、ノアの手が止まる。


「だって・・・人間て簡単に死ぬから」


純粋な妖精には寿命は無い。

魔力の塊とも言える妖精は、怪我をしてもすぐに消えるし、滅多な事で存在の消滅もない。

ノアは存在の消滅も経験した事がなく、『死』という概念が理解しにくいのだった。


シェリルは不安そうにそう答えたノアの隣にしゃがむと、ノアの頭を優しく撫でた。


「ノア、大丈夫だよ。人間でも、かっこいい人を見て気絶したくらいじゃ死なないよ」


「うん・・・」


その様子を見ていたレイアは、微笑みながら三人を見守っていた。



そろそろノアの人型を出したくて。黒髪にするとセシルと被るかなーと思ったのですが、黒猫なので黒にしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ