表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/147

第21話 異世界ハンバーガー

いつもありがとうございます。

「次はこのまま料理の訓練もさせてもらいましょう!」


 と、チャロンに手を引かれて厨房にいく。


 ここは城務めのスタッフでも内勤者向けの料理を作っている厨房だそうだ。

 文官とか魔術士とか錬金術士とか。


 提供される料理のレベルとしては僕たち召喚勇者組とかわらないらしい。


 ちなみに騎士団とかテイマーとかの戦闘系や屋外系の人スタッフたちは、

勤務場所が遠いのとメニューと量が異なるので別の厨房で作っているとのこと。


 向こうは質より量らしい。

 まあ、体を使う仕事だからね。


「料理長、見学させてくださいね。」


 とチャロンが厨房を仕切っている中年の女性に声をかける。


「なんだチャロンかい?最近勇者様のお付きになったらしいじゃないか?

 お、そっちの黒髪の子が勇者様かい?なかなかかわいいじゃないか。

 チャロンはかわいい系の男が好みだったのか?」


 と、料理長がチャロンをからかう。


「もう、料理長恥ずかしいです。確かにタクさんは私の好みですけど・・。」


 チャロンはからかわれてモジモジしている。


「どうせ見学するならちょっと手伝ってくれないかい?

 今日は厨房スタッフが一人急に休んで人手が足んないのさ。

 そっちの勇者様も料理ができるなら手伝ってくれる?」


「勿論です。今日のメニューは何ですか?」

「勿論です。こちらこそお願いします。」


 と、チャロンと僕は同意する。


「今日のメインは牛と猪の合挽き肉のハンバーグだよ。

 人気のメニューだから食堂が開くと同時に城のスタッフが皆食べにくるのさ。

 だから早めに仕込んどかないとね!」


 おお、ハンバーグ!

 なんとこの世界にはハンバーグが既にあったのか?


「ハンバーグなら得意なのでお任せください。」


 早速元の世界の経験を活かせそうだ。


「ではタクさんと一緒にお手伝いにかかります!」


 チャロンはそういうと、僕をつれて作業台の奥へと連れていった。

 どうやらチャロンはこの厨房でも働いていたらしい。

 何気にチャロンは何でもできるよね。


「それではハンバーグ作りを手伝いましょう。」


 というと、厨房スタッフの作業の輪の中に加わった。

 

 他のスタッフさんが一生懸命に挽き肉を作ったり、玉ねぎを切ったりしている。

 挽き肉用の道具はすでにあるようだ。これも過去の勇者が伝えたのかな?

 どう見ても元の世界で見たことあるぞ。


 皆で一緒に挽き肉と玉ねぎを混ぜてパテを作る。

 ちなみに肉は暴れ黒牛と山賊猪の合い挽きとのこと。


 なんかおっかない名前の動物だが、王都周辺の森や草原に普通に生息している野生動物らしい。

 数が減らない程度に狩ってよいそうだ。


 ていうか狩らないと農作物に被害が出るので冒険者や狩人に依頼を出して駆除を依頼しているらしい。

 騎士団が野外訓練をかねて狩りにいくこともあるそうだ。

 

 うん、この世界の冒険者を近いうちに見にいってみたいね。

 きっとテンプレ展開が待っているんだろう。


 狩人っていうシステムもあるのか?ネット小説では読んだことないな。

 またチャロンに教えてもらおう。

 

 まあ、まずは目の前のハンバーグだよね!


 皆で輪になってパテをつくる。

 パテは大きさが2種類あって、概ね女性の拳1つ分のサイズが小、手のひらサイズが大らしい。


 食べにくるスタッフは自分の好きなサイズを選んでいくらしい。

 うん、残すともったいないからね。フードロス削減に賛成です。

 

 僕達2名が加わったことで パテ作りがはかどったようだ。


「じゃあ、どんどん焼いていっておくれ!」


 と料理長から号令がかかる。


 皆レンジに並んで焼きにかかる。大きなフライパンの上に油をひいてパテを並べて中火で焼いていく。

 焼き色がついたら裏返して弱火にしてから、水とワインを加えて蓋を被せて蒸し焼きに・・。

 うん、いい感じで焼けたね。


 僕とチャロンはどんどんパテを焼いていく。隣では男性スタッフが付け合わせの野菜を炒めている。

 センターテーブルでは女性スタッフが皿に盛り付けてソースをかける。

 それを別の女性スタッフが受けとりカウンターにどんどん並べていく。


 どうやらこの食堂はお客さんが自分で受け取っていくスタイルのようだ。

 学食とかフードコートみたいな感じだな。


 これも召喚勇者が持ち込んだスタイルだろう。

 てゆうか、この世界は勇者の影響を受けすぎじゃない?


「さあ、食堂を開けるよ!みな準備しな!」


 料理長の号令で食堂の扉が開け放たれると、肉の匂いにつられた城のスタッフがなだれ込んでくる。

 皆さん見た目は草食系なのにハンバーグは待ちきれないようだ。


 お客さん?達はハンバーグの皿を受け取ると、パン、サラダ、スープの順で並んで受け取っていく。

 

 それぞれが自分の好きな席に着席すると、早速ハンバーグを切って頬張っている。

 うん、美味しいものを食べて皆さん幸せそうである。


 てゆうか皆さん、そんなにハンバーグ好きなの?


◇◆


 嵐のようなランチタイムが終了すると、料理スタッフはようやく休憩である。

 やっと一息つけたね。


 NOSバーガーでのバイトを思い出したよ。


「チャロンも勇者様も手伝いありがとう。助かったよ。

 それにしても勇者様は手際がいいね!

 料理人でもしてたのかい?」


 と料理長からお褒めの言葉をいただく。


「こっちに来る前にハンバーグの食堂で働いていたんですよ。

 なのでハンバーグだけは得意なんです。他はあんまりですが。」


「じゃあ、他の料理も教えてやるから明日から時間があったら手伝いに来な!

 あんたとチャロンならいつでも大歓迎さ!」


「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いしますね。」


「ああ、いいってことさ。それより昼食はまだだろ?料理スタッフと一緒に食べていきな!

 ハンバーグでよければ自分達の好きなだけ焼いて食べてっておくれ。」


 料理長はそう言い残すと去っていった。

 夕方の仕込みにそなえてちょっと休憩するらしい。


「じゃあチャロン、僕が作るからちょっと他の材料を揃えてくれないか?」


 と、野菜、チーズ、丸いやわらかいパン、卵、キュウリの酢漬け、濃厚なソースなど、いくつかの材料をお願いする。

 

 そう、せっかくだからハンバーガーを作ろう!

 材料が違うからなんちゃってNOSバーガーだけどね。


 チャロンが材料を見繕ってきてくれたので早速とりかかる。

 まずは丸いパテ作りだね。パテの中に薄く切ったチーズも仕込む。

 チーズインバーグにするのさ。


 パテを焼きつつ横の鉄板で目玉焼きを焼く。ちなみに目玉焼きは僕の好みで半熟で。

 それらを、半分に割った丸いパンにソースを塗りながらトマトやレタスみたいな野菜などと一緒にはさんでいく。


「できた!本日の特別メニューのハンバーガーです。

 チーズと半熟目玉焼き入りの贅沢仕様だよ。

 さあ、一緒に食べよう!」


 と、スープや飲み物も受け取ってから、チャロンと一緒に食堂に座って食べる。


「うん!ハンバーグの肉汁とチーズの相性が抜群だね!

 ソースと半熟卵の絡みも美味しいしね。」


「タクさん、このハンバーガーはいいですね!

 初めて食べましたがとても美味しいです。

 この手で持って食べるスタイルは騎士団の遠征中の野営など外の活動中でも便利ですね。

 街中なら屋台のメニューにだってできますよ。旅をしながらハンバーガーの屋台を出しましょう。

 きっと流行りますよ!」


 おお!ハンバーガーの屋台!

 材料さえそろえばいいかもね。


「それもいいね。旅の途中でいろいろやってみよう。急ぐ旅でもないしね。」


 などとチャロンとランチを楽しんでいると、周囲からチラチラと視線を感じる。


 ふと見渡すとさっきまで一緒に仕事をしていたスタッフさん達が僕たちの食べるハンバーガーをガン見している。

 

 どうやら初めてみる食べ方と僕とチャロンの味の評価が気になっているようだ。

 

 僕は、

「皆さんも一緒にどうですか?

 今日の訓練のお礼に皆さんの分も作りますよ?」


 と声をかけた。

 スタッフさん達は満面の笑みで、


「「「「お願いします!」」」


 と答えてきた。どうやら僕たちの作ったり食べたりが気になって仕方がなかったらしい。


 その後、スタッフさんと一緒にチーズイン月見バーガーを作って食べた。

 希望者が多くてかなりたくさん作ることとなった。


 厨房スタッフ以外のスタッフも混じっているような気がするが。

 何故か休憩にいったはずの料理長も混ざっていたが・・。気のせいか?


 皆さん喜んで食べてくれて、元NOSバーガーのバイト店員としては嬉しい限りである。

 

 料理長も

「これは新しいメニューとして食堂で提供しよう!」


 と息巻いていた。

 喜んでもらえて何よりだね!


 この世界の食文化にちょっとだけ貢献できたかな?

最後までご覧頂きありがとうございました。


感想などいただけると励みになります。


引き続きよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ