第39話 魔女っ娘?モデル登場
いつもご覧頂きありがとうございます。
弓術場に寄って亜季ちゃんと合流してから内勤者用の食堂に向かう。
今日も食堂は大盛況である。
そして本日のランチのメニューは3種のミックスグリルだった
いつもの黒牛と猪とビッグバードのトリオである。
肉たっぷり、付け合わせの野菜少なめのタンパク質重視である。
うん、相変わらず美味しそうだ。
だけど、このトリオって少々食べられすぎてないか?
乱獲とか大丈夫なのかな?
今日は料理長に声をかけられる事もなくスムーズに食事ができた。
ホールスタッフさんが予定どおり出勤したのかな?
シフトに穴があくとフォローが大変だしね。
NOSバーガーでのバイト時代を思いだすね。
食事をしながら今朝のマモル君との話のくだりを亜季ちゃんにも教えてあげた。
「我孫子の奴はやっぱりそんなこと言ってたんですね。
受験が終わって大学に行ったらコスプレサークルに入って可愛い男の娘を探すんだって息巻いてたんですが。
まさかそこまでこだわりがあったとは・・・。」
とため息をついて呆れ顔である。
「まあ、趣味、嗜好、性癖は人それぞれだからね。
魔法使い各種(見習い)になれて、彼の夢が一つ叶ったから、他の要望もいろいろと出てきたんじゃない?
受験勉強のプレッシャーという重しも無くなっちゃったしね。」
「まあ、そうなんですが。
こうも清々しく開き直って趣味全開で行動されると若干モヤっとしますよね。
一緒に旅をしないといけないかもしれない立場としては。」
「うんまあ、確かに気持ちは分かるね。
まあでも今は彼なりにストレスも溜まっているだろうから、息抜きも必要かもね。
コスプレ衣装で元気が出るなら安いものというくらいの生暖かい眼で見守ってあげよう・・。」
などと食事をしながら雑談していたら、後ろから聞き覚えのある声で話しかけられた。
「あら、いつもの勇者様達とチャロンじゃない。
今日はこっちで昼食だったのね。
丁度良かったわ。ちょっとお願いがあるのよ。」
振り向けば服飾工房のチーフデザイナーさんがいた。
「あ、チーフ、こんにちは。どうかされましたか?」
「ええ、今朝リクエストをもらった例の服なんだけど、さっきモデルになってくれそうな例の男の子に見せたらいたく気に入っちゃったみたいでね。
デザインの細部についていろいろ聞きたいことがあるらしいのよ。
悪いけど時間があったらちょっと工房に来てくれないかしら?」
「あ、いいですよ。食事が終わったら休憩がてらに服飾工房に伺いますね。」
「悪いけどお願いするわね。じゃあ、また後で。」
そういうと、チーフは手のひらをヒラヒラさせながら去って行った。
うん、また何か斜め上の展開になりそうな気がする・・・。
◇◆
というわけで、服飾工房にやってきた。
もはや常連と化しているというか、この工房のスタッフさんですか?状態である。
そして何故か亜季ちゃんもついてきている。
どんなデザインか見てみたいらしい。
「あら、みんな待ってたわよ。訓練で忙しいのに悪かったわね。」
「いえいえ、お気になさらず。元はと言えばこちらのお願いですから。
それで、今回のモデルさんのお話とは?」
「ええ、紹介するわね。
この子が今回のデザインの採寸に協力してくれるアイル君よ。」
と、チーフの後ろに隠れていた男の子を紹介してくれる。
「ど、どうも、初めまして。
僕はアイルです。よろしくお願いいたします。」
「こちらこそ初めましてアイル君。僕はタク、よろしくね。
あと聞いているかも知れないけど、こちらの2人がアキちゃんとチャロンだよ。」
「はい、伺っています。皆さんよろしくお願いいたします。」
「よろしくね。ところでアイル君は今日はどんな質問があるんだい?
確か、服飾関係の仕事に興味があるって聞いているんだけど。」
「はい。そうなんです。
姉がこちらの工房でお世話になってる影響もあって、僕も服作りに興味があるんです。
実は明後日の誕生日で15歳になって成人するので、こちらの服飾工房に弟子入りする予定なんですよ。
この世界の服はどれも同じようなデザインばかりなのですが、今日ここにきた時にタクさんのデザインされた魔術士さんとメイドさんの服のデザインに衝撃を受けまして・・。
なので、これをデザインされたタクさんにどうやったら新しい服のデザインを思い付くことができるのか、お話を伺ってみたいと思ってチーフデザイナーにお願いしたんです。
しかも、そちらのアキさんとチャロンさんの素敵な服も初めて見るデザインですし。
タクさんの本業ははデザイナーなんですか?」
うん、なるほど、服飾工房で働く予定なのね。
それでいろいろと興味があるということか。
「いやいや、デザイナーではないよ。今はただの「お手伝い」さ。
デザインは趣味の一環だよ。」
「それにしては斬新なデザインですよね。
タクさんのおられた世界にはいろんな服があるのですか?」
「そうだね。国によっても、仕事によっても、趣味によっても違うけど、たくさんあるのは事実かな。」
「そうなんですね。デザインのコツってあるんでしょうか?」
「うーん、本業じゃないから何とも言えないけど、どの服にも共通するのは、目的を達成するためにはどのようにすればいいか?ってところを考えるところかな、と思うよ。」
「目的達成?」
「そうだね。例えばだけど、アイル君に採寸の協力をお願いしたい服は、実は男の子を女装させた時にいかに可愛く見せるか?を念頭に置いたデザインだからね。」
「なるほど。確かに。
じゃあ、仮にですが、あくまでも、本当に仮にですが、僕がこの服を着るとしたら、このデザインにどんな工夫を追加されますか?」
「うーん、そうだねー。
確かにアイル君をモデルにイメージしたらデザインにいくつか手を加えたくなったね。
完全に僕の独断と偏見になっちゃうけどいいかい?」
「はい、あくまでも仮にですが、僕が着るとしてデザインの見直しをお願いします。
決して僕が着たいわけではないですよ。
あくまでもデザインのコツを勉強するために、自らを題材として提供するだけです。
ええ、それ以上でも以下でもありませんとも。」
うん、わかったから、そんなに仮定の話であることを強調しなくてもいいよ。
「わかったよ。じゃあ、ちょっとデザインさせてもらうね。
イメージを固めるためにちょっとじっくり体を眺めさせてもらうけど、気にしないでね。」
「はい・・。」
と、顔を赤らめて答えてくれる。
うん、素直でよろしい。
でも恥ずかしがる必要は全くないぞ?
ということで改めてアイル君をじっくり見てみる。
もうすぐ成人といっても15歳になる直前なので、体つきは中学生くらいである。
身長は少年にしてはちょっと小柄で160cm弱くらいだが、まだ成長するだろう。
このお城の食事は充実しているからね。
うーん、全体的にスリムだね。
骨格も細身だし、筋肉もあまりなさそうだから、きっと体を鍛えたりはしてこなかったのだろうね。
服飾工房で働くのを希望しているくらいだしね。
髪型は普通の金髪の男の子って感じだから、女の子で言えばベリーショートになっちゃうね。
これはウィッグで盛らないといけないかな。
この世界にウィッグがあるかどうかは知らないけど。
まずは魔術士の服から行ってみよう。
ローブの色はマモル君とお揃いで黒でいいとして・・・、
体は色白だからインナーは濃い色のほうが目立つかな。
ショートタンクトップとホットパンツは濃いめの青紫にしておこう。
ブラとショーツは赤色の指定だったから、そのままでいいか。
対称的な系統の色だから赤い下着が目だっていいだろう。
ちょっとバブルっぽい色使いだけど。
男の娘とはいえ、女装するなら胸にはボリュームが欲しいので、ここはパットで底上げしよう。
アイル君ならBカップくらいが丁度バランスがいいね。
ホットパンツは・・。
うん、アイル君のアイル君のノーマル時のサイズならホットパンツから溢れることはなさそうだ。
エスカレーションモードに入った後のことは不明だが・・。
さすがにそこまで見せてもらうわけにはいかないしね・・。
ホットパンツの両サイド下部にはちょっとだけスリットも入れて、生足のアピール度を向上させよう。
でもその分だけショーツが見えないようにブーメランの角度をUPさせないといけないから、いろいろとお手入れが必要そうだが。
その辺のたしなみは、まあ、この世界でも共通だと信じておこう。
あ、アイル君はそんな赤い顔しなくていいから。
脱いでいろいろ見せろとは言ってないよ。
せっかくだからインナーと素肌をチラ見せできるように、ローブの両袖の付け根、両脇、背面の下半分にはスリットを入れて、前面下半分にもスリットを2本入れておこう。
ちょっと平安貴族の狩衣っぽくなってしまったが、まあ、この世界では逆に斬新だからいいだろう。
これで激しい動きをした時はスリット部分がめくれ上がって中がチラ見せできるだろう。
ぜひ、魔法をかける時の決めポーズにターンを加えてほしい。
2回転半くらい。
ニーハイも上部に青紫の横シマを2本入れてスクールソックスっぽくしよう。
ローファーはマモル君のデザイン指定だからそのままでよし、かな。
防具工房に頼めばすぐに作ってくれるだろう。
髪型は魔女っ子といえば、ピンクのツインテールかな。
腰くらいまでの長さで。
リボンも青紫で色を合わせよう。
前髪は両サイドに姫毛も残してっと。
こんなウィッグつくれるかな? お針子さんの技術を信じるしかないな。
多分大丈夫だろう。
髪をピンクにといえば、ローブのフードにはやはりウサ耳を付けないとね。
フードを被ったときにピンクのちょっと小さめのウサ耳が見えるようにデザインを追加する。
イメージは可愛らしいピンク色の仔ウサギで。
むしろトンガリ帽子よりフードを被っていたほうがいいね。
一応帽子も作ってもらうけど、使うかどうかはマモル君の判断に委ねよう。
どっちもいいとかいい出しそうだけど。
うん、こんな感じでいいんじゃない?
「こんな感じでどうだい?仮にアイル君に着せるなら・・、という前提でデザインに手を加えてみたよ。」
「か、可愛いです。
僕がこんな可愛い魔術士の女の子みたいになれるなんて・・。
ああ、、。」
と、アイル君もまんざらではない様子である。
顔を赤らめてクネクネしている。
おいおい、仮定の話じゃなかったのかい?
まさか本当に着てみたいとか?
「タクさん、とっても可愛いですね。
これは女装用というか、普通に魔術士の女の子にうけると思いますよ。
さすがに魔法士団の制服には無理かもしれませんが、外で冒険者をしている女の子は欲しがると思いますよ!」
とチャロンも褒めてくれる。
「タク先輩・・。
とても可愛いデザインだとは思いますが、ちょっと露出が多すぎませんか?
もしかしてこれが先輩の趣味ですか?
自分の彼女にこれを着せてチラ見せ前提の変な決めポーズをさせようとか考えてないですか?
それなら私も覚悟を・・・。」
と亜季ちゃんにはジト目で疑いの眼差しを向けられる。
というか、よくわからないことを呟いているぞ。
「ご、誤解だよ・・。
あくまでもマモル君のリクエストに、アイル君が着るなら・・のイメージを重ねただけだよ。
それ以上でも以下でもないさ。ははは・・。」
「だといいですけどね。」
と、亜季ちゃん。
最近僕に対する態度が厳しすぎないかい?
「あらとても可愛いデザインに変わったじゃない!
チャロンも言ってたけど、これならお城の魔術士の女の子達も欲しがると思うわよ。
流石に制服は無理だと思うけど、私服としての需要はあると思うわ。
注文が殺到するかもね。」
「ありがとうございます。その時は遠慮なくこのデザインを使ってください。
着る人の好みに合わせてローブとかインナーの色を変えても楽しめると思いますよ。」
うん、まあ、わりと好評だったことにしよう。
自分でもいい出来だと思うよ・・。
さあ、次はメイドさんの服だよね。
これはもう一目見ただけで目的は明白な衣装だからね。
基本、脱がすだけだから、形状としてはもうこれで十分でしょう。
露出部分はもう限界まで拡大されてるしね。
あとは如何に劣情を増幅させるかだけが課題か・・・。
ここはもう元の世界の知識をフルに活用して、と。
まず全体的に清楚感を出すために、下着は白で統一。
もちろんストッキングも白、太ももまでの長さでガーターベルトもセットで。
ブラもショーツもフリル付きの可愛い系だけど面積は少なめに。
ブラは目立たないパットでBカップまで盛りましょう。
ショーツは本当はTバックがベストだけれど、男の娘だから収まりを考えると通常タイプのほうがいいよね。サイズ感がわからないし・・。
アクセントに首には黒のチョーカーをつけて出来上がり。
うん、僕が考えるメイドさん(夜仕様)の中身はこれでベストなんです。
異論は今は聞きません。
あとその他のオプションとしては・・。
やはり日本人に人気のメイドさんと言えば猫耳メイドだよね。
髪型は下着に合わせて白銀色のショートカットにしよう。
体育会系っぽくていいね。
お針子さんにがんばってウィッグを作ってもらいましょう。
これに同じ白銀色の猫耳カチューシャをつけて、と。
最後にミニスカートの後ろの腰の部分に長さ50cmくらいの猫シッポをつけて、両手には白い手袋(手のひらにはピンクの肉球模様付)を着用すれば完璧です!
うん、いいね!
僕的には最高の仕上がりだね!
こちらの世界の人にはうけないかもしれないけど、少なくともマモル君は喜んでくれるだろう。
きっと。
「できたよ!
こんな感じでデザインを追加してみたけど、どうかな?」
と言って、机の上にデザインを乗せて皆さんに見てもらう。
「タクさん、これはかわいいですよ!
猫族の女性は男性にもてますから、これを街で売り出せば飛ぶように売れますよ!」
とチャロン。
「はううううう、これが僕ですか?
僕にこんな格好をさせてどうしようと言うのですか?
ああ、こんな格好で屈強な男に押し倒されてあんな事やこんな事をなんて・・。
ああああ、もう立ってられないです・・。」
と、アイル君は腰砕けになってヘタリこんでしまった。
うん、だから君はこれを着ることはないから大丈夫だと思うよ。
あれこれされるのはそういう趣味嗜好の方だけだから。
それに屈強な男はこの工房にはいないから安心してくれたまえ。
「タク先輩。タク先輩の性癖がよーくわかりました。
こんなハレンチな猫耳娘の格好をさせてニャンニャンしたいんですね
最後は猫耳とチョーカー以外は全て脱がせちゃうんですよね。
くっ、屈辱的だけど受け入れざるを得ないんですね。
わかりました。私も心の準備を・・・。」
と、亜季ちゃんがまた意味不明なことを言い出したぞ。
性癖はあまり否定はしないけど、亜季ちゃんは着なくていいと思うよ。
「これは、なんとまあ、破壊力があるデザインね。
男の子の女装というよりは、大人の女性向けのような気がするけど。
そうね、倦怠期を迎えた夫婦の夜の活性化アイテムのように見えるのは気のせいかしら?」
と、チーフデザイナー。
「さすがですね、チーフ。
おっしゃるとおりの用途で元の世界でも使用する人が多かったですから、合ってますよ。」
「なら、お城の女性スタッフにも紹介してあげていいかしら?
最近夫婦仲に悩んでる人たちが多いのよね。
子供がもう一人欲しいけど旦那がちょっと、みたいな感じでね。」
「ええ、まさにそういう方々にピッタリなアイテムだと思いますので、是非紹介してあげてください。
普段頑張ってくれてるスタッフさんにプレゼントしてあげたら喜ばれると思いますよ。
それか公平性を担保するために希望者には格安で販売するとかですね。」
「それいいわね。ちょっと上と相談してみるわ。
何にしろ、これで製作を進めるわね。
幸いにもモデルがいるから採寸もすぐにできるしね。
じゃあ、明日の夕方に受け取りにきてちょうだいな。
今日はデザインに付き合ってくれてありがとう!またね!」
と言い残し、チーフはデザインの紙を受けとるとアイル君の手を引いて奥の採寸部屋に消えていった。
早速製作にとりかかるようだ。
てゆうか、チーフは自分が欲しいんじゃないだろうか?
特にメイド服(夜用)。
ポツンと取り残されてしまった僕達は、することが無くなってしまった。
「次の訓練にでも行くかい?」
「「ええ、そうですね・・。」」
と、3人で若干の疲労感を感じながら服飾工房をあとにした。
機会があれば早めに回復魔法を学びたいな。この疲労感を癒すために。
亜季ちゃんに聖女(見習い)の委員長女子と治癒士ガールを紹介してもらおう・・。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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