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オイナカムイ伝  作者: 日川文月
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第10話 織田信長

「織田様の居城か~でけえな」

「あいかわらず城下も栄えてるの~」

「ワイもひさしぶりやな~」


村井貞勝、今井宗久と親子は、村井家の家来衆とともに美濃まで行軍。

貴丸は初めて馬に乗った。

ポニーみたいな和馬で口取りが徒で曳いている。

3・4日も乗ってると尻が痛くてしょうがなくて、元気もなかった。

村井家の屋敷に到着、面会のお伺いを立てて休息した。


「くう~尻が~~~」

「だらしないな」

「ちぇ!」

「恐らく明日やろ。

安倍殿の献上品や儂の書類は運び込んでおるさかい、目録と手持ちの品を準備しておけばええて。

今井殿は慣れてはるやろ」

「茶室での拝謁を希望してますさかい、いつもやけど」

「茶室やったらようけいな者も居てへんし。

武家作法もまあ無礼講やな」

「「助かるわ~」」


ーーーーーーーーーー


「茶室だ、そんなにかしこまらなくても良いわ」

「はは~、んじゃ、よろしゅう」

「これ、安倍殿!」

「よいよい、儂が織田弾正大弼である。

これは嫡男の奇妙丸じゃ」

「奇妙丸にござる」

「安倍傳二郎にござる。

これは嫡男の貴丸にござる」

「貴丸で・・・よろしゅう」


(ごあああ、ミチがござるでござる、つぼったでござる、死ぬ~~)


貴丸は真っ赤になって突っ伏した。


「ごら!」

「すまんでござる」

「「アハハハ」」

「武家言葉はムリや、許してちょんまげ」

「よいよい、アハハハ、奇妙もムリすんな」

「は、はい、父上」


信長は超機嫌が良かった。


「おんしらが塩硝を織田家のみにと言うてくれたは、実に愉快じゃ」

「まことさようですな」

「納屋もよう納得したな」

「他に利があるさかい、シャボンやらの製法を教えてもろたんや」

「「「え!」」」


「織田様にもこれを・・・書き記したものにござる」

「ほう・・・獣脂だけではないのか」

「アイヌでは獣脂しか手に入り申さぬ。

椿油や綿実油などのほうが質が良いのでござる。

各地の特産品になるかと・・・」

「・・・なにゆえじゃ」


「織田様は楽市楽座で流通をよくして商いを振興されましたな。

各地が豊かになることで乱世を納めようとしておると拝察いたし。

・・・貴丸!もうあかん」


「う!ミチ・・・商いもやけど。

・・・シャボンはバテレンが持ち込んだものやろ。

高価やと聞いとるが、なんのことはないで。

庶民でも買える物やし清潔に暮らせたら病の予防にもなるんやで。

流行病のおこりはたいていが貧民からや。

バテレンは製法を隠して金儲けしとるだけや」

「ふむ」

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