第45話 今後の予定を話し合う。
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お城に戻って来たあと、皆でそのまま昼食場所に向かう。
女子3人の「どうしても肉が食べたい!」とのリクエストを受けて、以前に楓ちゃんに教えてもらった屋外系スタッフ用の食堂に行くことにした。
あそこなら間違いなく 肉がたっぷり食べれるからね。
チャロンはともかく他の2人も肉が食べたいなんていったいどうしたのでしょう?
何か良からぬ入れ知恵でもされたのか?
「私も肉をガッツリ食べてチャロンさんみたいにグラマラスに・・。」
と亜季ちゃんがブツブツ呟いているが、チャロンがグラマラスなのは種族特性だからね。
食事は栄養バランス良くとることが大切だよ!
◇◆
屋外系スタッフ用食堂に到着した。
右側の調理コーナーでは相変わらず串焼き肉が豪快にジュージュー焼かれている。
どうやら今日も山賊猪と暴れ黒牛とビッグバードの肉の3強の組み合わせのようだ。
君たちいつも焼かれてるけど、絶滅したりしないのかな?
左側の調理コーナーではお好み焼きっぽい何かが焼かれている。
ていうか、そのままお好み焼きだね。
相変わらず濃厚なソースの焦げる匂いが食欲をそそるよね!
皆で列に並んでお好み焼きと串焼きを受け取ると、ワイルドなウッドテーブルに座って皆でいただく。
うん、美味しいね!
串焼き肉は豪快だけど、肉は柔らかくて食べやすいんだよね。
お好み焼きも薄切りの猪肉が乗っていて、豚玉ならぬ猪玉になってるし。
女子3人も黙々とがっつり食べている。
今日はここに来て正解だったか?
「うん、ここのお肉は美味しいね!」
と僕が女子3人に声をかけると、
「はい!肉はやっぱり豪快に串焼きに限ります。
肉の魅力を最大限に引き出してますね!」
と、チャロンがモゴモゴと食べながら同意する。
無理に喋らなくてもいいよ!
「ここには初めて来ましたけど、バーベキューみたいで楽しいですね!
もっと早く来たかったです。」
と、アカネちゃんも同意する。
「あら、楓に教えてもらわなかったの?
私達は楓に教えてもらったのよ。」
と、亜季ちゃんがアカネちゃんに教えてあげる。
「そうなのよ。いつも私は森で1人だからねー。
休憩ついでに別館の2階の食堂に行くほうが多いんだよねー。」
「お世話係兼指導教官はまだ見つけてないの?」
と僕が聞くと、
「亜季と同じ理由なんですけど、やたら自己アピールしてくる男の人が多かったので、「1人で大丈夫です!」って言っちゃったんですよねー。」
「訓練は大丈夫なの?」
「はい!元の世界でもキャンプや山登りをしてましたし、元の世界の趣味の忍術研究の知識を生かしてスキルの習熟度UPもできているので問題ないですね。
むしろ、1人のほうが隠密っぽくて気に入ってます。
でも、お城の外には1人で行けないからどうしようかと思ってたところです。」
「じゃあ、僕達と一緒にいかないかい?
実はキャンプ道具を注文していて今日の夕方に出来上がるので受け取りに行く予定なんだよ。
予備が1セットあるからアカネちゃんが使うといいよ。」
「本当ですか!うれしいです!
こちらの世界でキャンプ道具の入手方法がよくわからなくて困ってたんですよ。
私も一緒に受け取りに行ってもいいですか?」
「もちろんだとも。そのまま持って帰ればいいよ。」
「ちなみにタク先輩、お城の外に訓練にでかける具体的な予定はあるのですか?」
と亜季ちゃんが聞いてくる。
「うん、とりあえずキャンプ道具とその他必要な物がそろい次第、外に野営訓練に出かけてみたいんだよね。
最低限の道具は今日揃うので、あとは矢とかの消耗品や食料品とかを最低限揃えたら出発する予定だよ。
なので、最速で明日から行動開始可能さ。」
「そうなんですね〜。
モ、チ、ロ、ン、私も連れて行ってくれるんですよね?」
とジトっとした目で亜季ちゃんに見られる。
なんか最近一緒に行動しますよねアピールが強くないですか?
「も、もちろんだよ。亜季ちゃんが嫌じゃなければね。」
「嫌なわけないじゃないですか、タク先輩。
部活の後輩として先輩と一緒に行動できて嬉しいですよ!」
と満面の笑みで答えてくる。
仮に嫌と回答したら大変なことになっていたのは想像に難くない。
でも何かと僕との縁を強調してくるのは何故かな?
「私も一緒に行っていいですよね!タク先輩!
外出するなら斥候スキルで道案内等のお役に立てますよ!」
うん?アカネちゃんまで?
「も、もちろんだよ。アカネちゃんも嫌じゃないのかい?
男と一緒に野営だと何かと不便なような気がするけど・・・。」
「大丈夫ですよ!
趣味で山登りとかキャンプとかしてましたから。慣れっこです!」
どうやらアカネちゃんも加わることになりそうだ。
などとワイワイ会話しながら食事をしていたら、後ろから声をかけられた。
「あ、みんなここで食事してたの?一緒に座ってもいい?」
振り返ると楓ちゃんだった。
どうやらいつものルーチンでこの食堂に来たらしい。
「もちろんよ。いまタク先輩たちと一緒に野営訓練に行く話をしていたのよ。」
と亜季ちゃんが状況を説明する。
ああ、そんなことを言うときっと楓ちゃんも・・、と思っていたら、
「えーいいなー。
私も一緒に行きます!外でテイムする動物さんを探したいんですよ!」
と、案の定、楓ちゃんも参戦表明してきたぞ。
「も、もちろんだよ。僕が一緒で嫌じゃなければ・・。」
「大丈夫ですよ!男の人が一緒のほうが安心して外出できますし、皆と一緒のほうが楽しいですから!」
「そうならいいけど。じゃあ、楓ちゃんも今日の夕方に服飾工房に来てくれるかな?
注文していた野営道具を受け取る予定なので楓ちゃんの分もその場で渡すよ。」
「はい!わかりました!野営訓練楽しみですね!」
その後もワイワイと盛り上がりながら皆で昼食を食べた。
やっぱり皆で食べるバーベキューは楽しいね!
それはともかく野営訓練の参加者が5人になってしまったから、真面目に計画を立てないといけないな。
今日の午後は計画と準備にあてることとしよう。
◆◇
がっつりとお昼ご飯を食べたあと、いつもの中庭でお茶を飲みながら休憩中である。
楓ちゃんとアカネちゃんはそれぞれ自分の訓練に戻っていったが、亜季ちゃんは何故か一緒にお茶をしている・・。
弓の訓練はいいのだろうか?
ちなみに16時に服飾工房で待ち合わせしてから別れた。
「ところでチャロン。
お城の外で野営訓練するにはどういう風に行動するのがいいのだろうか?
できるだけ目立たず自然に行動したいんだけど、何かいい方法はあるかな?」
「それでしたら、冒険者になって依頼を受けて行動する、というのが一番自然ですね。
依頼を受けて街の外に出るなら何の問題もありませんし、外出理由の説明も容易ですよ。
ちなみに、冒険者は15歳以上なら冒険者ギルドで登録すれば誰でもなれますよ。」
おお!冒険者ギルド!
久々のテンプレ発動です!
「冒険者ギルド、いいね!
僕達でも登録できるのかい?召喚勇者だとか騒がれないかな?
あと、新顔は古手の冒険者に絡まれたて登録の邪魔をされたりとかのイベントが発生するとかはないの?」
やはり冒険者ギルドといえば、新人が先輩に絡まれるのがテンプレだよね!
「はい、タクさん達の黒目黒髪はこちらでは珍しいので目立つかもしれませんが、個人の事情には関与しないのが冒険者の暗黙の了解事項ですから表立っては騒がないと思いますよ。
まあ、影ではヒソヒソ言うかもしれませんが。」
「あれだね、大人の対応ってやつだね。」
「そうですね。
あと新人に絡むのはご法度だというのも暗黙の了解の一つですので、基本的には絡んでこないでしょう。
これは初代勇者様の言いつけの1つとして代々引きるがれている慣例の一つです。
そういうことをすると冒険者のなり手が減ってしまいますからね。
ただ・・。」
「ただ?」
「はい。この王都では比較的そのあたりの慣例とか暗黙の了解は守られているんですが、辺境の街に行くとそうでもないんですよ。
元々冒険者は荒っぽい人達が多いですし、辺境に行くほど王国というか王族の影響が薄まりますから、慣例を気にしない冒険者が多くなってしまいますからね。」
「なるほど。じゃあ、冒険者登録するなら王都のほうが良いってことか?」
「はい、それに王都では依頼の種類が限られていて、商隊の護衛か狩猟と採取がメインなんですよね。
辺境と違って魔物討伐のような荒っぽい仕事がないので冒険者ギルドで揉め事を起こす人がそもそもいません。
揉め事を起こすような人は護衛の仕事につけませんからね。
あと、狩猟を生業にしている人はそれなりに稼げる腕を持ってますし、喧嘩して指を怪我でもしたら仕事になりませんから揉め事に首を突っ込まないんですよ。」
「なるほど、金持ち喧嘩せず、だね。
なら、決まりだね。とりあえず冒険者登録してから狩猟の仕事でもしながら訓練しよう。」
「それがいいですね。
ちなみにですが、普通の動物の狩猟や採取の仕事は常設依頼といってレベル制限なく常時受注可能なので、獲物を冒険者ギルドに持って行けば買い取ってくれますよ。
狩猟と採取は窓口も別になっているので他の冒険者との無駄な接触も回避できて便利です。」
「おお、それはいいね!もう狩猟と採取一択だね。
弓や野営の訓練にもなるし、獲物を売ればお金にもなるし丁度いい。
冒険者の登録方法やレベルってどんな感じなの?」
「登録は成人なら誰でもできます。
初回は無料でギルドカードを発行してくれるので所持金なしでも大丈夫です。
ちなみにギルドカードの再発行はお金を取られるので気を付けましょう。
レベルはGから始まり、F、E、D、C、B、A、最後はSの順番に上がっていきます。
Sは伝説級の魔物でも倒せるくらいの実力が必要ですから召喚勇者様くらいしかなれる人はいませんね。
A級も同じで災害級の魔物を倒せるくらいの実力が必要ですから、現役の冒険者は極めて少ないと言われています。
こちらの世界の常人ではどれだけ頑張ってもB級が限度なので、実質B級が最高レベルです。
あと、D級以上が一人前と言われてますので、冒険者で食べて行こうとする人たちは皆さんD級を目指して頑張ります。」
「なるほど。相場感がわかったよ。
じゃあ、狩猟や採取で生活費を稼ぎながら不自由なく旅暮らしをするには、とりあえずD級になってれば問題なさそうだね。」
「はい、D級になれば護衛の依頼を受けることができるので、護衛でお金をかせぎながら効率よく旅する事もできますよ。」
「ああ、あと、狩人っていう人達もいるって聞いたような気がしたんだけど、そういう人たちもいるの?」
「はい。狩人さんたちも登録上は冒険者ではあるんですが、もう本当に狩りに特化していて、護衛とかその他の仕事を全くされない方々の事を便宜上狩人って呼んでいます。
狩人さん達はレベル上げとかに全く興味がないので、レベルは低いままの人たちも多いですが、弓や罠を使った狩りの腕はとても高いので、皆から一目置かれています。
特に街の住人からは食料を安定的に供給してくれる職業の人として有難がられていますね。」
「了解、よくわかったよ、説明ありがとう。
ということで、まずは冒険者登録しに行くってことで亜季ちゃんもいいかな?」
「はい。チャロンさんのお話を聞く限りそれが一番いいと思います。
王都で冒険者登録しておいたほうが揉め事もなくて楽そうですしね。
まあ、タク先輩は揉め事を楽しみたいような感じでしたけど?」
と、亜季ちゃんはジトっとした目で僕を見てくる。
なんて、勘の鋭い後輩なのでしょう。
ギルドの酒場でクダを巻いてる先輩冒険者に絡まれたあとに返り討ちにするなんて・・、ちょっとしか期待してませんよ。
ええ、暴力反対ですから!
「ソ、ソンナコトナイサ。「野外活動は楽しく安全に」が一番だからね!ボーイスカウトでも同じさ!」
「だといいですけどね。ふん。」
と、亜季ちゃん。
僕はそんなに信用がないのだろうか?
最近やたらと後輩が厳しい件、だな。
「と、とりあえず方針は決まったから、あとは準備かな?
キャンプ道具以外の食料品とかってお城の食堂で分けてもらえるのかな?
パンとか調味料とか?」
「ええ、2泊分くらいなら大丈夫だと思いますよ。
あと必要なものは街でも買えますから。
獲物を売ったお金で買い足していけば問題ないですね。」
「じゃあ、とりあえず食堂の料理長にお願いして少し調味料を分けてもらおう。
早速出かけよう!」
僕は亜季ちゃんのジト目を振り払うように腰を上げる。
次の行動に向けて一歩踏み出しただけだからね!
決して亜季ちゃんの疑いの眼差しから逃れたくなったわけじゃないよ!
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