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5-49

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。


5-47、5-48、5-49を更新しています。

ついに妹と会えます!

ウキウキワクワクです。

あ、どうも森山実留です。

前回とは違い普通に会える可能性が高いです。

会って貰えるかは不明ですが戦闘に巻き込まれる事はないでしょう。

楽しみだなぁ。






実里との合流ポイントに向かうのは

想定していたよりも難航した。

瘴気が少しづつ濃くなってきたので

体調不良者が出てきたからだ。

症状が進み酷くなると動けなくなる者まで出てきた。


全体の戦力が低下していく中で

襲ってくる魔物や魔獣は少しづつ凶暴化していく。

更に途中の小さな集落等は破棄されていたり

補給が出来る程の余裕が無かったりで満足に休息も出来ない。


脱落者は増え続け最終的には俺とブタ子、シュラベント、コールだけとなった。

他にも無事な者は居たが動けない者や行商の品を守る為に

安全圏までの退避を命じた。

浄化に必要な物資は俺とブタ子で分担し必要最低限の人数で進む事になった。


途中からこの3人には俺が≪魔道具作成≫で

浄化の魔法を仕込んだペンダントを渡すことにした。

≪紋術≫等で補強してはいるが熟練度の問題で効果は弱く

完全に防げはしないが影響を少し軽くする事位は出来るハズだ。

込める魔力を多くすればある程度は出力も上がるので気休めよりは良いハズ。

・・・・多分。





目的地は元々何も無い平野部だったらしいが

今は小さな迷宮のような物が出来ているらしい。

そこを中心にから瘴気が外に漏れだしているとの事。

実里達はその迷宮の周囲に陣を構え

周囲を魔法陣で覆い対策をしていた。

迷宮の入り口と思わしき場所はそこだけ少し小高い丘で

グルッと囲む様に結界具と思わしき物が配置されている。

その脇の濃密な瘴気が漂う中で聖騎士達が居てベースキャンプを張っていた。


「すみません

 物資の受渡手続きと面会の申請をしてきます

 ここで待っててください」


シュラベントとコールを連れてブタ子はキャンプの中に入って行った。

俺は柵の外で待機だ。


ふむ・・・・聖騎士達は辛そうな顔はしているが

行動不能までは行ってないようだ。

流石はエリート聖騎士達だ。

もっとも装備品に悪しき物からの保護はあるし

瘴気から守るような魔道具もあるだろうしな。


俺も聖騎士の装備品を装着すれば軽くはなるんだろうけどな

更に言えば俺が他の三人よりも瘴気に強いのは

多分、≪聖属性適性≫かなんかで軽減はされていると思っているので

ここの聖騎士達もそうなんだと思う。


しばらくして待つと聖騎士と共にブタ子が帰ってきた。


「ミノルさん、許可が出ました 

 どうぞ中に」


シュラベントは納品物の手続きをしているのでこの場には居なく

戻って来たコールにルーブを預けて中に入った。

アリスは念の為に一旦戻って貰ったいる。

聖騎士の後ろを着いて歩きながらコソコソと話しをする。


「で、どんな感じなんだ?」


「ちょっと・・・いや・・・

 詳しい話は聞いていませんが相当に状況は悪いようです」


「そうか・・・瘴気の濃度も結構な事になってるしな

 ここの結界の中はそうでもないけど外は相当だぞ」


「えぇ、それもここ数日のようなんですよね

 一気に瘴気が強くなってきているようで」


「そうなのか?

 大丈夫なのか?

 実里は無事なのか?」


「詳しい話は聞いていませんので不明ですが・・・

 聖女様も不在のようですし

 それにキリルさん、リースさんも居ないようです」


不安材料盛りだくさんのまま通された

そこに居たのはモリスさん。

モリス・パーシモンが居た。


「ブタ子さん

 物資ありがとうございます

 後で正式に確認させて頂きます

 そちらの方が協力してくれた方ですか?」


「はい

 私の護衛として新しく雇いましたミノルと言います

 迷宮に潜って"魔核水晶"を手に入れてきて貰いました」


「ミノルと言います

 宜しくお願いします」


モリスさんは以前と同じ人の良さそうな顔で微笑む。

聖女に協力しているだけあってブタ子は身内みたいな者なのだろう

直接の紹介と言うだけで俺もある程度は信用されているようだ。


とりあえず今すぐに"強制認識"を使わなくても済みそうだ。

ブタ子にもその旨を伝えてある。

モリスさんは名前を聞いて何かを思い出したのだろう

ふと一瞬考えるようなしぐさをしたが

俺の顔を見て記憶に当てはまらなかったようだ。


「ミノル・・・・さん・・・・ですか?

 協力ありがとうございます

 予定数よりも多く用意してくれたようで

 助かります」


「いえ、通りすがりにブタ子さんに会いまして

 協力しただけですから」


とりあえず簡単な挨拶をし俺は静観する事にし

ブタ子に話しを任せた。


「それで・・・現状はどうなのでしょうか?

 聖女様は居ないと伺いましたが」


「えぇ、それがですね

 魔王様からの要請により

 聖女様は現在サイラスにおられます

 事情はお話しできませんが・・・」


「いえ、大丈夫です

 浄化の方はどうなのでしょう?

 ここに来るまでにも被害が深刻化していましたけど」


「はい、おっしゃる通りです

 ここ数日の間に瘴気が一気に濃くなって来まして

 どうにか現状維持を務めてきましたが

 私達だけの力では抑えきれていないのが実情です

 瘴気もある程度の濃度になると周囲から瘴気を呼び込んでしまうので

 周辺は相当に悪化してきているでしょう」


「大規模浄化の進行具合はどうですか?」


「魔法陣の展開は終了しています

 後は"魔核水晶"を配置すれば

 聖女様の到着を待つだけです

 ・・・・・ですが・・・」


モリスさんは言い淀む。

俺には何となくその先が読めた。


「今の進行具合では帰りを待つ余裕が無い・・・ですか?」


ストレートな言葉にモリスさんは小さくうなずく。


「そうですね・・・

 正直な所、聖女様が今戻られたとしてギリギリでしょう」


「でもモリスさんがそのまま何もしていないわけないでしょう

 何か手を打たれてますよね?」


「えぇ、迷宮の中に直に浄化と聖域化の結界魔法陣を

 設置作業中です」


「そんな事をして大丈夫なのですか?

 聖騎士様達と言えどもそんな無理は・・・」


「本来であれば許可は出ませんが

 我が隊には私の権限が届かない者も居ますので・・・・

 不本意ではありますが・・・

 他に有効な手段も思いつかないので許可を出しました」


「まさか・・・キリルさんとリースさんですか!」


「はい・・・・こんな時に外部協力者を頼る事になり

 私としても情けない限りなのですが

 現状を維持するのに全聖騎士が対処しており・・・」


心の底から申し訳なさそうに歯ぎしりをする。

この人の事だから本当にそう思っているんだろう。

そしてその裏にある気持ちも隠し切れていない。


「その・・・御二人は・・・・?」


「顔に出ていますか・・・?

 えぇ、帰還予定を過ぎても戻って来ないんです

 大丈夫だと思いますが・・・いえ・・・

 そう思いたいと言うのが正しいのでしょうね」


何処か疲れたようにそう言い放つ。


「増援は出せないのですか?」


「増援を出そうにも聖騎士達が居なくなれば

 結界の強度が落ちるので被害が大きくなってしまいます・・・

 それにあの2名が駄目であれば増援に出せる立場の聖騎士が

 数名程度では通用しないでしょう

 聖女様に護衛としてついて行った方も居れば話は違ったのでしょうが・・・」


なるほど・・・能力がある聖騎士は現状維持で限界。

重要なポストに居ない者ならば数名程度であれば増援も可能だが

そうなると能力的に厳しく数人程度では埒があかないと・・・。

それにしても何時の間にかあの二人はここらの聖騎士に

引けを取らない位の腕前になったのか。

それにその護衛と言うのはエレアスさんの事だろう。


迷宮の内部はそう広くないらしい。

3階層までで内部の構造もシンプル。

だが瘴気の発生元と思わしき場所にはどうしても

辿り着けなかった。

地図を作ってはみたがやはりどうしてもたどり着けない。

そうだと思わしき場所はあったようだけどもね。


中に生息している魔物実体が無いか半実体のような種類が殆どで

瘴気によって発生したと考えられる。

稀に実体の物もいるが元から生息していた種類が変質したようで数は少ないので

現れる敵の大半が物理的な攻撃が効きにくいと言うのも難易度を上げているそうだ。



どうしたものかと考えているとブタ子が俺を見てくる。

俺の考えでも読めてるのかね。

苦笑しながらも頷く。

それを受けてブタ子は少し悲しそうな表情をするが

スグに何かを決めたような顔つきになる。


「モリスさん

 増援にはこのミノルを行かせます

 許可を出して頂けますか?」


「え?いや・・・しかし・・・」


「私の護衛は他に2名居ますし

 ここには聖騎士様達も沢山おられます

 私の事は心配せずとも大丈夫です」


「ですが・・・迷宮内部は危険です

 現状で内部がどうなっているかは予測できません

 それにこちらが出せる戦力も・・・」


「それでしたら問題ありません

 ミノルは迷宮攻略経験もあり

 今回集めた"魔核水晶"も"ほぼ"単独での攻略なんですよ」


「そ、そうなんですか・・・・

 ですが・・・」


「何かあっても私の勝手な行動として頂いて構いません

 なので出入りの許可だけ頂けませんか?」


「本当に宜しいので?」


「えぇ、私はこの者を信じています」


少し悩むも他に手が無いのだろう

わかりましたと呟いてモリスさんは机から札のような物を取り出し

裏側にサインをした上で焼印を押して申し訳なさそうに渡してくる。

だがその顔は少しだけ明るくなっていた。






援護に向かうとなれば早い方が良いと準備に入る。

瘴気が濃くなる前の調査結果から作られたので

最新では無いが地図も貰えたので読み込む。

他にも色々と用意してくれたので受け取り

サクサクと準備を終えて入口に向かう。


「じゃぁ、ちょいと行ってくるよ

 地図を見る限りだとそこまで広くも無いし」


「十分に注意してくださいね

 キリルさんとリースさんを頼みます」


「あぁ、ちゃんと無事に再会してみせるさ」


「ミノルさん・・・これを」


そういって差し出してきたのは俺の作ったペンダントだ。

それを2個渡してきた。


=========================

≪清浄のペンダント≫


害するモノを祓い空間を清浄化する。

周囲の魔力を吸収し永続的に効果を発揮するが

効果範囲も狭く、浄化能力も低い。

自分の魔力を糧とする事で効果を上げる事が可能。


種類:アクセサリー

等級:上等級

品質:一般品

作成者:森山実留

=========================


「シュラベントさんとコールさんの分です

 何かの役に立つかもしれないから持って行けと」


「渡して大丈夫なのか?

 2人も辛いだろう」


「ここは結界が常時展開されていますので

 今までよりも楽だから大丈夫

 との事ですよ

 私の分は絶対に渡すなと怒られちゃいましたけど」


シュラベントは何だかんだ言っても色々としてくれるんだよな。

コールは・・・まぁちょっとアレになったけどね。

ペンダントを受取り収納する。


「ありがとうな」


「2人を頼みましたよ

 ミノルさんが生きている事を知ったら

 きっと喜びますから」


「そうかな?」


「えぇ、そりゃもう

 キリルさんなんて聖騎士に束縛されるぐらいに

 暴れたんですからね」


「まじで?」


「本当ですよ

 リースさんもずっと泣いてましたし」


「そっか・・・・じゃぁ

 あの2人にもちゃんと話してみるかな・・・」


「そうしてあげてください

 護衛部隊と言っても私と同じで協力者って立場なので

 何かあっても聖神教には秘密にしてくれるはずですから」


「うん、そうするよ」


「スグに帰ってきてくださいね」


「あぁ、任せとけ

 こんな迷宮モドキなんてあっという間さ」


そして俺はまたもや迷宮に挑戦する事になった。

モリスさん以外は全員不在でしたね。

今回は迷宮に縁がありますなぁ。

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