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最近は1話のボリュームが少しづつ増えてきた。

もっと切りよく書きたいなぁ。

神様が何故かひょっこりと宴会に混じっていて

ビックラこいた森山実留です。

つうか神様ってそんな簡単に会えるモノなの?

ってかこんな宗教ど真ん中の場所に来て良いモノなの?






思わぬ所で神様に遭遇した。

好青年が料理神ターウェイ。

俺に酒を勧めてくれた壮年のコワモテさんが酒神ランバル。

美人なOLさんが宴会神リリラリ。

なんと一気に3人の神様登場だ。


「えーと、いつから居たんですか?

 何と言うか此処に来ちゃって良いんですか?

 まさかとは思いますが・・・世界神の指示?」


余りの事に質問をポンポン投げてしまう。


「まぁまぁ、落ち着いて

 僕達は途中から居たよ

 ちょっとミノル君が観たくてね

 もちろん空間をズラして重ねていたから

 誰も気が付いてないから安心して欲しい」


「空間をズラす?」


「うん、そこは私の力だね

 重なり合った場を作りだすって言うのかな

 私達は別空間に居てこの世界と重ねてたって感じ

 料理やお酒はピントを合わせておいたから

 皆からは気が付くと減ってるなって感じた人も

 居たんじゃないかな」


「まぁそんな訳だから安心して欲しい

 今は部屋ごと隔離したから誰も入って来ないよ」


「安心もなにも・・・・まぁ神様のやる事なんて

 そりゃ常識じゃ考えれないでしょうし」


何事ともないかのようにサラっと説明してきたが

相当に大事なんじゃないのコレって?


「そんな訳で時間はある・・・・

 肴を作って貰えんか?

 流石に現世の者の料理をつまみ食いするのも

 ちょっと悲しくなるものでな」


酒神に催促され酒の肴になりそうな物や宴会神のオーダーに

適いそうな物を作る。

ついでに先程まで準備してた俺の分も増量して作った。

これで残り物と合わせれば十分な量になるはずだ・・・なるよね?


料理を作って戻るとアリスとルーブが起きていた。

ルーブは宴会神に残り物も貰ってアグアグと嬉しそうに食べ

アリスは酒神と料理神と話していた。


「お待たせしました

 要望通りなら良いんですが・・・・」


「実留君もこっちに座って一緒にどうかな?

 ランバルの酒も良いのを幾つか持ってきてるんだ」


「あぁ、俺の酒は美味いぞ

 是非試してくれ」


2神にそう言われ俺はテーブルを共にする。

宴会神はルーブに加えてアリスも参戦したので

かわいー!おいしー!と連呼しつつ満足げに食事をしている。


「それで神様が何故こんな所に?」


「さっきも言った通りに実留君を観てみたくなってね

 世界神様は関係が無くて本当にそれだけなんだ

 君の作った料理とお酒にも興味があったしね

 リリラリは楽しそうだからって協力してくれたんだ」


「私はスイリーヤから話しを聞いてたからね~

 ちょっと興味があったんだよね

 あの子があそこまで楽しそうに話すのなんて久々だったからさ」


「え?スイリーヤ?」


「うんうん、私の友達なんだよね」


また意外な所で繋がってんなー。

こんな美人OLさんがズボラ大学生みたいなスイリーヤと親しいのかよ。


「僕達が実留君を知ったのは料理と酒で世界に影響を及ぼしてるからなんだ

 自分達が司る事柄で良いにしろ悪いにしろ世界に影響があると

 僕達には分かるんだよ

 手出し出来る出来ない、するかしないかは状況や神の能力、性格よるんだけどね」


「自分の料理如きにそんなに影響なんてあります?」


「各地を転々としながら料理で魅了者を作りながら

 新しいお酒の製造方法を伝授するなんて普通は出来ないよ」


「そんなものなんですか?」


「そんなものなんだよ

 で・・・申し訳ないんだけど作ったお酒って無いかな?

 料理を味わっちゃうとお酒もねって・・・」


苦笑しながらターウェイが言うので1瓶を出す。

ランバルの酒と比べてしまうと明らかに見劣りすると思うんだけどな。

それでも俺が作った料理と酒を堪能してるようだ。

俺も遠慮なくランバルの酒を楽しむ。

つーか本当に美味いなコレ!


「そういえば現世ってそんな簡単に来れないと聞いていますが

 大丈夫なんですか?」


「今回は問題無いよ

 と言うよりも今回だから来れたってのもあるんだよ

 正確に言えば来ても居ないんだけどね」


以前から注目はしていたが現世に来なければいけない

強い理由も無く申請が下りそうも無い。

どうにかならんものかと考えていたら

神の力を感じる地に居たのでリリラリにお願いし

神界と現世の間に場を作って貰い繋いだ。


目印として≪黒鍋≫を使ったが

場を作りだして繋げる事が出来たのは

ここが現世で神域と言われる神の力の残滓が残る場所だからだそうだ。


「じゃぁ本当にここは昔に神が降臨した事があるんですか?」


「そうだね

 義体なんかじゃなくて本体で降臨しているんじゃないかな

 その影響でこの地が変質し力を持っているんだね」


「なるほど

 ではこちらの世界にある似た様な場所と言うのは

 全部がそんな感じなんですか?」


「そうとも言い切れないね

 時間を掛けて変質した土地もあるだろうし

 我々の様な神以外の高位的な存在が降りた場所もあるだろうしね」


「ここは光の神が降臨した場所ってのは間違いないのか・・・

 それはそれで凄いな」


「え?いや?

 光の神が降臨したんじゃないよ

 詳しくは僕も何とも言えないけどあの方の力は感じないな」


「え?違うの?ってか光の神って居るの?」


「居る・・・と言えば居るね

 僕達は皆の信仰や行動等を糧に存在する事が出来ているんだ

 だから君達が想像している神は殆どが存在していると思って良い


 極端な事を言えば存在していなくても大勢が存在を心から信じていれば

 新たな神が生まれるなんて事もあるのさ


 まぁ複数の事柄を司る神も居るし現世の者が呼ぶ名と同じとも限らないけど

 信仰する概念に司る神は居ると思って良い」


「へ~、でも此処に降りたのは光の神ではないと?」


「そうだね・・・・あの方が創世以外の時に

 こちらに来たって事は殆どが無いんじゃないかな

 現世には高位神の方々が直接関与はしないと思うんだけど・・・

 まぁ僕は下級神だから高位の神々の事はわからないんだけれどね

 リリラリなら何か知ってるかい?」


「ん?あーこの地の事でしょ

 多分だけど光の神の属神じゃないかな

 本神が直接降りてたら影響がこんなもんじゃないでしょ

 少なくとも悪い事は無いし神の影響ってのは間違いないんだから

 別に良いんじゃない

 属神と言えども高位神なら力もあるだろうし」


「属神ってのは普通の神とは違うの?」


「そうね・・・・属神と言うのは

 ある意味で自分の分身って感じなんだよね

 自らの力を分離させて作り出した神だから

 本神と同じ属性を持ってるし似ているんだ

 

 行動や意志の自由を決めるのは本神だから

 自立した意志を持つ属神も居れば人形のようなのも居るね」


「へぇ~、そんな事も出来るんだ

 神って凄いなぁ

 三神の方々は居るんですか?」


「私は事務手続き用に数神居るよ

 そこまで力を譲渡してないけど」


「僕も居るけど手伝い専用だね

 割り振る力そこまでないからね」


「私はおらんな

 自分で納得できる物を作りたいしな」 


そんなものなのかね?

好奇心から聞いてしまったが聞かない方が夢があったと思う。

神様事情的なモノも結構リアルだ。

俺には関係が無いけどさ・・・・。


だが


"光の神に祝福されし光皇"


その肩書きが悲しく感じてしまうようにはなった。


あ、ちなみに"光の神に祝福"ってのは

神域に選ばれたと言うか波長が合って強く結びつく者じゃないかとの事。

そうなると通常よりも能力値が高くなり

特殊技能も持つ場合が多いんだそうだ。


なんかこうリアルさがちょっと嫌だ。





「この酒は美味い・・・・丁寧に作られたのも分かるし

 強烈な酒精にも関わらず熟成された丸みで尖ってない」


渡した酒をジックリと味わうように飲んでいたランバルが

しみじみと感想を話し出した。


「それは初期に自分が作った奴ですしね

 現在流通しているのはどの程度の品質かは不明ですが・・・

 それに作り方によっては尖らせることも出来ますよ」


「なるほど・・・となると現行品も気になる所ではあるな

 だが今回は諦めるとするか

 この場所からも出れん事だしな

 ふむ・・・・・この酒はまだあるかね?」


アイテムボックスを操作して調べると14本ある。


「まだ14本はありますよ」


「そうか・・・なら半分程別けて貰えないか?」


今となっては貴重品だけど・・・・まぁ良いか。

同じ量が宝物庫に残ってるし多分だけど原酒もデンベルグにあるだろう。

半分と言わず10本を差し出す。


「おお、こんなに良いのかね?」


「お酒なんて飲んでナンボですし

 酒の神様に飲んで貰えるならこいつ等も幸せでしょう」


俺の言葉を聞き酒神はニヤリと笑った。


「君は良い酒作りをしそうだな

 お礼と言っては何だがコレを君にあげよう」


1つの空の瓶を渡してくる。

透明度の高いガラスの瓶で圧力で蓋をする

シンプルな作りで中には何も入ってない。


「コレは?」


「私が作ってる酒が呑める様になる瓶だ」


「ランバルさーん

 良いんですか?そんなのあげちゃって

 それって現世だと神器扱いになっちゃいません?」


宴会神が苦笑しながらも注意してくる。


「なに、神器とは名ばかりのただ酒が出てくる瓶だ

 一度に出せる量も多く無いし問題ないだろ

 リリラリ殿が黙っててくれればだがな」


「私には何の事だかね~

 ここに食事に来てるだけだし美味しくて

 もうそれに夢中で夢中で」


ワザとらしくリリラリが惚ける。

あぁこの人は本当にスイリーヤと友達なんだな。

こんなトコも似てやがる。

ターウェイも他所を向いて知らんぷりしてるし。



=========================

≪ランバルの酒瓶≫


酒神ランバルが作った酒で満たされる酒瓶

飲みきると翌日には満たされている

作られている酒がランダムで選ばれ指定は不可

瓶は神器で中身は神酒の扱いだが

酒を出す以外の機能は無い


種類:道具

等級:伝説級

品質:良品質

作成者:酒神ランバル

=========================


普通に凄いよねコレって?

こんなもの渡して大丈夫なのか?

現世に干渉してるって事にならんのか?


「私の酒を楽しんで貰えたらそれで良い

 明日の朝には満たされているだろう」


「ありがとうございます

 神のお酒・・・・楽しみです」


ピローン


> 守護≪酒神ランバルの加護≫を手に入れました。


=========================

≪酒神ランバルの加護≫


説明:酒の一滴は血の一滴


効果:酒精について耐性が付く

   耐性度合いはコントロール可能

   酒作り時に各種プラス補正

=========================


おお、なんか加護内容が微妙だ・・・って言うか凄い限定された内容だ。


「ランバルは加護を与えたんだね

 ついでに僕も実留君を祝福しよう」


ピローン


> 守護≪料理神ターウェイの加護≫を手に入れました。


=========================

≪料理神ターウェイの加護≫


説明:1つの皿には宇宙が広がる

   さぁ味わうが良いこの世の快楽を


効果:料理時に各種プラス補正

   味覚、嗅覚を任意で鋭敏化可能

   経口の際の毒や腐食等に対して耐性を得る

=========================


これまた限定された内容だな。

だが神の加護は記載された効果以外にも

少なからず身体能力にも影響がある。

それは下級神の加護や戦闘系以外の神だとしても侮れない。

通常は複数神の加護を得る人物は滅多に居ないとされているが

戦闘系の神 or 戦闘系以外の複数神だとすると

身体能力だけは勝てるようになるかもしれない。

技能は別だから負ける可能性は高いけどな。


つうか有り難いんだけど・・・・戦闘系の神が1人もいねーな。


「私も加護あげてもいーんだけどなぁ

 スイリーヤの居ない所でやっちゃうとあの子が怒りそうだからね

 次の機会を待つよ」


むぅ・・・それは残念。

中級神の加護欲しかったな。

それに宴会神の加護内容が気になるぜ。


そんなこんなで何故か夜中の食堂で俺は

神の加護を授かり神器も手に入れる事になった。


神様って適当ですよね。

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