最終話 運命
春の闇の中、川のせせらぎが聞こえる。
「潮騒の音も悪くないが、こういう静かな水音は落ち着くな」
隣にいるノブがしみじみと言う。他の猫には遠慮してもらい俺とノブの二匹だけの世界だ。
「俺は自分が何者か、何をすべきか、どこへ行くべきかもわからないで流れていた。結局、ミー助の旅に付き合う形になってここへたどり着いた」
「うん。ノブの運命の土地だ」
「ミー助、お前は自分が好き勝手に生きてきたと思っているだろ?」
「そうだ。だから、また自分勝手に旅立つ」
「それでいいんだ。他の猫はそんなお前に導かれる。それがお前の運命」
「俺の運命?」
「お前に一緒にいて欲しいと思っている猫はたくさんいると思う。もちろん俺もそうだ。でも、決してお前を止めないし、旅の無事を祈っている。自分の気持ちに正直に生きてくれ」
「ありがとう。その言葉は俺にとって最高の贐だ」
俺は見た目は小僧だけれど、中身は爺ぃだからさ。年のせいか涙もろくなって仕方ない。
「お前は特別な猫なんだよ。行く所がなくなったらいつでもここへ来い」
俺は特別な猫? いや違う。
俺はフリーランスの超猫、ミー助だ。
ここに留まりたい気持ちを振り切るように俺は走り出した。
超猫の冒険譚 放浪編 - To Be Continued -
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
尚、『放浪編』に続く『帰郷編』はもうすぐ投稿予定です。
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