第09話 道の駅で犬助け
道の駅で観光案内の看板を見て、行き先を確認する。
「ミー助、お前すげぇな。地図がわかるのか」
感心しているノブに簡単に説明してあげた。
「あっちの青い所がお前と最初に行った湖だ。それからこの太い線に沿って海へ出た」
「うん。わかる、わかる」
「で、お前が海が気に入ったから、海に沿った太い線から離れないように、ここまで来たってわけさ」
「太い線が道ってことか?」
「正解! で、真ん中の小さい灰色の四角がここさ」※注《下部参照》
春ももう終わりに近づいているのがわかる。それにしても、夜だっていうのに車が多いな。
そうだ。 春+車が多い=連休だ!
パパさんの車で出かけた時、どこへ行っても車がいっぱいで、ママさんも日和も『こりゃだめだね』って、みんなで笑ったことがある。確か、あの時のことを連休って言ってたっけ。『車が渋滞しても、それだけ車の中でたくさんおしゃべりができる』ってポジティブに考える家族だった。
駐車場には、楽しそうな顔、疲れたような顔、不機嫌そうな顔、いろんな人がいる。
何か食べている人に、俺とノブが近づく。同じくらいの大きさのキジトラとサバトラが並んで近づいていくのが人間にはウケるようだ。
いつものようにご馳走にありついた俺たちは、店の裏手で休もうとした時、駐車場でプルプルと震えている黒い子犬が目についた。車が行きかう様子を見て、今にも泣きそうな顔をしている。きっと飼い主とはぐれてしまったんだろう。
「おぃ、そんな所でウロウロしていたら車に轢かれちまうぞ」
さっそくノブが声をかける。
「ノブ、俺が飼い主を探してくるから、お前はそいつを安全な所へ連れて行ってくれ」
「ショコラ~」「ショコラ~」
あっちのほうで犬の名前だろうか、大きな声で呼んでいる人たちがいる。子犬は怖くて声も出せないし、夜の中で目立たない黒色だったせいで、飼い主は子犬に気が付かなかったようだ。
「ノブ、こっちだ。こっちへ連れてきてくれ!」
ノブが付き添っていてくれたおかげで落ち着いた子犬は、飼い主を見つけて一目散に走って行った。
「おいおい、礼もナシかよ」
「ありがとう、ノブ。お前がいてくれて助かったよ」
俺が子犬に代わって礼を言ってやったら、ノブがにニヤニヤしてた。
こんな些細な出来事も、時が経てばみんなの思い出になるんだろうな。
人間と猫では色の見え方が異なります。『現在地』のように人間にとって赤く描かれているものは、猫には灰色や暗い色、あるいは緑っぽく見えているとされています。




