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第53話 聖女から学ぶ(その1)

いつもご覧頂きありがとうございます。

 チャロンと一緒に中庭にやって来た。

 もちろん腕組みでラブラブな雰囲気で。


 最近ではすれ違うメイドさん達も全く気にしていないようだ。

 お城の景色の一部と化してきたようだね。


 いつもの中庭のテーブルに到着すると、亜季ちゃんと聖女(見習い)女子は既に到着していた。


「おはようございます。タク先輩、チャロンさん。」


 と、僕達2人の姿を確認した亜季ちゃんが声をかけてくる。


「おはよう、亜季ちゃん。

 もしかして待たせてしまったかな?」


「いいえ、私達もいま来たところですよ。」


「なら良かったよ。」


「あと、こちらが私の友人の聖ちゃんです。」


「おはようございます。七条先輩、チャロンさん。

 私は神崎 聖と申します。

 私のことはお気軽にヒジリと及びください。

 既にご存知かもしれませんが、スキルは聖女(見習い)です。

 今日はお時間を頂きありがとうございます。」


「はじめまして、神崎さん。

 僕は七条 拓です。皆と同じように気軽にタクと呼んでください。

 スキルはご存知のとおり「お手伝い」だよ。

 今日は会う時間をとってくれてありがとう。

 あと、こちらは僕のお世話係兼指導教官のチャロンさんだよ。

 あわせてよろしくね。」


「チャロンです。よろしくお願いします!」


 と、一通りのあいさつを済ます。

 うん、高校のOBといえどもあいさつは必要だ。

 こっちの世界では社会人のようなものだしね。


 チャロンが気を利かせてお茶を入れてくれたので、中庭のテーブルに座ってお茶を頂きながら皆で話を始めた。


「聖さん、今日は聖女のスキルについてお話を聞きたくてお時間をとっていただいたんだよ。

 簡単でいいのでスキルについて教えてもらえないかな?

 「お手伝い」という職業柄、みなさんのお仕事に興味があってね。

 特に、聖女スキルはこの世界でもかなり珍しいスキルのようだしね。」


「はい、もちろんです。

 噂では既にお手伝いの枠を超えた実力を示されていると伺ってますが・・。

 私のスキルでよければご紹介しますよ。

 今日はいくつか聖女の仕事がありますので、それを実演しながらご説明しましょう。

 その代わり私からもお願いがあるのですが・・。」


「ありがとう。助かるよ。

 あと、もちろん私のできることであればご協力しますよ。

 例の衣装のデザインの件とかですかね?」


「そうなんです!

 他の女子はみなスキルに合わせた衣装を作ってもらっているので、私も是非作って欲しいんですよ!

 いつまでも高校の制服と言うわけにもいきませんので。

 お城を旅立つ前には専用の服が欲しいです!」


 と、力説してくる。

 よほど衣装が欲しいのだろうか?

 まあ、他の女子が専用の服を持ってたらそうなるよね。

 オシャレにも興味のあるお年頃だしね。


「そうなんだね。

 実はもうここに来る前にいくつかデザイン案を作ってきたので見てもらえるかな?

 聖女スキルに合わせて勝手にイメージして描いてみたんだけどね。

 気に入らなければリクエストを伝えてくれれば描き直すから遠慮なく言ってね。」


 と、ここに来る前に描いてきたデザイン案をテーブルの上にのせる。

 それぞれのデザインの主旨についても合わせて説明する。

 

 聖ちゃんは「おおっー!」と感嘆の声をあげながらデザイン案を食い入るように見ている。

 隣の亜季ちゃんも一緒にガン見しているぞ。

 亜季ちゃんの反応が若干気になるところだ。


 聖ちゃんは、

「タク先輩、どのデザインもとてもいいですね!

 私がクリスチャンなことを覚えていてくれたんですね。

 確かスキル鑑定の儀式の際にちらっと言っただけだと思うのですが。

 そういう気の利いたところが他の男子に無いところですよね。

 亜季がタク先輩の事を気に入っているのも分かる気が・・。

 これは私もヤバイかも・・。」


 と、何かよく分からない事をモニョモニョと言い出す。


「ちょっと!変なこと言わないでよ、聖!

 それよりデザインはどうなの?

 全部気に入ったのならどれにするの?」


 と、亜季ちゃんが顔を赤らめながら聖ちゃんに突っ込む。

 そうそう、今はデザインの選定中だからね。

 話題はデザイン重視でお願いいたします。


「うーん、どれも良くて1つに絞りきれないのよね。

 シスター服も前から欲しかったし、魔道士風の服もいかにも異世界って感じで着てみたいし。

 それにこの制服風の衣装も普段のお出かけ用に便利そうだしね。

 使い勝手の良さとカワイイ+オシャレが両立しているわ。」


「なら、3つとも服飾工房で作ってもらったらどうだい?

 いつものパターンだとチーフデザイナーが喜んで作ってくれると思うよ。

 多分だけどチーフデザイナーなら聖さんが着ても着なくても関係なく、この世界の人向けに作ってしまうと思うから、モデルに立候補する体で作ってもらえばいいよ。

 どのみち着替えも必要だろうから、複数の衣装があっても問題ないさ。」


「そうなんですね!わかりました!

 では私も服飾工房に連れていってくださいね!

 あと、私のことも亜季みたいに聖ちゃんって呼んでくれると嬉しいです・・。」


 と、顔を赤らめながらいろいろとお願いしてくる。

 おっと、亜季ちゃんがジトっとした眼で僕を見始めたぞ・・。


「う、うん、わかったよ聖ちゃん。

 お昼前にでも服飾工房に寄ってみよう。」


「はい!お願いします。!」


「タク先輩。聖と初めて話すわりには聖の好みを押さえたデザインを描かれたんですね。

 いったいどうやって聖の好みを知ったのか気になるところですけど。

 それに聖だけ3種類もデザインがあるなんてちょっとおかしくないですか?

 皆は1種類だけなのに。

 それに会って間もないのに聖には親しげな態度ですしね。」


 と、亜季ちゃんが冷たく突っ込んでくる。

 顔も眼も笑っていないぞ(汗)。

 そんな冷めた眼で見るのはやめて欲しい(汗)。


「た、たまたまだよ(汗)。

 最近デザインの機会が多かったからちょっとこなれてきただけさ。

 それに聖女の衣装のイメージがよくわからなかったので3種類描いてみただけだよ。

 決して他意はないよ(汗)。」


「ふん、どうだか。

 この制服風のデザインなんて、聖女というよりどちらかと言えばゴスロリ女子高生って感じじゃないですか?

 タク先輩の趣味に合う服を聖に着せようと企んでませんか?

 先輩のイメージする聖女って何をする人なのか、小一時間問い詰めたい気分ですよ。

 漢字の表記が違うんじゃないですか?

 まったく。」


「そ、そんなことはないさ(汗)。

 純粋に聖ちゃんのスキルにマッチしつつ聖ちゃんに似合いそうなデザインを考えただけさ(汗)。」


 僕はいつになく厳しい亜季ちゃんの突っ込みにタジタジである。


「まあいいですけどね。聖も喜んでいるみたいですし。

 でもこの制服風のデザインの服は普通に可愛いので他の女子も欲しがるかもですね。

 それに昨日の話じゃないですが、服飾工房がお城のスタッフさん向けや一般販売用に作りたいっていうかもしれませんよ。」


「そうなんだよ。

 今朝、チャロンともその話をしていたところなんだ。

 チーフデザイナーならきっと作りたいって言ってくれると思うんだよね。」


 と、亜季ちゃんの話に相槌を打って突っ込みを回避する。

 うん、こういう大人の態度が世渡りには必要だね。


「衣装のデザインの件はこれでいいかな?

 聖ちゃんも亜季ちゃんも忙しいと思うから、次に行こうか?」


 と、更に話を逸らして亜季ちゃんの突っ込みを終了させる方向に軌道修正する。

 このような大人の対応が良好な人間関係の維持には必要だね。 


「はい!じゃあ、次は聖女のお仕事の一部を紹介しますね。

 今日はいくつか予定が入っているので、それぞれ順番にご説明しますね。

 まずは治療院に行きましょう!」


 と、聖ちゃんが元気よく声をかける。

 衣装のデザインを見てテンションが上がったのかな?


「うん、よろしくお願いしするね。」


 衣装の件も調整がついたので、お茶セットを片付けてから、皆で中庭から治療院に向かって移動を開始する。


 聖女スキル楽しみだね!


最後までご覧頂きありがとうございました。


感想など頂けると励みになります。


引き続きよろしくお願いいたします。

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