第49話 政府実務
戦禍によってあちこち焼け跡も残る京の都の復興は、公家や寺社からの要望も大きく、計画を立て取りかかってしばらくしたら待ったがかかった。
当初の計画に沿って二條城を破却してしまい、本能寺や本圀寺の講堂などの間借りを延長、仕事を進めてきた。
下級公家は、貧すれど教養はある。
これまで実務をしてきて書類仕事が得意な武士も多い。
さまざまな書類仕事が死ぬほど用意されていた。
再起動した省庁から、様々な書類が各地に送られた。
やっと発表された復興計画は予想を上回る大規模なものだった。
道幅が広くなり、火除地も設けられる。
商家は商機を逃すまいと集まり、すでに、勝手に家を建てている者も居た。
「こ、こら、わいの家を」
「勝手に作ったのはあかんぞ、お沙汰があったやろ」
「証文はある、ここはワイの土地や」
「ああ、なら役所で保障するわい、嘘の証文やったら六条河原に居場所があるで」
「・・・そ、そないな~」
強権による指示に逆らう者は皆無だった。
「津波とはなんぞや?」
「地震で起きる上げ潮?10間もの高波!・・・まずいっちゃ」
「我らの港は沈んでしまうのう」
「大昔の寺の記録にあった、百の部落が引き潮に流されて全滅だっちゃ」
「大変だっちゃ~~~」
「これこれ騒ぐな、この指示書の通りに避難路を定めよ、日々の訓練が重要じゃ」
「「「「は!」」」」
強権による指示に逆らう地方も皆無だった。
やがて、復興計画は軌道に乗ってきて、役所も新しく建てられたのだった。
「なんやら頑丈な造りや・・・石造りなんや」
「レンガ館や、鉄もはいっとるらしいで、分厚いかべやんな~」
「3階建てやぞ、窓にギヤマンとは豪勢や」
「へ!あ、ほんまや」
「これこれ、ここは内裏やないよって、正装しなくてええのや、冠もぼろうて一張羅かいな、ぷぷぷ!」
「なんや~」
「今までお寺はんを間借りしておったからのう」
「なんやら過ごしやすいで、石の・・・レンガ館ゆうんは暖かいのう」
「真冬は蒸気で暖房するそうや、ここがぬくうなるそうや」
「たすかるわ~」
「わいの破れ家にもつけたいわいな~」
「そのうち普及するやろ、ほんま、毎日おまんまが食せるんは夢のようや」
「「「「せやな~」」」」
現代ならブラック企業と言われるような役所であっても、下級公家達や武家達は働き場所があって、給金も滞りなく、幸せだった。
日本皇国は以下のように国家理念を定めた。
日本皇国は天皇を奉戴する国家である(尊皇)。
主権は国家を構成する国民にある(主権在民)。
国土と国民は、公に帰し、私することはできない(公地公民主義)。
国民とは、今のところ、公家・武家・庶民である(今後変わる)。
国民は、法の下で平等かつ自由を保障される(基本民権保障)。
ただし、国民は勤労・養育・納税の権務を有する(権利義務規定)。
日本皇国の主権を脅かすいかなる勢力にも屈しない(積極防衛主義)。
日本皇国外の国家民族を尊重し、その主権を認める(民族自決遵守主義)。
日本皇国は、尊皇公地公民、民主主義法治国家ということができる。




