↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん、殺し屋少女と家族になる  作者: Atelier Lotus文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/115

第75話 甘え

 冬埜家の話を終えてから。


 玲は少しずつ変わっていった。


 まず、命令をしなくなった。


「ゲームやるぞ」


 ではなく。


「ゲームやるか?」


「買い物行け」


 ではなく。


「一緒に行くか?」


 そんな小さな変化だった。


 そして。


 恒一の隣へ座ることが増えた。


 テレビを見る時も。


 本を読む時も。


 自然と肩が触れるくらいの距離へ来る。


 休日。


 二人でゲームをする。


「また負けた」


「こういち」


「もう一回」


「はいはい」


 夕方。


 二人で夕飯を作る。


「味見して」


「ちょっと薄いかな」


「そうか」


「じゃあ少し足す」


 そんな何気ない時間が増えていく。


 恒一は包丁を動かしながら、小さく笑った。


「玲」


「何だ?」


「年相応になったな」


 玲はきょとんと首を傾げる。


「そうか?」


「ああ」


「前より、十四歳の女の子らしくなった」


 玲は少し考えたあと、小さく笑う。


「そうなら」


「こういちのせいだな」


「俺か?」


「ああ」


「普通を教えたのは」


「こういちだから」


 恒一は照れくさそうに笑った。


「俺は何もしてないよ」


「してる」


 玲はそう言うと、当たり前のように恒一の隣へ座った。


 肩が少し触れる。


 少しだけ黙り込んだあと、玲がぽつりと呟く。


「こういち」


「ん?」


「頭」


「撫でろ」


 恒一は思わず吹き出した。


「まだ命令するのか」


 玲は少しだけ考え込み、小さく言い直す。


「……撫でて」


 その一言に、恒一は優しく微笑んだ。


「はいはい」


 ぽん、と玲の頭へ手を乗せる。


 ゆっくりと優しく撫でると、玲は気持ち良さそうに目を細めた。


「どうだ?」


「……安心する」


 そう呟くと、玲は恒一の肩へそっと寄り掛かる。


 もう離れようとはしなかった。


 そこが今の玲にとって、一番安心できる場所だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。